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「好きなこと」を「好きなだけ」やればいい

2022.09.14 更新 ツイート

「好き」を「得意」に変えて、無名のさかなクンになろう 佐藤崇弘

「子どもには好きなことをして生きていってほしい。だから、まずは勉強。嫌いでもやらせなきゃ!」この大きな矛盾に、どれくらいの親御さんが気づいているでしょうか?

入学希望者が殺到する「キャピタル東京インターナショナルスクール(CTIS)」の理事長・佐藤崇弘さんは、「子どもの幸せと成功を願うなら、嫌いなことはいち早く切り捨てて、好きなことだけを追求させたほうがいい」と言います。

凝り固まった教育への概念が、多角的な方向に広がる新しい子育ての教科書『「好きなこと」を「好きなだけ」やればいい』から一部を抜粋してお届けします。

(写真:iStock.com/MajaArgakijeva)

 

尖ったものがあれば食うに困らない

お子さんに、「好き」や「得意」があれば、将来はさらに有望だし、もっとおもしろい展開になっていくと思います。

こうした「尖ったものがある人」というと、私はタレントの「さかなクン」が頭に浮かびます。

彼は高校三年生のときにテレビ東京系のバラエティ番組『TVチャンピオン』の、「第三回全国魚通選手権」で準優勝。そこからタレントとなり、いまでは魚類学者やサイエンスライターとして本を上梓するばかりか、二〇〇六年には東京海洋大学客員准教授に就任。自治体や漁業関係者からの依頼で魚食を増やすPR活動にも従事するなど、八面六臂の大活躍をされているのはご存じだと思います。

これは確かにすごいことで、私が「好きなことだけをして暮らしている例」として挙げることが多々ありますが、こうしたときにも、「あれは特殊な例だから」という声がかならず出ます。

これはもう、おっしゃる通りで、それゆえ「受験をしていい大学に入って」というルートがいまもなお社会のメインストリームであり続けるのだろうと思います。

ですが、本当に好きなことならどんな困難も克服できるし、好きなことを突き詰めれば、食べていく道はかならず開けていくものです。

さかなクンはその究極かつ極端な例ですが、もっと小さな部分で彼のように特化した専門知識で仕事に携わっている人も、すでに存在しています。

 

たとえば私の投資先に、宿泊施設があります。

そこではアクティビティとして昆虫ツアーの開催を計画したのですが、ディレクターとして手を挙げる人材がいない。「カブトムシはいいけれど、それ以外はちょっと……」という声が続出しました。ところがたった一人だけ、「やりたいです、やらせてください!」というスタッフがいたのです。

彼は子どもの頃から虫が大好きな虫屋くんで、「まさか自分の趣味がこんなところで生かせるなんて!」と目を輝かせてツアーのディレクターに立候補しました。そして、昆虫ツアーの内容を考え、全体の流れをプランニングしたのです。

私も企画書を見ましたけれど、「好きこそものの上手なれ」とはこのことだと思いました。ツアーの内容、お客さまの誘導法、説明の内容まで、それは見事なものでした。するとお子さん連れのお客さまが、大挙して押し寄せたのです。

彼のツアーはその宿泊施設のヒット商品、差別化の目玉ですから、彼の「好き」と「得意」は、「変わった趣味」から「社に欠かせない能力」に一転しました。同時に、彼自身もまた、組織に不可欠の人材と認識されるに至ったのです。

 

彼のような、「無名のさかなクン」とも言うべき存在は、実はさまざまな分野で日本中に存在します。

「魚が好きで、その道に進みたいけれど、さかなクンにはなれない」「虫が大好きだけれど、昆虫ツアーの人のような例は稀」それはおそらく事実でしょう。ですが、本当に好きなことならどんな困難も克服できるし、好きなことを突き詰めれば、食べていく道は、どこからかかならず生まれてくるものです。

魚が好きで水産大学を目指すのもいい。虫が好き、でもとりあえずは嫌いな学科も勉強して大学の生物学科を目指したい。本当に幸せかは別として、それもありだと思います。

ですが、もしも「好き」があるのに学力が伴わず、それで悩んでいるお子さんをお持ちなら、こうした例も実際あるのだということを、ぜひとも覚えておいていただきたい。

 

世の中の九九%の人と同じ考え方でそれに追随する人生は、道を踏み外す恐れは少ないものの、満足できる人生を送れない可能性があります。どんな分野であれ成功を目指すなら、やるべきことは企業経営と同じです。まだ人のいないブルーオーシャンをいち早く見つけ、勇気を持ってそこに参入してみることです。

時代は恐ろしいほどの速さで変化していて、昨日はなかったものが今日には常識になっている。現在はそんな時代です。

関連書籍

佐藤崇弘『「好きなこと」を「好きなだけ」やればいい 今を生きる子どものための、枠にとらわれない教育の在り方』

苦手なことはいち早く切り捨てろ。才能も、天才である必要もない。 「好き」を見つけて、「得意」に変えれば子どもは必ず成功する! 話題のインターナショナルスクール理事長が教える、次代を担う子どもの育て方。 激変する時代にあわせて、あらゆるものが進化しているのに、日本の教育制度や学校の在り方、親の価値観が変わらないのはなぜ? 凝り固まった教育への概念が、多角的な方向に広がる新しい「子育ての教科書」!

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「好きなこと」を「好きなだけ」やればいい

2022年4月、東京・南麻布に「キャピタル東京インターナショナルスクール(CTIS)」が開校しました。既存のインターナショナルスクールとは一線を画す教育プログラムにより、入学希望者が殺到しています。世界で活躍する子どもを育てるために親がやるべきこととは? 子どもを伸ばす教育とは? 話題のインターナショナルスクール理事長が教える、新しい子育ての教科書です。

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佐藤崇弘 キャピタル東京インターナショナルスクール(CTIS)理事長

1980年福島県生まれ。大学在学中に障害者施設や高齢者介護施設の事業化に成功。2004年に長野県庁による課長級職員の公募に採用され、翌年、当時最年少で県庁部長級職員に。退庁後、2005年に就職困難者の就労支援を行う株式会社LITALICO(東証プライム上場)を起業し、代表取締役に就任。代表退任後は、スタートアップ支援にて起業家育成に注力する傍ら、奨学金支給等を行う財団法人設立に取り組む。2021年にインターナショナルスクールを運営する株式会社CTISを設立。

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