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ゆるまる脳 タイパ疲れの時代に効く「脳の新習慣」

2026.05.05 公開 ポスト

「頭ではわかっているのに動けない」の正体 脳外科医が教える、心と頭の“ちぐはぐ”を治す休息法菅原道仁(脳神経外科医)

「やりたいことがわからない」と感じるとき、つい頭で答えを探そうとしていませんか。
STEP3では、心にふと浮かぶ「なんかいいな」という小さな感覚を、大切にすくい上げていきます。ほんの少し立ち止まって、やさしく受け渡していくだけで、行動や感じ方は少しずつ変わっていきます。がんばらなくても、自然と整っていく——そんな感覚を、ここで体験してみてください。

 

脳神経外科医である菅原道仁さんが、脳科学的な視点から「脳の余白」をつくる新習慣を提案する『ゆるまる脳 タイパ疲れの時代に効く「脳の新習慣」』(リンク先はAmazonページに遷移します)。同著から本文の一部を抜粋してお届けします。

*   *   *

このSTEPの狙い

今回お伝えするのは、「人生のタイパを爆アゲするための、ぼーっとするテクニック」、その2。

 

あるテクニックを使って、「こう生きるのが心地よい」という「心」のつぶやきを、「頭」にそっと引き渡します。

脳的に言うと、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)のつぶやきを、行動を司るセントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)に、そっと接続する、ということ。

 

そのために必要になるのが、実は、ほんの少しの「休息」なのです。

 

DMNの自分語りをCENに送信する

ひとつ前のSTEP2では、あなたの中のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が語る「これが心地よい」という声を拾うために、ぼーっとするテクニックをお伝えしました。

 

そのためにやってもらったのは、

●心地よくぼーっとする

●浮かんできた言葉を、そのままメモする

●判断しない

●まとめない など

 

つまりSTEP2の休息は、自分にとっての「心地よさ」をただ感じるための、「受信モード」の休息でした。

 

このSTEPでお伝えするのも、引き続き休息法です。

ただし、休息の役割がちょっと違います。

 

ここで行うのは、

主観的な「心」の動きを担う「自分を紡ぐアーティスト(DMN)」

           ↓

論理的な「思考」を担う「仕事ができるマネージャー(CEN)」へと、橋をかけるための休息。

 

「こう生きられたら、心地よい」という心の声を、行動を担う思考(=頭の働き)へと引き渡す。これが、STEP3で行う「送信モード」の休息です。

 

もちろん、医学的に見れば「心」も「思考」も、どちらもあなたの脳が作り出している現象に違いありません。

しかし、私たちは日々、「理屈ではわかっている(頭)けれど、気持ちが追いつかない(心)」「心はこうしたいと叫んでいるのに、頭がブレーキをかける」という葛藤の中に生きています。

このSTEPでは、あえてこの2つを分けて捉えることで、脳内のちぐはぐさを解消し、スムーズに連携させることを目指します。

 

引き渡すときは考えなくていい

ちなみに、この連携ですが、「ゆるやかに」行う必要があります。

ゆるやかに、というのは、言い換えれば「考えない」ということです。

なぜなら、ここで「論理(思考)」のスイッチを強く入れすぎてしまうと、一気にマネージャー(CEN)が前面に出てきてしまうからです。

 

そうなると、アーティストが奏でる繊細な「心の旋律」は、瞬時にかき消されてしまうのです。

 

目標達成のために計画を立てたり、意思決定を行ったりするのが得意なマネージャー(CEN)が、行動のための「分析モード」に入ると、脳内ではすぐに次のような問いが始まります。

 

「これからどうする?」

「それって、損しない?」

「将来、何の役に立つの?」

「もっと効率のいい正解があるのでは?」

 

こうした理性的で客観的な判断は、社会を生き抜くためには不可欠な武器になります。

 

しかし、アーティスト(DMN)が届けてくれるのは、まだ言語化されていないイメージや、論理的ではない思いつき、数値化できない感覚といった「形になる前の、あわい感覚」です。

こうした繊細な心の種を、マネージャーが「効率は?」という厳しい基準ですぐに裁き始めると、形を持たない感覚は、一瞬で霧散してしまいます。

 

だからこそ、アーティストからマネージャーへバトンを渡すときは、焦って答えを出そうとせず、ぼーっとしたまま情報の移動を待つ必要があるのです。

 

心の「なんか、いいな」を打ち消さないための休息

情報過多な時代を生きる僕たちは、いつも「損か得か?」「役に立つか?」を「考え」続けています。人生を生き抜くために、簡単に死なないために、それは絶対に必要なことではあるのです。

