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脱・草食系男子フェア

2018.01.01 更新 ツイート

「一目惚れが一番ヤバい」脳科学的に恋愛と幸せが一致しない理由アルテイシア/中野信子/仲俣暁生/二村ヒトシ

藤沢数希さんの小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』のドラマ化(2017年12月28日に放送)を記念して、各電子書店で「脱・草食系男子フェア」を開催しています!その中から日替わりで"脱・草食系男子本"をおすすめします。

恋愛で暴走しないための技術』 二村ヒトシ/アルテイシア/仲俣暁生/中野信子
「恋は盲目」とはいえ、「好き」という感情をコントロールできずに、暴走した苦い経験は誰しもあるでしょう。しかしそれで終わりではあまりにも悲しい――。本書は、現代の男女の機微に精通するAV監督の二村ヒトシさんが、三人の恋愛賢者たちとさまざまな角度からその秘訣を探ります。恋愛の苦しさに自滅する前に知っておきたい教えが満載です。

iStock/wildpixel

人はなぜ〝苦しい恋愛〟にハマるのか?

二村ヒトシ(以下、二村) 僕は先日、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(イースト・プレス)という本を出しました。タイトルからもわかるかもしれませんが、この本で問題にしたのは、「人(主に女性)はなぜ苦しい恋愛にハマってしまうのか」ということだったんです。

 

中野信子(以下、中野) わかります。私もこのタイトルを見て、思わず「そうだよなあ」とうなずいてしまいました(笑)。

 

二村 僕はAV監督として数多くの女性たちから話を聞いてきましたが、ヤリチンにハマったり、彼氏に支配されていたり、彼を振り向かせたい一心で媚びるようなセックスをがんばっちゃったり……、彼女たちの恋愛には、どうにも楽しそうに見えないものが多いんですよ。なのに、そういう恋愛ばかり繰り返している。これはなぜなのかということを、僕はこの本を通して考えてきました。

 

中野 私も読ませていただきましたが、昔の自分を見ているようで、胸が苦しくなりました……。

 

二村 そうなんですか!? そこのところはまた後ほど詳しくお聞きしたいところですが(笑)、中野さんはご著書『脳内麻薬』の中で、「恋愛依存症」という現象について脳科学的な観点から解説されていますよね。僕にとって、これが非常に興味深かった。それで中野さんに「人はなぜ苦しい恋愛にハマるのか」ということについてぜひお聞きしたいなと思いまして。

恋愛=快楽だけを得ようとする行為?

中野 恋愛というのは、そもそも依存性の高いものなんですよ。なぜなら、それは楽しいもの、気持ちいいものだからです。脳科学的に言えば、「快楽物質が出るから」という理由になります。

 

二村 だからハマるわけですか。

 

中野 ごく簡単に言えば、そうですね。ここに深く関与しているのが、「報酬系」という脳内回路です。快楽というのは、個体の生存や種の保存のために必要な行動を促進するための〝エサ〟なんですね。人間というのは、それを求めて行動するようにできています。

 

二村 昔、SF小説か何かで読んだことがあります。生き物にとって本来「生殖」というのは大変な苦痛である。なぜなら、生殖は激しい細胞分裂をともなうので、体に負担が大きい。文字通り「引き裂かれる」ことなわけです。だから放っておくと生き物は絶対に増えようとはしない。それで神様か宇宙人か知らないけど、人間を創造した支配者のような存在がそこに麻薬のような快感を与え、我々はそれに騙されてセックスをしているんだと。

 

中野 概ねその通りですね。私たちが今日まで種を保存してこられたのも、この報酬系のおかげといえます。だから、「快楽というご褒美」は大変魅力的なものだし、うまく働いてくれる限りにおいてはとても便利な機能なのですが……人間は進化した結果、「楽しい」とか「気持ちいい」って部分だけを取り出せるようになってしまったんですよ。

 

二村 子どもを作ることと関係なく性的な快楽を得るとか、そういうことですか?

