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ロザン菅広文『京大芸人式日本史』刊行記念 特別インタビュー・集中連載

2014.10.15 公開 ツイート

第1回

大ベストセラー『京大芸人』発。
“笑って学べる”日本史の勉強本できました! 菅広文

ロザンの菅広文さんの書いた『京大芸人』と、シリーズ第2弾の『京大少年』は、累計20万部を突破する大ベストセラーです。

京大卒のインテリ芸人としてクイズ番組などで活躍しているロザンの宇治原史規さんは、独自の合理的な勉強法を編み出し、それを生かして京大合格を果たしました。その方法について、相方の菅広文さんが『京大芸人』で紹介しているのは、ご存知の方も多いでしょう。

そして、この度、シリーズ第3弾が刊行されることになりました。その名も『京大芸人式日本史』。「日本史を学ぶコツは物語のように教科書を読むことだ」という持論を持っている宇治原さん。そんな彼の方法論を生かして、菅さんは「読みやすい日本史の物語」を新たに作ることにしたのです。笑って学べるオリジナリティにあふれた日本史小説。果たして、この作品はどうやって生まれたのでしょうか?

(インタビュアー:ラリー遠田)

撮影:茂呂幸正

――この本を書いたきっかけは?

 『京大芸人』という本にも書いたんですけど、宇治原からそれぞれの科目の勉強法を聞いたんです。その中で「日本史は教科書を物語のように読めばいい」というのがあって。それはいいなあと思って読み返したんですけど、僕には難しくて物語のように楽しくは読めなかったんですよ。あっ、それだったら自分で物語にしてみたら面白いんじゃないかな、と思ったのがきっかけですね。

――「物語のように教科書を読む」という宇治原さんの理論は、具体的にはどういうことなんでしょうか?

宇治原 みんなが日本史の話をするのを聞いていると、歴史的な出来事の順番を間違えてたりとかすることが多いんですよ。それで、なんでそんなにゴチャゴチャになるんやろうなあ、と考えたんですね。例えば、自分の好きな連続ドラマを毎週見ていたら、そのストーリーの順番を間違えることはないじゃないですか。第1話からの流れを説明してって言われたら、みんな説明できるわけですよ。

だから、日本史もそういうふうにストーリーとして覚えていたら、みんなも間違えないんじゃないかなあ、と思ったんですよね。あっ、前のあの話はここにつながってるんや、とか。この人の子孫がこれになってるんや、とか。そういうことを思いながら読むと忘れない。

僕自身、日本史の教科書を読むときに、時代ごとにバラバラに読むよりも、最初から最後まで通して読んだほうが頭に入るなあっていうのが経験上あったんで。物語として読むというのはそういうことです。

――本書の冒頭では、菅さんがセンター試験の日本史の問題に久しぶりに取り組んだら、全然解けなくて落ち込んだという話が出てきますが、これは実話ですか?

 そうなんですよ。たまに見返したりするんですけど、ようこんなん解いてたな、っていうのがあって。英語とかそういうのができないのはいいんですけど、日本史は結構自信があったんですよ。それが全然分からんようになってたのが衝撃でしたね。

――この本を書くときに意識したことはありますか?

 一番意識したのは、あまり語句を覚えなくてもいいように書く、ということですね。「平安時代」「江戸時代」とかそういう時代ごとにも分けていないんですよ。語句は関係なく、時代も気にせず、流れで読めるようにしました。あと、その時代ごとに幕府とか都があった場所によって、出てくる人の言葉を標準語にしたり関西弁にしたり、っていうこともやりました。

――菅さんはこの本を書くにあたって、宇治原さんから日本史について何か教えてもらったりしたんですか?

 はい、宇治原にある程度の骨格になる部分を説明してもらったんです。縄文時代から現代までの大まかな流れをバーッて文章で書いてもらって。それだけではやっぱり読みやすくはなかったので、それをいかに簡単に読めるかというふうに考えて。それでタイムマシーンで歴史上の人物に会いに行くということにして、その人の設定を決めたりしていった、みたいな感じですかね。

でも、もちろん宇治原も詳しいんですけど、歴史って変わっていくじゃないですか。僕らが習っていた頃の知識と今の最新の研究には違いがあったりするので。ああ、ここもこう変わってるのか、とか思いながら書きました。

――鎌倉幕府の成立が1192(いい国)年じゃなくて1185(いい箱)年になっている、とか。

 そうそう。それって、知らん人も結構いると思うんですよね。

――書くときに最も苦労したところは?

 やっぱり第二次世界大戦のあたりですね。あの辺は結構サラッと行ってると思うんですけど。現代に近付くほど難しいなあと思いましたね。外交的なこともあるから複雑になってくるし。

宇治原 あと、現代の話って面白い話をしにくいんですよ。昔の話だったら、分かってる事実が少ないからいろいろ創作できるところがあるんですけど、現代はそうはいかないので。

第2回につづく

 

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ロザン菅広文『京大芸人式日本史』刊行記念 特別インタビュー・集中連載

高学歴芸人コンビ・ロザンの菅広文さんが書いた大ベストセラー『京大芸人』には、宇治原さんの独特の勉強法について書かれています。「日本史は、物語のように一気に読めば、絶対に頭に忘れない」というのが、宇治原さんの論。ところが、そんな面白い日本史の本などありません。そこで、菅さんが、笑って学べる、爆笑日本史物語を作りました! さて、この本がどんないきさつで、どんな思いで書かれたのか、発売直前の集中連載です。

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菅広文 ロザン

1976年10月29日、大阪府高石市生まれ。大阪府立大学(現大阪公立大学)経済学部進学。96年8月、高校時代の友人である宇治原史規(京都大学法学部卒業)と「ロザン」(吉本興業所属)を結成。高性能勉強ロボ・宇治原の勉強法や、二人が芸人になるまでを描いた爆笑小説『京大芸人』『京大少年』のほか、縄文時代から現代までの日本史が爆笑しながら一気に頭に入ると評判の『京大芸人式日本史』や、勉強に向き合う思考が変わると評判の『京大芸人式 身の丈にあった勉強法』などの「京大芸人シリーズ」はすべてベストセラーになり、累計35万部突破。ほかに『菅ちゃん英語で道案内しよッ!』、ロザンの2人で書いた初の著書『京大 芸人 ノート』も話題に。最新刊『京大中年』が話題に!

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