 

ただ、そうやって頭で考えることで、心に浮かんだ「なんか、いいな」「こう生きるのが幸せかも」という感覚を打ち消すことを、何度も繰り返して来たのではないでしょうか。

その積み重ねが、「今の生き方でいいのかな?」「がんばってきたけど、自分が本当はどうしたいのかわからない」という、あのモヤモヤとした不安の正体です。

 

ただ、どんなに頭で打ち消しても、心は黙ってくれません。

だって、心であるDMNが、脳のデフォルト・モード(初期設定)だから。

心のつぶやきを大切にしない限り、こうしたモヤモヤは続くのです。

 

というわけで、心に浮かんだ「なんか、いいな」「こう生きたいな」を打ち消さないために、DMN(心)から、CEN(思考)への引き渡しは、「考えずに」行う必要があります。

 

頭に積極的に考えてもらうのは、この引き渡しが、きちんと済んだあとでいいんです(CENの効率的な使い方については、次のSTEPでお伝えします)。

 

引き渡しが終わると行動は自然に変わり始める

この引き渡しが無事に済むと、不思議なことに、「何かをやろう」と意図しなくても、あなたの行動や体感が自然と変わり始めます。

早ければ数日から数週間、多くの場合は数週間から数か月ほどで、こんな小さな変化が現れ始めることがあります。

 

たとえば、

●いやなものを、いやだと自覚できるようになる

●返事をいったん保留できるようになる

●好きなものを、自然と選べるようになる

●何もしていない時間に、前ほど罪悪感を感じなくなる

●以前より、なんだか疲れにくくなる

●「心地よい」と感じる時間が増えてくる

 

どれも、とてもささいな変化ですが、これらは、CEN(思考)が、DMN(心)が示した「心地よさ」の方向へ、行動を微調整し始めたサイン。

心から頭への引き渡しがうまくいくと、変化は劇的にではなく、あなたの行動は自然と変化するのです。

*   *   *

脳科学的に見たよりよい生き方についてくわしく知りたい方は、『ゆるまる脳 タイパ疲れの時代に効く「脳の新習慣」』を読んでみてください!

 

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ゆるまる脳 タイパ疲れの時代に効く「脳の新習慣」

倍速で消耗する人生、そろそろ手放そう。
パフォーマンスの質を決めるのは、「速さ」ではなく「ゆるめ方」!

「がんばっているのに、なぜか成果が出ない」
「タイパを追うほど、心も体も消耗していく」
……そんな“タイパ疲れ”を感じていませんか?

じつは、私たちの脳内には、4人のキャラクター(心配性の「おかん」、情報分析と注意の意識の使い手「交換手」、行動の司令塔である「マネージャー」、自分らしい生き方を模索する「アーティスト」)がいて、その役割分担がうまくいくことで毎日の選択や行動がなりたっています。
ですが、残念なことに効率を求めすぎる現代人はこの4人のバランスが大きく崩れてしまっています。
それが、タイパを追うほど虚しさが募る「脳のパラドクス」の正体なのです。

本書では、脳神経外科医である著者が、脳科学的な視点から「脳の余白」をつくる新習慣を提案します。
それは単なる休息ではなく、人生の処理能力を劇的に引き上げるための戦略的な「ゆるめ方」です。

スマホ依存から脳を守り、五感を研ぎ澄ませ、ぼーっとする時間で「自分を紡ぐ」――。
脳をゆるめて“余白”をつくれば、人生は最短距離で好転し始めます。

倍速で消耗する生き方を卒業し、最小コストで最大の結果を手に入れる「真のタイパ」を、あなたもこの本をとおしてぜひ手に入れてください。

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菅原道仁 脳神経外科医

1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞などの緊急脳疾患を専門として国立国際医療センターに勤務。2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の八王子市・北原脳神経外科病院に勤務し、緊急対応に明け暮れる。2015年6月に菅原脳神経外科クリニック、2019年10月に菅原クリニック 東京脳ドックを開院。その診療経験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする医療を行う。脳のしくみについてのわかりやすい解説は好評で、テレビ出演多数。

著書に『そのお金のムダづかい、やめられます』(文響社)、『成功する人は心配性』(かんき出版)、『成功の食事法』(ポプラ社)、『すぐやる脳』『あの人を、脳から消す技術』(サンマーク出版)、監修に『体の不調が消える「自律神経」の整え方』(太洋図書)、『1日3分! 脳と筋肉を同時に鍛えるにしかわ体操』(アスコム)などがある。

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