 

中野 そうですね。恋愛というのもそのようなもので、言うなれば「生殖のコストをかけずに快楽だけを得ようとする行為」ということになる。だから、ハマりやすいわけです。

 

二村 元々は人間を生殖に向かわせるための報酬として快楽があったわけだけど、人間はそれ自体を追い求めるようになってしまった。それが恋愛であると。う~ん、そう考えると恋愛って不思議な現象ですよね。

 

中野 ご褒美が本能に勝っちゃうということですからね。ある意味、本末転倒な行為といえるかもしれません。これには脳の不完全な構造が関与しているんですよ。

脳の〝建て増し構造〟が生み出す苦しみ

二村 どういうことですか?

 

中野 脳って一般的には「優れた器官」だと思われていますが、実はそうじゃないんですよ。人間という生き物は、「ものを考える脳」である大脳新皮質を発達させることで生き延びてきました。構造的には、古い脳の上に新しい皮質が「建て増し」される感じで積み重なっています。この古い脳と新しい脳は、互いにうまく連絡していないし、ときどき反発し合って壊れちゃうこともある。だから、構造的には全然キレイじゃないんですね。

 

二村 なるほど、それで不完全な構造なんですね。そっか! 内側にある動物や爬虫類的な脳と、表面の人間的な脳の連携がうまくいってないから、人は恋愛で引き裂かれるんだ。これはどう考えてもそうですね!

 

中野 そうかもしれませんね。私もそれを、二村さんの本を読みながら強く実感してました(笑)。もっとも、恋愛自体は別にいいものでも悪いものでもないわけですが、何で問題になるのかというと、それにハマってしまうから、そして、それによってやるべきことができなくなるからなんですよ。そういう意味では、苦しい恋愛にハマるというよりは、「恋愛にハマるから苦しくなる」という方が正しいかもしれません。

 

二村 快楽だけを追求して日常生活に支障をきたすって……、恋愛って本当に麻薬やギャンブルみたいなものなんですね。苦しい恋愛をしている人というのは、基本的につらい目ばかりの中で、たまにほんのちょっとうまくいったときに作動する報酬系に中毒しちゃってる人なんですかね。

 

中野 そうなんですよね……。困ったことに、脳というのは〝100%好いてくれる相手〟にはハマらないんですよ。そこに行けば愛情が得られることがわかっていると報酬系が働かず、快楽物質も出ない。だから中毒しないんです。でも、ある確率でしか得られないような場合は、常にそこへ行く必要がありますよね?

 

二村 だから「愛してくれない人」を好きになるわけですね。僕の経験則は、脳科学的にも根拠があったわけか(笑)。

 

中野 恋愛に中毒しちゃう人って、結局は自分の理想を追い求めてるだけで、相手をちゃんと見てないんですよねえ。人間関係に依存してしまう人に最もよく見られるのも、一方通行の人間関係ですから。

 

二村 わかります。臨床心理士の信田さよ子さんと対談させていただいたときも、信田さんは「一目惚れが一番ヤバい」とおっしゃってました。それは〝報酬系を刺激してくる相手〟ではあるけれど、ちゃんと愛情を得られるかというと、かなり疑問です。だから一目惚れから始まると、つらい恋愛にしかならないことが多い。

快楽と幸せはまったく違うもの!?

中野 もっとも、恋の感情、つまり報酬系の快楽というのは、基本的には抗えないものです。刺激に対し、自動的にスイッチが入るようなものなので、なかなか抵抗するのは難しい。でも、「快楽」と「幸せ」はまったく違うものなんですよね。快楽はただのエサであり、生きる幸せとは別物。これはちゃんと区別しておくべきものだと思います。

 

二村 「恋している相手を愛することはできない」というのが僕の本のテーマでもあるんですが、それとも符合する話ですね。

 

中野 生きる幸せを得るためには、むしろ快楽から遠ざかる必要があります。二村さんは「恋」と「愛」を分けて考えていますが、脳科学的に言ってもその通りで、「恋」つまり報酬系の快楽というのはドーパミンの分泌によって引き起こされるものですが、一方で、こういった興奮を抑制し、心を安定させるホルモンもあります。これはオキシトシンやセロトニンというものですが、「愛」を感じたときに分泌されるのは、こちらの方なんですね。

 

二村 つまり、恋というのはドーパミン系の快楽で、愛というのはセロトニンやオキシトシン系の幸せであると。

 

