夫と義母の介護を終え、67歳から始まった、イラストレーター本田葉子さんの一人暮らし。不安と楽しみが入り混じるなか、日々を支えてくれたのは、ふだん着のおしゃれと手作りだったといいます。家で、スーパーで、畑で、毎日着る服でワクワクしたい。そんなふうに一人を楽しむ本田さんの暮らしと工夫が詰まった新刊『70歳一人暮らし、ふだん着おしゃれが日々の杖』より「はじめに」をご紹介します。

70代から似合う服が増えてくる
月に一、二度ショッピングセンターで娘と待ち合わせて無印良品やユニクロ、ザラ、ビショップ、ジャーナルスタンダードなどブラブラ見て回り、ああでもないこうでもないと言い合っている。何も買わないこともあり。
そんないつも行くショッピングセンターの中に、古着屋さんが新たに入っていた。
古着好きのわたしたちは、
「お〜いいねいいね〜!」
とさっそく見回り開始。
新しいものと古着の混合具合も好ましいお店だった。
しばらくすると娘が、
「なんか似合わなくなったって感じ」と渋い顔をして出てきた。
そーなのだ! 若さで着る服って確かにあり、古着もその中のひとつだ。わたしも中年に差し掛かったあたりでそう感じたことがあったので「そ〜れが〜♪ 年取ったってことなのさ〜♪」と哀愁漂うメロディー付きで答えたよ。
でもダイジョブ!! 一時のそのトンネルを抜けると、そこはパラダイスなのだった。頭部で白髪軍の勢力が徐々に増す頃、似合うものもまた増してくるのだ。
そうしてついにスーパーパラダイスに入るのは、何を着ても着こなせてしまう70〜90代ではないか?とにらんでいるわたしだ。
最近ハイセンスな高齢の女性たちをよく見かけませんか? 街で、駅で、カフェで。髪を整え、背筋を伸ばしてスニーカーで歩くそのお姿に、または籐製のゴロゴロ付きカゴをゆっくりと引く姿に思わず合掌したくなるほどである。
合掌より実践だ!と好きな服をずっと似合うように着続ける毎日だ。














