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母の三回忌に、父はようやく納骨を決意した。
風の強い日だった。
家族と親族とだけ集まって、その日を迎えた。こんなときにしか会えない母の妹たちは、やっぱり母にすごく似ていた。
納骨は位牌からお墓に魂を移す儀式だから、お墓の前でお坊さんにお経をあげてもらう。風がびゅうびゅう吹いて飛んでしまうといけないからと、お焼香の代わりにお線香を寝かせて供えた。無宗教でもこういうときはきちんと宗教的行事をしようとするのだから、なんだか真面目だ。
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愛の病
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恋愛小説の名手は、「日常」からどんな「物語」を見出すのか。まるで、一遍の小説を読んでいるかのような読後感を味わえる名エッセイです。