中野 そうですね。特にオキシトシンというのは、家族の結びつきを作るために出るホルモンですから、まさに〝愛情ホルモン〟といえます。

 

二村 それをつなぐのがセックスという行為なんでしょうか。そう考えると、相手を欲しがることで分泌される報酬系の快楽=恋の気持ちって、それ自体は決して悪いものじゃない。相手を得たところで、互いに「愛おしい」という気持ちになれば幸せなわけですからね。

 

中野 そうですね。恋というのは、幸せになるためのエサといえるかもしれません。だから、それだけを求める中毒状態になってしまうと、幸せにはなれない。理想の相手を追い求め続けちゃう人とか、まさにそれですよね。だって、それは脳内麻薬に導かれたものであって、理想の相手なんて実は存在しないわけですから。それをわかるまで、人は幸せになれないんですよね……。

 

二村 恐ろしい結論ですね。まったく同感なんですが、そう考えるに至った中野さんご自身の恋愛人生も気になるところです(笑)。

セックスは好きだけど重い女は嫌いな男の脳内

二村 ここまでをまとめると、「恋」とはドーパミンの分泌によって発生する報酬系の快楽であり、そもそもが中毒しやすいものであるという話でしたね。

 

中野 そうですね。恋は幸せになるための〝エサ〟に過ぎず、それだけを追い求めてしまうと依存症的に苦しむハメになり、幸せにはなれません。

 

二村 少し話は飛ぶんですが、僕はずっと「ヤリチン」の問題について考えているんですね。昔のヤリチンというのは女性が大好きで、女性を口説いている自分も大好きというイメージでした。

 

中野 いましたね~、そういう人(笑)。

 

二村 でも、今のヤリチンってちょっと違ってて、彼らは女性に恋されている自分が大好きなだけで、相手の女性の内面はむしろ嫌っているように感じるんです。ストレートに言うと、「重たい女はウザい」と思いながらセックスをし続けている。

 

中野 それだと、女性はもちろん、彼ら自身も幸せになれないですよねえ。

 

二村 そうなんですよ。じつは他ならぬ僕自身にもそういう傾向がありまして……、それでずっとヤリチンの心理やメカニズムについて考えてきたのですが、中野さんの『脳内麻薬』を読んでいて驚いたのは、そこにも何と報酬系の快楽が関わっていたということで。

 

中野 はい、「バソプレシン」という脳内ホルモンのことですよね。これは〝愛情ホルモン〟であるオキシトシンに似た物質で、セックスの最中の男性の脳内で分泌され、相手女性に対する愛着を形成することが知られています。

 

二村 そのバソプレシンの分泌が少ない人が、浮気性の男性になってしまうと。

 

中野 ごく簡単に言えば、そうですね。エルサレムのヘブライ大学による研究によれば、脳のある部分にバソプレシンの受容体が少ない男性は、女性に対して無慈悲な行動を取る傾向にあることが指摘されています。

 

二村 すごい言葉ですよね……「無慈悲な行動」って。これを読んで以来、僕の中で「無慈悲」という言葉がマイブームです(笑)。

 

中野 つまり、共感能力が低い。相手の立場になってみたり、相手の苦しみを想像したりすることができず、利己的な行動ばかり取ってしまうんです。二村さんがおっしゃったヤリチン男性にも、おそらくこのタイプの人が多いんじゃないかなあ。

 

二村 「俺がいろんな女性とセックスして苦しくなっちゃったりするのは、脳の構造に問題があったのか!」って、個人的にかなり衝撃を受けました。共感能力が低いだなんて、人としてヤバいのではないかと……。

 

中野 でもね、そういう人間が生き残っているということは、つまりたくさん子どもを残せたということで、生存戦略としては正しいとも言えるんですよ。95%以上のほ乳類は、一夫一婦制ではないし、オスは子どもを作ったら逃げます。そっちの方がオスの生存戦略としては正しいわけです。

 

二村 ホント、身も蓋もないですね!

 

中野 だから、一概に間違っているとも言い切れない。まあ、メス側としてはちょっとつらいですが(笑)。

インチキ自己肯定は競争激化の産物!?

