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うかうか手帖

2026.04.09 公開 ポスト

早朝の参拝益田ミリ(イラストレーター)

八雲大社前駅に着いたのが夕暮れ時。有形文化財になっている一畑電車出雲大社駅は、カラフルなステンドグラスがかわいいレトロな駅。

駅前がすでに神門通りである。出雲大社までは歩いて数分という便利さで、多くの商店が並んでたいそうにぎやか。修学旅行の高校生たちの自由時間のようで、みな土産物屋を出たり入ったり忙しそうだった。

近くの宿にチェックインし、夕飯も宿で。旅の最後の夜はのんびり。

「明日は、混み合う日中ではなく、夜明けとともに参拝されてはいかがですか?」

宿の人に出雲大社の早朝参拝をすすめられる。

ほほぅ、それも良いかもしれぬ。

というわけで早目に就寝し、翌朝、まだ暗いうちに通りに出てみれば、出雲大社に向かう人々が結構いるのであった。

日中はあたたかでも、秋の終わり、冬の初め。朝の冷たい空気がピーンとしている。数分で二の鳥居に到着。境内にはまだ提灯の明かりが灯っていて、それがなんとも美しい。

参拝を終えた地元の年配の男性が、

「曲がらずまっすぐ行ってくださいね、三の鳥居がありますからね」

と教えてくれた。

「ありがとうございます」

お礼を言ってまっすぐ進んでいけば「なるほど」とその意味がわかる。三の鳥居は一と二に比べるととても小さく、しかも松の木の影でわかりにくい。教えてもらわなければ気づかず手前で曲がっていたところだった。

ちなみに出雲大社には石・鋼・鉄・銅と素材が違う4つの鳥居があり、すべてくぐるのが良いらしいが、わたしが訪れたとき、一の鳥居は工事中だった。

ガイドブックに載っていた参拝ルート通りに進み、神楽殿の日本最大級の大しめ縄を見上げる頃にはすっかり夜が明けていた。

宿に戻って朝食を食べ、まったり二度寝。チェックアウト後、再び参道に出て今度はお土産屋さんをぶらり。

名物の出雲ぜんざいを食べたいところだが、まだおなかはいっぱい。自分土産に出雲ぜんざいセットを購入。

出雲大社の前の宝くじ売り場が行列になっていた。年末ジャンボの季節である。せっかくなので最後尾につく。見ていると大半の人が連番を買っていた。

10億円当たるの怖い……。

というわたしは、むろんバラ10枚。怖がっているような人間にはきっと当たらないのだと思う。

 

鳥取、松江、出雲。

三泊四日の山陰旅。帰ってしばらくしてから鳥取砂丘に雪が積もっているのをニュースで見た。

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うかうか手帖

ハレの日も、そうじゃない日も。

イラストレーターの益田ミリさんが、何気ない日常の中にささやかな幸せや発見を見つけて綴る「うかうか手帖」。

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益田ミリ イラストレーター

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に、漫画『すーちゃん』『僕の姉ちゃん』『沢村さん家のこんな毎日』『週末、森で』『きみの隣りで』『今日の人生』『泣き虫チエ子さん』『こはる日記』『お茶の時間』『マリコ、うまくいくよ』などがある。また、エッセイに『女という生きもの』『美しいものを見に行くツアーひとり参加』『しあわせしりとり』『永遠のおでかけ』『かわいい見聞録』や、小説に『一度だけ』『五年前の忘れ物』など、ジャンルを超えて活躍する。

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