1. Home
  2. 生き方
  3. 結婚はつらいよ!刊行記念対談
  4. 第3回 銀座の女と浮気した夫。気がついた...

結婚はつらいよ!刊行記念対談

2015.12.20 公開 ツイート

『結婚はつらいよ!』刊行記念対談

第3回 銀座の女と浮気した夫。気がついたのはパンツの変化から。 今村三菜/辛酸なめ子

男はみんな浮気する!?

今村 夫の浮気がわかったときは、友だちにもしゃべりまくりました。「どうしよう」って。男子会に行ったとき、「うぇー!」って泣きながら、「夫が……」って相談したんですよ、どうしたらいいかって。そうしたら、「うわー」って笑われちゃって。「それ以前に、男はみんな浮気するから」って。

 そうしたら、また別の意味で涙が出ちゃって。

辛酸 本当に、私もそれを読んで、すごい衝撃でした、男性が全員、浮気してるっていう。

今村 それも、その人たちのいた男子校は、キリスト教の学校だったんですよ。

辛酸 男子校の人は絶対浮気をしないような錯覚をしていたんですけどね。

今村 それが「男はみんな浮気するけど、だいたい30代で終わる。お前の夫はバカだ。そんな年になって」と。

辛酸 それで、その人たちは妻の元に戻っていったっていうことなんですね。ばれずに戻って。

今村 はい。そんなこと言ったってうちの夫は浮気じゃないですから。本気ですから。

辛酸 男性が全員、浮気しちゃうのは、やっぱり本能的なものなんですかね。また恋愛をもう1回体験したいという、そういうドキドキ感を。

今村 疑似恋愛ということでしょうかね。

辛酸 そうですかね。だからそこで、もしかしたらアイドルに行くとか、別の──猫を可愛がるとか、そっちのほうに行く人もいるかもしれないですけど。

今村 そういう知り合いはいないんですけど……女のかわりに?

辛酸 女のかわりに、歌系の活動する人とかに。そんな人いますよね。理系男子の話とか聞くと。

今村 ペンライトみたいなものを持って踊る人とか?

辛酸 そうですね。だからそういう、浮気する方向か、また別の方に行くかという。

 でも、浮気する人は、たぶん仕事がある程度できるアグレッシブな、アドレナリンが出ている人なんじゃないかなと思うんです。

今村 みんな、仕事が忙しいのに、よくね……。


女子校育ちの問題点?

辛酸 女子校育ちですと、「信じやすい」というのはありますね、相手のことを。

今村 ありますね。

辛酸 「絶対(浮気)しないだろう」と思っているというか。だから裏切られたら、女として自分のプライドがすごく傷つけられたように感じると思うんですけど。

今村 プライドは傷つかなかったですよ、もう、この歳ですから。その前から、ちょっと関係が悪かったので。浮気はきっかけでしかないです。でも、他の女の体液に一度まみれたらもう、洗ったからといって、戻ってきてもらっても、気持ち悪いなって。

辛酸 そうですねえ。体液だけじゃなくて、エネルギーを吸収したりしているわけですから。相手の女性の変なものとか、もらっちゃいそうですものね。

今村 そうなんです。それを共有するわけにはいかないというか、やっぱり粘膜と粘膜の接触というのは、気持ち悪いなと。

辛酸 そうですね。相手が本当に運気の高い、すごい人だったら……カーラ・ブルーニーみたいな、そのぐらいの人と浮気しているんだったら、いいかもしれないですけど。

今村 あ、そうですね!

辛酸 ○○○ちゃんのような、何をしているかもよくわからない……。

今村 そうなんですよ。なんかこう、茫洋(ぼうよう)とした感じのはね。


日本語が苦手な夫が……

今村 夫は私のことを、「日本語の専門家」って言うんですよ。おかしいですよね、日本語の専門家って。

辛酸 不思議な職業ですよね。金田一先生とかの感じですよね。

今村 それぐらい、夫の日本語が変っていうか。「この人、日本語が母国語じゃないのかな」っていうぐらい、訳がわからなかったんですね。メールもすごかったんです。「オケ」って、書いてあったりする。

辛酸 オケって、漢字の「桶」ですか?

今村 途中から漢字の「桶」になって、私も今、それを常用しているんですけど、「オーケー」じゃなくて、「オケ」って。で、句読点とか丸とか、ないんです。

辛酸 ええっ……。出し方がわからなかったんですかね。

今村 妻には面倒くさいんじゃないですか。「おめきょうもももくうとんか」とか(笑)。これはちゃんとした日本語にすると、「あなたは、今日も桃を食べているのですか」になります。念のため言うと。

辛酸 その浮気相手には、ちゃんと書いていたんですかね。

今村 浮気相手には、すっごいちゃんとした日本語で。

辛酸 顔文字とかも。

今村 うんうんうん! そうそう!!

辛酸 ぜんぜん違うんですね。

今村 ちゃんとした日本語で書いていたので、「やればできるじゃん~!」「私に対しては力が抜けていたんだー」と思って。

辛酸 奥さんと愛人っていうのは、そんなに変わるんですね、モードが。

今村 はい、すごかったです。すごい、面白かったです(笑)。夫の違う面を見たと言いますか。


※第4回へ続く。12月24日(木)更新予定です。

{ この記事をシェアする }

結婚はつらいよ!刊行記念対談

バックナンバー

今村三菜 エッセイスト

1966年静岡市生まれ。エッセイスト。仏文学者・詩人でもある祖父・平野威馬雄を筆頭に、平野レミ、和田誠など芸術方面にたずさわる親戚多数。著書に『お嬢さんはつらいよ!』『結婚はつらいよ!』(ともに幻冬舎)がある。

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP