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「美学」さえあれば、人は強くなれる

2015.09.25 公開 ツイート

刊行記念特別インタビュー 後編

漢(おとこ)たるものヤバい時ほど飯を食え! ケンドーコバヤシ

漫画好きで知られるケンドーコバヤシさん。これまで読んで来た漫画から学んだ“美学”を紹介する著書『「美学」さえあれば、人は強くなれる』を、9月24日に発売しました。同著では『ドラえもん』『キン肉マン』『スラムダンク』『ジョジョの奇妙な冒険』などの漫画のコマと一緒に、それぞれのストーリーや登場人物からケンドーコバヤシさん自身がインスピレーションを受けた言葉や行動をピックアップ。愛と尊敬に溢れ、勇気を得られる1冊となっています。 構想7年にしてようやく完成した著書についてほか、幼少期から触れてきた大好きな漫画への意中を語ってもらいました。そのインタビューを前編、後編でお届けします。

 

中学生女子、高校生女子へのアドバイス

——著書では少年漫画はもちろん、少女漫画も取り上げていて。

コバ そうですね。なんで読んでたんかは覚えてないんですけど、取材を受けていた頃、ちょうどいろんな少女漫画を読んでたんですよね。

 

――憧れの女性として『ガラスの仮面』の姫川亜弓を挙げていますよね。

コバ カッコいいですよね。僕はどちらかと言うと(主人公の)北島マヤに近いんで、あの感じに憧れます。恋愛の演技が弱点だと言われて、ADを引っ掛けたり次々と男を手玉に取るのなんてすごくカッコいい。僕も“女は芸の肥やしや”とか言うてゲラゲラ笑いたかったんですけど、そうはなれなかったという点でも憧れます。あとねぇ、記憶は定かではないんですけど、僕、少女漫画のヒロインについてビシビシ言うたと思うんですよ。


——そうですね。『タッチ』のヒロイン・浅倉南が嫌いだとはっきり発言してました(笑)。

コバ ふはははは! あぁ、言いましたね。南ちゃん、未だに嫌いなんですけど、ほとんどの人は好きでしょう?

——男性はそうですよね。でも、女性は嫌いという人が多いと思いますよ。

コバ あぁ、やっぱりそうですか。この本についてのインタビューをいくつか受けていて気付いたことは“俺、意外と女の子やなぁ”っていうこと。結構、女性的な視点を持ってるんやなぁと思いましたね。

——(笑)『僕等がいた』など、昨今の少女漫画のヒロインも嫌いだとか。

コバ あぁ、言いましたね。いやね、ああいう少女漫画って、大人が読むのはいいんですよ。でも、中高生は読まんほうがええんちゃうかなと。なぜなら、(ああいう作品を読んで)こういうのが恋愛なんだと刷り込まれたら、現実で上手くいかへんから。あんな男はおらへんじゃないですか。

——世の中の女の子全員が見とれるほどの美しい容姿を持っていて、地味な女の子の影での努力や性格の良さにそっと気付いて好きになってくれる男性なんて……極端なことを言えば、皆無に等しいですよね。

コバ そうなんです! 社会に出たらいないでしょう? 大人やったら“こんな奴いねぇよ”って笑いながら読めると思うんですけど、中高生くらいだと信じてしまうと思うんですよね。ただ、それらの作品群がごっそりと映画化されてカリスマ的な人気を得てしまった。(構想から)7年も経てばそういうこともある訳なんですけど、あまりにも圧倒的な支持を得てしまったので、俺、ちょっと黙っとこうと思ってます(笑)。ただ、これだけはアドバイスします。漫画上の男の子は大体、なぜかサラサラ金髪ですよね? でも、そんな金髪はいない! 君の周りにいるコンビニ店員とか近所の人、観てみなさい。現実の金髪は大体、髪がガシガシやから!


この本を読んで今一度、漫画に触れて欲しい

——今は電子書籍もありますけど、本として読むのが好きですか?

コバ そうですね。電子書籍は人から薦められて、その魅力もだいぶわかってます。何より、家がスッキリするっていうのはとてつもなくすごいことやなと思うんですけど、幸い、僕は機械に弱いので本で楽しんでます。本が並んでいるのを観るのも好きですしね。今住んでいる家には、本専用の部屋があって本棚は9本あるんですよ。で、完結した漫画を、感慨深いなと思いながら連載中の本棚から完結の本棚に移したりしてます。

——9本!? ということは、本もかなりの冊数を持っていると思うんですが、そんな中で人生のバイブルを挙げるとしたら?

コバ バイブルに近いものは、『ゴルゴ13』かもしれないですね。各地で風土や風習をすぐさま理解する方法も学びましたし、『ゴルゴ13』のおかげで海外でもトラブルに遭ったことは一度もありませんから。

——では、最近読まれた漫画から得た“美学”はどんなものでしょうか。

コバ 色々と読んではいるんですけど、なんやろうなぁ?(と、しばらく考えて)『闇金ウシジマくん』が佳境に入ってるんです。暴力団に仲間を拉致されたり、自分の金融会社が襲われたりしてる中で今、主人公の丑嶋が取っている行動はコンビニで買った弁当を食っていること。“そんなもん、食ってる場合じゃないだろ!”とか言われるんですけど“このあと、いつ食えるかわかりませんから”ってバクバク食っている。ヤバいときほど飯を食っておけっていうことですよね。俺も何かヤバいことがあったら、ひとまずコンビニに行って飯食おうと思います!

——(笑)この本は、どんな人に読んでもらいたいですか?

コバ 最近、漫画離れしている人が多いと聞くので、一度離れた人がこの本を読んで“また漫画を読みたい”と思ってくれたらいいなと。“こいつみたいに、おかしい読み方しても面白いんやな”って思ってくれたらいいですね。あと、印刷所で働く人たちのためにも本が売れればいいなと。

——デジタルに圧されて、印刷物が減っていると言いますもんね。


コバ
 そうなんです! 僕はいつでも印刷所の人たちのことを考えているので、本屋にも行き続けますし、本も買い続けます。印刷所で働く人たちが家族旅行でハワイに行けるまで、俺はこの活動をやめることはないと思います!(笑)


この企画の次回公開は10月2日予定。マンガへの愛とレスペクトの詰まった新たな自己啓発書である本書より、ケンドーコバヤシがマンガから学んだ54の教えが掲載されている目次を公開!
 

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「美学」さえあれば、人は強くなれる

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ケンドーコバヤシ

1972年生まれ、大阪府大阪市東住吉区育ち。1992年、第十一期生として吉本総合芸能学院(NSC)大阪校に入校。現在はピン芸人として、よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京本社に所属。テレビ・ラジオ・映画・舞台・新聞連載など幅広い分野で活躍中。

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