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だらしなオタヲタ見聞録

2025.05.20 公開 ポスト

子なし、独身、57歳。ひとりで観た『たべっ子どうぶつTHE MOVIE』に泣く!藤田香織

観客は大人しかいなかった!

さてさて、長年映画を観てこなかったわたくしですが、この連載を始めてから、1カ月に1、2回程度は映画館に足を運ぶようになり、しかし観たからといってすべてを原稿にできるわけでもない(まあ舞台だってライブだって、もちろん本の書評だって同じだけど)現実ですが、今回は! 書きたい! 書かねば! と胸アツな余韻冷めやらずな『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』でございます。

映画についての序章としては、こんな経緯がありまして。
とはいえ。とはいえですよ? こちとら、子なし独身57歳。
どうでしょう。『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』。ひとりで行くにはなかなかハードルが高い……ような……気が……していた……のです。
たぶん、ひとりでディズニー映画観に行ったときより難易度高い? ……と。

でも! ここまできたらもう! 映画を観に行かないという選択はない!
というわけで、GW中の公開日より結構遅れて、平日昼間にひとりで行ってきました。

可愛いすぎてポスターの前で3分、買おうか悩んだ。買わなかったのは恥ずかしいからではなく、その後の管理ができない予感しかしなかったから!

1時間前に確認した座席の事前予約表によると、16時台の回で予約済は6席。
実際の上映開始時には私含めて観客は9人。え? 少なっ! と思われるやもしれませぬが、都心でもなく駅からも遠い映画館なので、平日昼だとこれは「今日は多いね」という印象。
そして、意外にも、9人は20代後半~30代の男女2組、40代~50代のおひとりさま女性2名(私含む)、40~60代のおひとりさま男性3名という構成でした。男性の単身客がこんなにいるんだ!? という驚きを胸に、オープニングはいきなり、ワールドツアー中のたべっ子どうぶつたちのド派手なライブからスタート!

ちなみに、事前学習していた映画の概要的には、「たべっ子どうぶつ」は、ワールドツアーも開催するほどの世界的人気アイドルグループという設定。らいおんくんはそのリーダー。ある日、故郷の「スイーツランド」に帰国すると、街は綿あめ軍団に占拠されていて、メンバーのひとり、ぺがさすちゃんが城に捕らわれてしまう。果たして、武器なし! 策なし! 意気地なし! などうぶつたちは、仲間のぺがさすちゃんを救えるのか――!?

という感じ。いや、うん、そうなのね、と受け入れてはいるものの、特別な期待はなく、これはもう完全100%、Travis Japanの松田元太きっかけでしかないヲタ心鑑賞なのでした。

そんなこんなで、以下、いつものように上映中の心のつぶやきを羅列していきます。

溢れるお菓子愛。萌えでしかないモフモフ。可愛いはマジ正義!

★たべっ子どうぶつ、スーパーアイドルすぎる! ライブの特効、お金かかってすぎる! ステージがライオン! スピーカー肉球! らいおんくん仕様!!
すごい。Travis Japanのワールドツアーよりはるかに会場広い! なにわ男子よりもずっと広い! ペンラ可愛い! 欲しい!

★移動も風呂付き、バー付き、専用ジェット! ♪やばい~かわいい~♪なたべっ子どうぶつ、思ってたよりずっとセレブ。

★っていうか、副機長と機長、ポリンキー! ギンビスの映画なのに湖池屋!
グラミーっぽい盾ある! パフェも可愛い。細かいとこまでちゃんとしてるなー。ほかの小ネタも多くて楽しい。またたびパフェ美味しそう~。

★そもそも、どうぶつたちの立体感が絶妙だなー。厚みのバランスがいい!
これ、凄く気を使って考えられて作られてる気がする。らいおんくん、しょぼくれてるときでも、いつも口角あがっててよき。え? 口角? いや口角だよね?