二村 このヤリチン問題には厄介なところがあって、こういう男性って、反省する機会に恵まれないんですよ。ヤリチンが自分を疑わずに済むようになっているのが今の社会なので。

 

中野 そうでしょうね。多くのメスを獲得することが優秀なオスの証になりますもんね。

 

二村 はい。だから、つい「俺はこれでいいんだ」と思ってしまう。これが女性だったらそうは思えませんよね。ここには大きな非対称性がある。このように、社会や仲間が許してくれることで「自分自身に深い疑問を持たないでいられる状態」を、僕は〝インチキ自己肯定〟と呼んでいます。

 

中野 そういう男性、ホントに多いですよね(笑)。

 

二村 さっき中野さんがおっしゃったように、生存戦略的に見れば無慈悲で利己的なヤツにも一定の意味があるかもしれないけど、このインチキ自己肯定はどうなんでしょう。あまり意味ないですよね?

 

中野 いや、実はあるんですよ。

 

二村 そうなんですか!?

 

中野 人間の場合、農耕が始まったりして集団を形成する必要がありました。すると、一つの集団の中にオスがたくさんいる状態になる。こうなると何が起きるかというと、オス間の競争がものすごく激化するんですね。その証拠に、人間のオスって体の大きさに比べると睾丸が大きく、精子が多いんです。さらに、多くの動物種では子どもを産むためメスの体の方が大きいんですが、人間の場合は逆ですよね。これもオス同士の競争が激しい証拠です。

 

二村 なるほど。

 

中野 それが今でも残っていて、殴り合いこそしないけれど、社会的地位などによる争いが絶えない。この競争はメスが想像するよりずっと熾烈です。オスは勝ち負けを重要視していて、負けることはオスによって非常に屈辱的なことです。だから、それを埋め合わせるために自己肯定が必要になる。これは快楽というより、ある意味かわいそうな、とても切実な問題だと思います。

 

二村 いや、ホントそうですね。なぜかわいそうかというと、男って社会がなくなったら真っ逆さまでしょ。女の子は今うっすら全員が病んでいるけど、自分が病んでることをちゃんと知っている。でも、男はインチキ自己肯定できちゃうから、自分がキモチ悪いってことに気がついていない。

 

中野 それは男性にとってなかなか認め難いことだと思いますよ。だって、認めたら自分が壊れちゃうから。

 

二村 社会や仲間から外れ、インチキ自己肯定をできなくなった途端に男は壊れる。だから男は自殺率が高いんだと思います。女の子の方が心療内科に行く数とか、恋愛でアタシ病んでるっていう数は多いかもしれないけど。

 

中野 女性は「頼る」ということを許されてますよね。男性はそれができないし、できたとしても限られた人にしか頼れない。例えば奥さんにも頼れないということになったら、それは頼れる人を探して浮気しちゃいますよ。だから、頼られることを許せる女の人はきっとモテるはず。もちろん、頼られる女の人はすごく疲れると思うけど……。

 

男はまともな恋愛ができず、女は苦しい恋愛を繰り返す

二村 僕の本業はアダルトビデオの監督なんですが、昔からずっと女性が強い作品を撮ってきたんですね。例えば、女性の科学者が情けないオタク男を捕まえてきて人体実験にかけるとか……(笑)。

 

中野 嫌いじゃないかも(笑)。

 

二村 もう20年以上前になりますが、僕がAV監督を始めた頃にはそういう作品ってほとんどなかったんですが、今は女性がリードするものはメジャーなジャンルです。これってもしかしたら、男性が女性化したがってることの表れなのかなと。

 

中野 私もよく思います。男の人も支配されたがっているんだなあって。

 

二村 でも、特にヤリチンみたいなインチキ自己肯定できちゃう男って、そういう自分を受け入れることができないんですよね。それで、その反動として無慈悲なセックスを繰り返し、女性を支配しようとしているのではないか……。

 

中野 あれ何なんだろう? ヤリチン男性って自己評価がすごく低いのかな?

