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他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 #なんで僕に聞くんだろう。

2022.05.19 更新 ツイート

「友人の結婚を素直に喜べません」→「フリでいいので喜ぶ戦略をとりましょう」幡野広志さんの人生相談 幡野広志

多発性骨髄腫という難病で余命宣告を受け、現在も闘病中の写真家、幡野広志さん。そんな幡野さんの人生相談集『なんで僕に聞くんだろう。』は、「cakes」連載時から年間でもっとも読まれた記事に輝くなど、大きな反響を呼びました。今回ご紹介する『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。』は、その続編。家族のこと、恋愛のこと、将来のこと、病気のこと……。私たちの背中を押してくれる、幡野さんの優しく力強い言葉を、ぜひ味わってみてください。

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Q.「結婚する友人の幸せを素直に喜べません」

こんにちは。

今年28歳になった女です。周りの友達は結婚と出産ラッシュです。

今年結婚式は8回参列し、出産祝いも4人にお渡ししました。

そんな私は結婚願望も強く、子どもも欲しいと思っていますが独身で彼氏もいません。

春頃、結婚の約束をしていた人に振られました。約束したものの、やっぱり一生独身がいいそうです。私にも原因があったのだとは思いますが、不誠実な人と結婚しなくて良かったなとは思います。

 

今、私が一番辛いのは友達の幸せを素直に喜べないことです。SNSをひらけば幸せな姿ばかり目に映り、友達とグループで会うときも子連れの子達ばかりで話に入れず……お祝い続きで金銭的にも厳しいし、それなりの金額のものをプレゼントしても特に反応ないときもあり、お祝いごとですが悲しい気持ちになったり……

新しい趣味を見つけたり、ひとりの時間を充実させているつもりですがどうも寂しいです。今まで彼氏や友達に依存していたんだと思います。それがなくなったので急に寂しくなった、空っぽですよね。

婚約破棄されたときも自分のことのように泣いてくれたり、怒ってくれた友達もいました。それなのに自分はそんな素敵な友達の幸せを喜べません。私が結婚し、出産するまでこの気持ちは続くのでしょうか

(匿名希望 28歳 女性)

(写真:iStock.com/Asha Natasha)

自分がしあわせでないときは、人のしあわせなんてよろこべない

こんにちは、1年間で8回も結婚式に参列するってなかなかすごいですね。男性にも結婚式ラッシュのようなものはありますけど、そこまで多くはないような気がします。

ご祝儀だけでもけっこうなものだし、毎回おなじ洋服ってわけにもいかないだろうし、髪のセットやらもろもろ含めると、28歳女性の一般的な年収で考えたら今年はけっこうな出費でしたね。可処分所得の10%はかるく超えるんじゃないですか。

全額とはいわずとも一部だけでも補助してくれるような、ご祝儀保険とか参列者共済があったら売れそうですよね。

出費もすごいけど、あなたの交友関係の広さと人柄の良さもすごいことなんじゃないですか。人数合わせや、あの人を招待したらこの人も的なものだってあるかもしれないけど、本当にどうでもいい人や嫌いな人は呼ばれないでしょ。

自分がしあわせでないときは、人のしあわせなんてよろこべないものだし、誰かのしあわせなんか願えないものですよ。キリストじゃあるまいし、それがあたりまえで普通だとおもいます。

そのギャップに苦しんでいる時点であなたはいい人なんですよ。だからこそあなたを結婚式に招待した友達や、出産を報告した友達は、いい人であるあなたのしあわせを願っていますよ。

 

しあわせの価値観は人それぞれで、結婚や出産がしあわせの代表選手で人生のゴールみたいな顔をしているけど、ぼくは必ずしもそうはおもいません、しあわせの価値観は本当に人それぞれです。

あなたは結婚願望が強くて子どもがほしいわけですから、やっぱりそれが叶えられるのがしあわせなんでしょう。これはあなた一人で叶えられることじゃないので、もしかしたらいつか諦めないといけないときがくるかもしれないけど、できないことを考えるよりも、まずは叶えることを最優先に考えたほうがいいよね。

まずは彼氏ができることが第一歩だとはおもうんだけど、そのためには友達のしあわせを素直によろこべないということを止める必要があります。そもそもこれね、まじで相手にバレバレなんですよ。

「女の敵は不幸な人」。フリでもいいから喜びましょう

すこし極端な例なんだけど、ぼくの妻も結婚と出産をしたときに、当時の職場の同僚から妬まれていました。結婚時にかるく妬んでいた人が、妊娠中はけっこうひどいマタハラをしてきたそうです。

妻が出勤する前にポロポロ泣きながら、「職場に行きたくない」とぼくにもらしたことを、いまでもよく覚えています、流産みたいなことにならなくてよかったけど、もしも流産をしていたら、その人たちってよろこんでいたのかな。ちなみにそのときの妻の職場って幼稚園っすよ。

妻を攻撃してきた人って、自分のしあわせを享受できていない人でした。「女の敵って女だわ」ってそのころのぼくはおもってしまったのだけど、もちろん同僚の全員から攻撃を受けていたわけじゃなくて、たくさんの同僚が妻を守ってくれたんです。

いろいろ考えても「妬み」以外の動機が見つからなかったけど、「女の敵って女」ではなく「女の敵は不幸な人」だといまではおもっています。これはけっこう極端な例すぎだけど、SNSの短文でも、妬みや悪意、敵意ほどわかりやすく相手に伝わるものはありません。ここに男女の違いはありません。

(写真:iStock.com/Probuxtor)

結婚をすると、けっこう女性を紹介してほしいってお願いされる機会があるんです。自分の年齢的に、紹介をするのって結婚を前提にしていることもあるから、紹介するのに勇気がいるんだけど、そのときに誰を紹介するかっていうと、妻を守ってくれた同僚だったり、敵意や妬みのない人ですよね。

だってそういう人だったら安心して紹介できるじゃないですか。そして男性の立場からしても、人を妬んでるような人との結婚はちょっとしたくないですよ。それは女性だってそうでしょ? 自分が嫌いな人を紹介なんてするわけないじゃないですか。だから、友達のしあわせをよろこびましょう、フリでもいいですよ

あなたが友達のしあわせをよろこんで、それを言葉や態度にしめすこと、SNSのコメントひとつでも伝わります。敵意が伝わりやすいように、善意もとてもよく伝わります。

結婚ラッシュは出会いのチャンス。「冗談ハイボール」で肥料を撒きましょう

あなたの友達はあなたにしあわせになってほしいっておもってるし、女性を紹介してほしいとお願いされたとき、友達夫婦のあたまのなかで自然とあなたが候補にあがるとおもうんです。

あなたからもいい人がいたら紹介してねって、本気を3割、冗談を7割ぐらいのハイボール的な軽さで声をかけておくのもいいですよね、本気10割のストレートだとちょっと紹介しにくいけど。

結婚したり出産したりすると、友達と遊ぶ機会も減ってしまうものなんです。だからその度に本気ストレートをのまされるよりも、冗談ハイボールぐらいのほうがいいとおもうんです。

 

そしてこの冗談ハイボールは、結婚式に出席する前にのませましょう、本気4割ぐらいの濃い目にして。結婚式の準備をする中で絶対に新郎新婦の間で話題になって、ひょんなことで話がすすむ可能性があります。新郎だって結婚式にどうでもいい友人を呼ばないものだし、新郎の友人だってどこかで期待しているものです。

これは種まきみたいなものですよ、しあわせをよろこんで水を与えて、冗談ハイボールで肥料を撒きましょう。それがあなたには1年間だけで8人もいたわけです、もちろん出産した4人もね。

結婚ラッシュはあなたにとってはチャンスです、来年もきっとあります。あなたの人柄の賜物でしょう。あなたがこれまでに積み上げた貯金のようなものです、いまが最大の放出するタイミングです。

 

ただ結婚や出産はあなただけの問題じゃなく、外野がヤジを飛ばしてくるから、またそこで大変なんだけど、そこはパートナーと乗り越えてください。自分のことのように泣いてくれたり、怒ってくれた友達が、今度はそうならないように助けてくれます。

あなたが結婚して、誰か紹介してほしいとお願いされれば、助けてくれた友達のことが自然とあたまに浮かびます、そういうものです。だからまずは友達のしあわせをよろこびましょう

これは戦略です、なかなかいい戦略だとおもいます、メリットだらけでデメリットがほぼありません。あとはあなたの気持ちの問題だけど、自分のことを冷静に振り返っているようだし、こういう相談をこういう場にできている時点でとても勇気があるし、あなただったら大丈夫だよ。ギャップに苦しむ前の自分をおもいだして、そっちが本当のあなたです。

 

恋人ができて結婚をすることになったら、元彼と婚約破棄したことが正解だったって思えて、消化できますよ。ぼくだっていままでに何人かの女性とお付き合いしましたが、その全員と別れて妻と結婚したわけだけど、極端なことをいえば全員と別れて正解ですもん。もちろん相手にしてもおなじことです。

もうすぐ2020年ですね、よい年を。あなたがいい人と出会えることを願っています。あなたが結婚式をするときは、きっとたくさんの友人が笑顔で参列してくれます。2020年は冗談ハイボールで攻めましょう。

関連書籍

幡野広志『他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 #なんで僕に聞くんだろう。』

がんになった写真家になぜかみんな人生相談。毎週必ず話題になる『なんで僕に聞くんだろう。』書籍第2弾。家族のこと、恋愛のこと、将来のこと、病気のこと。みんな“幡野さん”に聞きたがる!

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「家庭ある人の子を産みたい」「親の期待と違う道を歩きたい」「虐待してしまう」「風俗嬢に恋をした」「息子が不登校」「毒親に育てられた」「売春がやめられない」「精神疾患がバレるのが怖い」......。誰にも言えない悩みを、なぜか皆、余命宣告を受けた写真家には打ち明ける。どんな悩みも、軽やかだけど深く、変化球な名言で刺し、包む!異色の人生相談。

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他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 #なんで僕に聞くんだろう。

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幡野広志 写真家

1983年、東京都生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事。 2011年、独立し結婚する。2016年に長男が誕生。2017年、多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)、『写真集』(ほぼ日)、『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)、『なんで僕に聞くんだろう。』(幻冬舎)。

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