★えー、スイーツランドも良くできてない? なんだろう、全然、雑に作られた感じがない。萎えるポイントがない。

★らいおんくんとぞうくんの屋根の上の場面、切ない。松田元太にこのセリフ……くぅ……。

★スイーツランドでも、こんなに他メーカーのロングヒットお菓子出しちゃうんだ!? 懐かしい! これ、観てる人の記憶をくすぐる感じ? 上手い! ってか、ポリンキーまたいたー!

★ゴッチャン、憎み切れないゴッチャン!

★うぉう、ぺがさすちゃん……! 泣く。やばい泣く。たべっ子どうぶつで泣く……!

★教授……そうだったのかマッカロン教授! ゴッチャン……ゴッチャン!!

★ペロ! がんばれペロ! あぁこういうふうにたべっ子どうぶつのスペルを!
使うのか! 上手い! はあよくできてる!

★うぉーーー!!! なんだこのラスト! 凄い……! 尊い! モフモフは正義! 可愛いは正義! たべっ子フォーエバー!!

……いや、素晴らしかった。そもそも物語として、すごくちゃんと工夫があって面白くて感動的だった!
脚本も美術系のデザインもよく練られて丁寧に作られているのが伝わってきて、何よりも、スタッフにもキャラクターの声をあてている演者にも愛されてるな! と感じられるのが観ていて気持ち良いポイントなんじゃないかと。

可愛い。文句なく可愛い。嫌味がない。映画終わってアクリルスタンド買おうと思ったら、前に並んでいた推定60歳くらいのオジサマが「パンフレットください。たべっ子どうぶつの…1部…」とお買い求めになられていた。

本編終わってTravis Japanが歌う主題歌『Would You Like One?』がスタッフロールと一緒に流れても、3人のオジサマ方含めて誰も席を立たなかった。実はこの映画館、近くに某撮影所があり、すき間時間に関係者がふらっと立ち寄ることも多い(と聞いたことがある)らしく。

最初に映画になる、という話を知ったときは、「たべっ子どうぶつ」って、いやいやきみたち「たべられっ子どうぶつ」じゃん? なんて、ちょっと黒いことを思ったりもしたのですが、「たべっ子」とはよく食べる元気な子どもたち、を指していて、美味しくたくさん食べてみんな大きくなあれ、といった願いが込められているのだと知った。

あと、私は門外漢なので気付けなかったであろう、声優陣やお菓子の萌えポイントがいろいろありそうな気配を感じました。このあたり、詳しい人の話を聞きたいなー。

とにもかくにも、まだまだ公開中なので、もう1回ぐらい映画館で観たい!
ちなみに現在は入場特典でたべっ子どうぶつのミニフィギュアがランダムでももらえるとか。ぞうくん狙って行くぞー!(駄洒落じゃないぞ)

そしてこちら、私のたべ活歴の一部。楽しかった!でもまだ終わらない……!

関連書籍

杉江松恋/藤田香織『東海道でしょう!』

かたや体重0.1t、こなた日常歩数400歩。出不精で不健康な書評家2人が、なぜか東海道五十三次を歩くことに。吉原宿では猛烈な暴風雨に全身ずぶ濡れ、舞坂宿の真夏の国道では暑さに意識朦朧、凍える鈴鹿峠で雪に見舞われ、濃霧の箱根峠であわや遭難!? 日本橋~三条大橋までの492kmを1年半かけ全17回で踏破した、汗と笑いと涙の道中記。

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だらしなオタヲタ見聞録

20年以上、毎日300~500歩程度しか歩いていなかった超絶インドアだらしな生活だったのに、突然フッ軽オタ道を走り出したこの数年。もう「いつかそのうち」なんて言ってられん! 見たいものは見ておきたい! 寄る年波を乗り越えて、進め! ヨタヨタオタヲタ見聞録。

以前の連載『結局だらしな日記』はこちら

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藤田香織

1968年三重県生まれ。書評家。著書に『だらしな日記 食事と読書と体脂肪の因果関係を考察する』『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』『ホンのお楽しみ』。近著は書評家の杉江松恋氏と1年半かけて東海道を踏破した汗と涙の記録(!?)『東海道でしょう』。

Twitter: @daranekos
Instagram: @dalanekos

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