 

二村 まさに! 彼らは、じつは自己評価が低いんですよ。男は自己評価が低いことによってまともな恋愛ができなくなり、女は自己評価が低いことで苦しい恋愛をたくさんするようになる。それが僕のテーマなんです。

 

中野 そうかそうか、なるほどな~。何か、いろいろすごくよくわかった(笑)。だから、ヤリチンの人っていうのは相手とセックスしたいわけじゃないんですよね。

 

二村 そうなんです。女性に復讐していたり、自分の中の女性像とヤッてたりで、目の前の相手を人として見ていないのは間違いない。

 

中野 オスは自分が征服したメスの数で競うので、セックスも対女性ではなく、対男性だったり対自分だったりするんでしょうね。その戦いは孤独ですよ。だから、ホントは女の人に甘えたいんだけど、それがなかなかできない。これが男性の苦しみなんだろうなあ。

 

二村 その通りでございます(笑)。中野さんの『脳内麻薬』が僕の理論を裏づけてくれたり、「所詮人間は脳内ホルモンに操られているんだから、悩まなくていいんだよ」という励ましを得た一方で、「やっぱり無慈悲な人間は無慈悲なままで、お前のヤリチンは治らない」っていうメッセージも受けて、軽く落ち込む気持ちもありました。

 

中野 まあ、無慈悲は無慈悲でいいんですよ。何万年経っても無慈悲なヤツは生き残ります。そこはメスが苦しめばいいんです(笑)。

 

二村 それを女性の脳科学者である中野さんが言うとは……。女性科学者好きの僕としては、めちゃめちゃ萌える。僕のAVって、女性科学者が出てきてエッチなことをする作品が多いんですよ。

 

中野 それはマニアックすぎですね(笑)。

脳に電流を流すとセックスがうまくなる?

二村 変な話をしてすみません。よく考えたら科学者である中野さんに失礼な話だったかもしれません。

 

中野 いえいえ、全然。むしろそういうマニアックなネタは大好物です。人体実験ってどんなことをするんですか?

 

二村 ここでは言えないくらい卑猥な、とてつもない快感やオーガズムに男性の肉体が耐えられるか、とか。ひよわなオタク男子の脳に電流を流すと、凶暴で巨根のAV男優に変身するとかですね(笑)。そういう設定に、僕個人の歪んだファンタジーが込められているのです。

 

中野 素晴らしい。それだけで二村さんの才能がわかる。でもね、実際に私、脳に電流を流す実験とかやってますよ(笑)。

 

二村 えっ!

 

中野 よく聞く話に、「人間の脳は30%くらいしか使われていない」みたいな説がありますよね。あれ、もうちょっと正確に言うと、「働いていると意識できる領域が100%じゃないだけ」という話で、脳の大部分は何らかの機能を担うために常時働いているんですよ。

 

二村 おお……。

 

中野 で、その中には「脳の機能にブレーキをかけるための領域」というものもあるんですね。例えば、頭をぶつけたら賢くなって数学の問題ができるようになっちゃった男性の例を紹介した脳科学の論文があるんですが、頭をぶつけたことによって、脳のブレーキ機能が壊れたと解釈できるんです。

 

二村 ぶつける前は、自分で自分にブレーキをかけていたから賢くなかっただけなんだ。

 

中野 そうそう。その機能を担っている領域に電流を流すことによって、一時的にブレーキを麻痺させるという実験もあるんです。

 

二村 すげえ(笑)。となると、僕が監督したAVのように「悪の女科学者に捕まって電流を流してもらうと、セックスが異常にうまくなる」なんていうのも科学的にあり得る話なんですか?

 

中野 特に身体能力なんかは、疲れや怪我を予防するためにブレーキをかけちゃっている部分も大きいので、あながち間違いではないかもしれない。

 

二村 やったー! って、こんな話につき合ってくださって、中野さんが世の中からトンデモ科学者扱いされないか不安になってきましたが。

 

中野 大丈夫です。おかしい人だと思われることには慣れてますから(笑)。

(「パート3二村ヒトシが中野信子に訊く「恋をする時、脳では何が起きるのか?」より)

