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まだ本当のことを言わないの?

2023.05.18 公開 ツイート

日本人学生より留学生のほうが優遇される、日本のあり得ない現実 フィフィ

YouTubeやツイッターで国内外のニュースを発信し続けるエジプト人のフィフィさん。その歯に衣着せぬ提言、論調には、YouTubeやツイッターのフォロワー数あわせて102万人を集めるなど、絶大なる支持を集めています。

そのフィフィさんが上梓した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』では、外国人の目線だからこそ気づく日本の深い闇について、9つのジャンルからズバズバと斬り込んでいます。

「私の頭の中が丸ごと一冊の本になった」とご本人が言う、本書の一部を公開します。

*   *   *

留学生の学費は高くて当たり前

「日本人の学生は、給付型奨学金(返済の必要がない奨学金)の支給額が月額で2~4万円。それが、外国人の研究職の国費留学生の場合では月額14万円強。大臣、切ないと思いませんか」

2019年4月、小野田紀美参議院議員は、2017年度予算をめぐる参院決算委員会で、このような質問をしました。

「国費の外国人留学制度は、戦略的に優秀な外国人留学生を採用している設計制度です。ご理解をいただきたい」

柴山昌彦文部科学大臣(当時)はこう答弁しましたが、小野田議員は納得せず、さらに次のように訴えました。

「ならば、“日本人の学生のほうが恵まれていない”という反応が出てこない制度に、仕組みを変えて欲しい」

私もまったく同感でした。

私自身、もう随分と前から訴え続けているのですが、日本は、自国の学生よりも留学生を大事にしているように思えてしかたがない。そんなことがあっていいのでしょうか!?

自国の学生を第一に考え、不公平なく教育を受けられる環境を整えることが最優先ではないですか? 政府のやっていることは、順番が間違っています。

たとえば、アメリカには州立大学がたくさんありますが、学費は学生の出身地によって変わります。州の出身者は安い学費で済みますが、州外の出身だと高くなるんですね。

私はアメリカのフロリダ州立大学に留学していたのですが、州立大学の学費は安いとはいえ、留学生の私は、州外出身者ですから一番高い学費を払っていたことになります。でも、これが当たり前。留学生の学費は自国の学生のほぼ3~4倍が、世界基準ではないかと思います。

(写真:iStock.com/MonthiraYodtiwong)

ところが日本では、国立大学の場合、国費留学生の授業料は無料です。私費留学生には授業料減免制度を設けている大学もあります。私立大学でも、授業料の免除や減額、補助制度を整えたりしていて、既述したように、その一部は国が援助しています。

奨学金もまた、外国人留学生のほうが優遇されています。

小野田議員が指摘したように、(選考試験にパスすれば)国費の研究留学生には、月額で14万円強、学部留学生でも月額12万円弱の奨学金が、それぞれ支給されます。さらに、生活費の支援や、留学生会館など無料の居住スペースも与えられます。至れり尽くせりですね。

また、私費留学生に対しても、返済不要の学習奨励費が支給されるのです。

奨学金破産する日本の若者たち

現在、日本の大学生の二人に一人が奨学金制度を利用しているといいます。奨学金には、給付型と貸与型があり、前者は返済の義務がありませんが、後者は卒業後に返済義務が生じます。中には利子がつくものまであり、返済義務を怠れば滞納金が加算されたり、ブラックリストに入れられたりして、情報が個人信用情報機関に提供されることもあるそうです。

奨学金とは名ばかりの「学生ローン」ではないですか!

日本の大学生の約半数が「奨学金」という名の借金を背負い、卒業後に返せなくなって自己破産する「奨学金破産」が社会問題化してもいます。奨学金を返すために風俗で働いている人もいると聞きますし、そうでなくても、社会人になってからの数年間は、奨学金を返すために節約しながら一生懸命働いて、結婚どころじゃない。

そんな人が増えて、日本はどんどん晩婚化して、少子化も進む──。ぜーんぶつながっているんです。日本の政治家はわかっているのでしょうか。

日本人の若者に負担をかけて、厳しい思いをさせて、そのくせ、外国人は優遇する。意味がわかりません。この国は、どこか間違っていませんか。

日本における外国人の国費留学制度は、「日本と諸外国との国際交流を図り、相互の友好親善を促進するとともに、諸外国の人材養成に資する」ことを目的として、1954年にスタートしました。
「諸外国」と言っても、今、日本で学ぶ留学生の多くはアジア諸国出身で、中国と韓国だけで全体の50%以上を占めています。日本は、これらの国からの留学生に膨大な税金を注いできました。しかし、中国や韓国などの反日姿勢は相変わらずで、国費留学制度が友好親善に貢献しているとはとても思えません。

それでもまだ、日本の政府は、今の制度を見直さないのでしょうか。

(写真:iStock.com/AND-ONE)

日本の宝は、日本の学生や子どもたちです。

自国の若者を大事にしない国は、いずれ間違いなく衰退します。

私は、日本にはそうなって欲しくないんです。

外国人留学生に膨大な血税を使うくらいなら、日本の若者のために使え!

お金がなくて大学進学を諦めた子がいます。子どもを大学に通わせるために、いくつもの仕事を掛け持ちしている親御さんがいます。学生時代に背負った奨学金という名のローンを返済できずに苦しんでいる若者もいます。
「外国人留学生は我が国の宝」だなんて、そういう人たちが聞いたら、「アホか!」と思って、はらわたが煮え繰り返るでしょうよ。

『第3章(外国人留学生、外国人労働者)優遇される外国人留学生と大量受け入れの外国人労働者。その裏にある同一のカラクリ』より

関連書籍

フィフィ『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』

外国人目線だからこそわかる日本の深い闇。国家安全保障、政教分離、ジェンダー問題など、日本人が知らない実態を赤裸々に告発! どうにかしないと、ほんと日本はやばいですよ!!

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フィフィ

1976年エジプト・カイロ生まれ。中京大学情報科学部卒。2011年の「アラブの春」に際して綴ったブログが注目を集め、以来、国内外のニュース(社会問題、政治、芸能)を中心に発言。テレビ、ラジオ、ウェブメディアなどで活躍している。サンミュージック所属。著書に『日本人に知ってほしいイスラムのこと』『おかしいことを「おかしい」と言えない日本という社会へ』。

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