教科書を読み、知識を詰め込む。それだけで満足していませんか? もし近所のスーパーのお買い得情報を日本一わかりやすく説明できないのなら、あなたの「指導力」はまだ眠ったままかもしれません。
『一流を支えるトレーナーの最強の教え方』著者のトレーナー・清水忍さんが日々実践していたのは、アウトプット前提のインプットでした。言葉が詰まる場所こそが、自分の理解の穴なのです。どんなトレーニングを行えば、あなたの学びは一生の武器に変わるのか? ご紹介します。
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スーパーのお買い得情報を「日本一わかりやすく」話せますか?
仕事であれプライベートであれ、私たちは日々さまざまな情報に接しています。政治経済、テクノロジー、医療の進歩、流行、あるいは「近所に新しいスーパーができた」という身近なニュースまで。
どんな情報であれ、それを誰かに伝える能力こそ、指導者に求められる資質です。私が指導者を目指す人に常日頃から言っているのは、「自分の知っていることは、必ず人に話せる状態にしておくこと」です。
新しくできたスーパーへの道順、特徴、お買い得情報を、誰よりもわかりやすく話せる人。そういう人こそが、良い指導者になれるのです。

教科書を「独り言」で解釈する――無意識にやっていた勉強法
実際に話せるようになるための練習法は、実はとても簡単です。「勉強している最中に、実際に声に出して『です・ます』調で話してみる」。これに尽きます。
私が30歳くらいの頃、トレーナーの勉強をしているときに同僚からこう言われたことがありました。
「清水さん、本を読みながらいつも独り言を言っていますけど、何を言っているんですか?」
無意識だったのでハッとしましたが、そこで気づきました。私は自分の知識習得のためではなく、「人に教えること」を目的として勉強していたのです。教科書の文章を読みながら、誰かに説明するときのように「話し言葉」に変えて声に出していました。
「その言葉で相手は理解できるか?」という自問自答
たとえば、教科書にこう書いてあるとします。
「糖尿病としての自覚症状が見られる場合、空腹時血糖値が126㎎/dL以上、随時血糖値200㎎/dL以上なら直ちに糖尿病と診断する」
これは確かに糖尿病の知識ではあるのですが、一般の人はこう言われても理解できないと思います。これに対し、私はこんなふうに独り言を言って勉強していました。
「糖尿病としての自覚症状が見られる場合……、あ、糖尿病の自覚症状とは、すごく喉が渇くとか、トイレが近いということなのですが……、空腹時血糖値が……、あ、空腹時血糖値とは、10時間くらいご飯を食べていない状態で測った血糖値のことですが……」
この独り言の根底にあるのは、「その言葉で相手は理解してくれるのか?」という問いです。最初から「人に話すつもり」で嚙み砕いて頭に入れないと意味がない。そうやって勉強していれば、いざ本番で「上手に説明できなくて困る」なんてことはなくなるのです。
「言葉が詰まる場所」に、あなたの理解の穴がある
この「アウトプット前提のインプット」には、素晴らしい副産物がありました。独り言を言っていると、必ずどこかで話が詰まる場所が出てくるのです。
なぜ詰まるのか。それは、「実はまだ、自分がよく理解できていない部分」だからです。人間はしっかり理解できていないことについて、スムーズに話すことはできません。詰まった部分から逃げずに、しっかり話せるまで勉強し直す。そうすることで、結果的に自分の理解も深まるということを、私は実体験として発見しました。

ボイスレコーダーと「身近な犠牲者」をフル活用する
新しい知識が本当に身についたか確認するには、ボイスレコーダーが便利です。5分程度ずつ録音して聞いてみると、「余計なことを言いすぎている」「必要なことが不十分」など、多くの反省点が見つかります。表情や目線までチェックしたいなら、スマホの動画機能を使うのもいいでしょう。
さらに私は、新しい知識を仕入れると必ず誰かに聞いてもらいます。しかも、できるだけその知識がない人を捕まえて。
「ねえねえ、糖尿病と内臓脂肪の関係の話なんだけど、ちょっと聞いてくれる?」
相手が理解できるかどうかで、話の構成や言葉選びが適切だったかをチェックするのです。私の周りの人は、いつも数分間の「即席講義」を聞かされるのでいい迷惑かもしれません。
でも面白いことに、彼・彼女らは私の話をよく聞かされるおかげで、ちょっとしたトレーナー並みの知識を身につけていきました。そう思えば、決して「迷惑すぎる」ことでもないはずです。

大御所も実践する「即座に吐き出す」という鉄則
先日お会いした出版社の方から、執筆業の大御所の方も同じことをしていると聞きました。新たに見聞きした話を、帰宅するなり奥様に聞いてもらうのだそうです。それによって知識の振り返りができ、曖昧なところが浮き彫りになり、原稿の構成まで固めることができる。
この話を聞いて、私は強いシンパシーを覚えました。常に新しい知識を自分に入れ、それを嚙み砕いて伝えることを仕事にしている人は、「インプットしたものを即座にアウトプットする」ことの重要性を、共通して確信しているのだとあらためて実感させられました。
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一流を支えるトレーナーの 最強の教え方

清水トレーナーから学んだ「相手に伝わる」伝え方という技術は、
私にとって一生ものの武器―—菊池雄星投手
「何度言っても伝わらない」「教えても育たない」
これらは多くの指導者が抱える悩みだ。その原因は、教える側の能力・熱意不足ではない。では一体何が問題なのか? それは指導者側の「3つの認識のズレ」にある。
①「覚えさせること=教えること」という勘違い
②「教えるのが苦手」という思い込み
③「ちゃんと教えることができている」という過信。
これらを手放せば、あなたの言葉は確実に相手に伝わる。一流アスリートからビジネスパーソンまで、総勢2千人以上を見てきた名トレーナーによる新時代の指導バイブル!