***
恋愛で暴走しないための技術目次抜粋

■オクテ女子は非モテ男子を育てるべし!
■非モテのオクテ独身男子は〝ブルーオーシャン〟
■乳首の感度も高めな20代男子に希望あり!?
■男は「受け力」を、女は「攻め力」を鍛えるべし!
■「レズビアンのリバ同士」みたいなセックスを推奨したい
■30年の間に2度の復刊を果たした不朽の名作

■恋愛の暴走を止め、恋愛の何たるかを教える
■男はまともな恋愛ができず、女は苦しい恋愛を繰り返す
■脳に電流を流すとセックスがうまくなる?
■「心」とは、非合理にして不完全な脳のユニット
■セックスする男たち、AKBを崇める男たち

 

◇今だけ20%引き!脱・草食系男子フェア対象タイトル一覧◇

ぼくは愛を証明しようと思う。』 藤沢数希
日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない』 湯山玲子/二村ヒトシ
ルポ 中年童貞』 中村淳彦
ヤクザに学ぶ恋愛交渉術』 山平重樹
あの人は、なぜあなたをモヤモヤさせるのか 恋愛編』 宮崎智之
恋愛で暴走しないための技術』 二村ヒトシ/アルテイシア/仲俣暁生/中野信子
男と女がいつもすれ違う理由』 はあちゅう/藤沢数希
日本一有名なAV男優が教える人生で本当に役に立つ69の真実』 加藤鷹
出世する男はなぜセックスが上手いのか?』 アダム徳永
「劇場版テレクラキャノンボール2013」が教えてくれる男と女とその時代』 湯山玲子/カンパニー松尾

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脱・草食系男子フェア

藤沢数希さんの小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』のドラマ化を記念して、
「脱・草食系男子フェア」と称し対象作品の電子書籍版をお得にご購入いただけるフェアを各電子書店で開催しております。
今回はその中から一部を紹介させていただきます。

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アルテイシア

神戸生まれ。現在の夫であるオタク格闘家との出会いから結婚までを綴った『59番目のプロポーズ』で作家デビュー。 同作は話題となり英国『TIME』など海外メディアでも特集され、TVドラマ化・漫画化もされた。 著書に『続59番目のプロポーズ』『恋愛格闘家』『もろだしガールズトーク』『草食系男子に恋すれば』『モタク』『オクテ男子のための恋愛ゼミナール』『オクテ男子愛され講座』『恋愛とセックスで幸せになる 官能女子養成講座』『オクテ女子のための恋愛基礎講座』『アルテイシアの夜の女子会』など。最新作は『40歳を過ぎたら生きるのがラクになった』がある。 ペンネームはガンダムの登場人物「セイラ・マス」の本名に由来。好きな言葉は「人としての仁義」。

twitter : @artesia59

中野信子 脳科学者

一九七五年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授。著書に『脳内麻薬』、『ヒトは「いじめ」をやめられない』『サイコパス』などがある。テレビ番組のコメンテーターとしても活動中。

仲俣暁生 フリー編集者、文筆家

1964年生まれ。東京都出身。フリー編集者、文筆家。『WIRED日本版』、『季刊・本とコンピュータ』などの編集者を経て、現在はウェブサイト『マガジン航』編集人(発行:ボイジャー)。このほか『文化系トークラジオLife』のサブパーソナリティなども務める。著作 に『再起動せよと雑誌はいう』(京阪神エルマガジン社)、編著『ブックビジネス2.0』(実業之日本社)、『編集進化論』(フィルムアート社)など多数。
Twitter:@solar1964

二村ヒトシ アダルトビデオ監督

アダルトビデオ監督。1964年六本木生まれ。慶應義塾幼稚舎卒、慶應義塾大学文学部中退。監督作品として『美しい痴女の接吻とセックス』『ふたなりレズビアン』『女装美少年』など、ジェンダーを超える演出を数多く創案。現在は、複数のAVレーベルを主宰するほか、ソフト・オン・デマンド若手監督のエロ教育顧問も務める。 著書に『すべてはモテるためである』、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(ともにイースト・プレス)、『淑女のはらわた 二村ヒトシ恋愛対談集』(洋泉社)『オトコのカラダはキモチいい』(共著/KADOKAWA)などがある。
公式サイト:http://nimurahitoshi.net/
twitter:@nimurahitoshi / @love_sex_bot

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