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思考中毒になる!

2022.07.14 公開 ツイート

「15秒コメント」から始める、思考の「持久力」をつける方法 齋藤孝

どうすれば相手が喜んでくれるか、どうすれば面白いものになるか……。古今東西の経営者、著名人はじめ、結果を出す人はみな「思考」することを止めません。どうすれば自分も、あんなふうに「思考中毒」になれるのか? その方法を教えてくれるのが、テレビでもおなじみ、齋藤孝先生の新書『思考中毒になる!』です。読んで実践すれば、面白いように結果がついてくる、齋藤先生とっておきの「思考のコツ」をご紹介しましょう。

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考えたことを15秒で話す

思考の習慣がない人には、まずは考えて「15秒コメント」をするところから始めることをおすすめします。

(写真:iStock.com/artisteer)

よく学校の授業で、先生が「では、これから10分考えてみましょう」などと生徒にシンキングタイムを与えるケースがあります。しかし、このシンキングタイムのほとんどはムダです。というのも、答えがわかる生徒は最初の1~2分で、おおよその答えを出してしまいます。そして、わからない生徒は最初の1~2分であきらめて、そのまま考えることをやめてしまいます。

どっちにしても、残りの8分くらいは、ただただ時間が過ぎるのを待っているのです。これは先生の時間設定が間違っています。

 

多くの人は、長く思考し続ける持久力を持っていません。これは「考えること」を「走ること」にたとえてイメージするとわかりやすいと思います。普段から鍛えているマラソンランナーは、42.195キロをわずか2時間強のスピードで走破します。同じように、思考が身についている人は2時間程度考え続けるのが苦になりません。

でも、運動不足の人は、いきなり「42.195キロのフルマラソンを走れ」と言われてもムリです。最初は100メートルくらいから軽いジョギングをして、少しずつ距離を延ばしスピードを上げていくのが現実的な方法です。

思考についても、いきなり長時間考え続けるのは困難です。まずは「15秒話せる分だけ考える」と設定することで、はじめて真剣に考えられるようになります。

 

私は教育方法の研究者として、生徒たちの思考時間を延ばすにはどうすればよいかを研究し続けてきました。その結果、呼吸と思考が深く関係していることがわかってきました。

簡単にいうと、息を吸った瞬間に思考が途切れるので、思考を続けるには吐く息を主とした呼吸を持続させる必要があるということです。

私自身は呼吸の訓練をしているので、1分間に一度か二度息を吸うだけで話し続けられるのですが――見ていて苦しくなるので、お願いですから息を吸ってくださいと学生から言われるほどです――普通の人が考えた言葉を話しながら息を吐き続けるとなると、15秒が限界でしょう。

ですから、まずは「考えたことを15秒でコメントする」訓練に取り組んでみてください。

思考力は「話し方」に表れる

人間の思考レベルは、まずその人の「話し方」に表れます。会社などで「考えていますが、答えを言葉にすることができません」と言っても通用しません。内容のある話ができない人は、思考できていないのと同じとみなされます。

自分の考えを言葉で表現できない人は、残念ながらこれからの世界では通用しにくいといえます。仕事では、英語ができる、中国語ができるという以前に、意味のある内容を言葉にできる力がますます求められます。

(写真:iStock.com/kazuma seki)

言葉で説明できる人は、何かを人に教えることも上手です。

「だいたい、こんな感じでガーッとやってください」「やっていくうちに慣れるから大丈夫です」といった曖昧な言葉でごまかさず、マニュアルのように順を追って段取りを伝えることができます。「マニュアル人間」というと思考できない人間を意味しますが、相当な思考力がなければ、マニュアルを作ることはできません

これから国際化が進み、職場に国籍や出身地など多様な背景を持つ人が増えるようになったときには、この種の説明スキルが威力を発揮します。

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この続きは幻冬舎新書『思考中毒になる!』をお求めください。

関連書籍

齊藤孝『思考中毒になる!』

今日一日、あなたはどれだけ「思考」しただろうか? 物思いにふけったり、過去を思い煩ったりするような堂々めぐりの「考えごと」は「思考」には含まれない。「どうすれば面白くなるか」「どうすればお客さんが喜んでくれるか」等々、何かをよくするために工夫したり、新しい企画を生み出すことこそが「思考」である。考える達人になるには、寝ても覚めても常に考え続ける「思考中毒」になればいい。すると面白いほどにアイデアが湧き出てくる。ならば、どうすれば思考中毒になれるのか? そのための秘策を網羅。

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思考中毒になる!

どうすれば相手が喜んでくれるか、どうすれば面白いものになるか……。古今東西の経営者、著名人はじめ、結果を出す人はみな「思考」することを止めません。どうすれば自分も、あんなふうに「思考中毒」になれるのか? その方法を教えてくれるのが、テレビでもおなじみ、齋藤孝先生の新書『思考中毒になる!』です。読んで実践すれば、面白いように結果がついてくる、齋藤先生とっておきの「思考のコツ」をご紹介しましょう。

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齋藤孝

1960年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。『15分あれば喫茶店に入りなさい』『イライラしない本』など著書多数。累計発行部数は1000万部超。

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