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もうだまされない 新型コロナの大誤解

2021.12.25 公開 ツイート

オミクロン型で第六波の懸念。新型コロナの実は危険な感染対策 西村秀一

新型コロナウイルスの感染拡大が一旦は沈静化した日本。しかし、欧州を中心に変異型「オミクロン型」が猛威をふるっています。東京でも初めてオミクロン型の市中感染が確認されました。日本においても感染拡大の懸念が高まるいま、『もうだまされない 新型コロナの大誤解』(西村秀一著)から改めて有効な感染対策や、実は間違っている対策について、紹介します。

*   *   *

ビニールカーテンやパーティションの危険な落とし穴

(写真:iStock.com/NiseriN)

新型コロナウイルスのパンデミックが起きてから1年半経つというのに、見えてきたのは、ちまたに広がる大誤解です。例えば、スーパーやコンビニのレジに設置したビニールカーテンが、店員を守っていると思ったら、大間違いです。

守られないどころか、かえって危険なことが多々あります。

目の前の客の飛ひ沫まつは、確かにある程度は防げるでしょう。しかし問題は、すぐに落ちる大きな飛沫よりも空中を漂ただようエアロゾルなのです。

問題はエアロゾル

例えば、店員のすぐ後ろに壁がある場合、店内の客が咳せきをしてすき間からウイルスを含むエアロゾルが入ってきたら、なかなか抜けていかず長時間それにさらされることになるのです。

壁とビニールカーテンに囲まれた中で、ウイルスを吸い込む結果になるのです。閉鎖された場所では、パーティション(隔壁)などはむしろない方が安全です。空気が流れて抜けていく方が、はるかに良いのです。

飲食店のテーブルの中央には、決まりごとのように50㎝四方ほどのアクリル板のパーティションが置かれるようになってきました。また、たくさんの人がいるオフィスでも、机と机の間を透明のパーティションで仕切っている光景をしばしば見受けます。

床から140cmの高さがあれば会話や咳をしても飛沫を止められると、スーパーコンピュータ富岳のシミュレーション結果を引き合いに出して言われているようです。しかしテレビニュースでお馴染みのあの映像は、普通ではあり得ない無風状態での、それも1回の咳だけしか見せていません。

真に有効な対策は換気!

直進する飛沫は止められても、小さなエアロゾルは、空中を漂いアクリル板を簡単に越えます。そのまま会話を続けたり何度も咳をしたりすれば、反対側に行く量は増えていき、リスクはさらに高まります。

良かれと思ってした対策が、逆効果になっているのです。

パーティションやカーテンに頼ってはいけません。真に有効な対策は、換気をしっかりすることに尽きるのです。

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関連書籍

西村秀一『もうだまされない 新型コロナの大誤解』

コロナ禍、最も怖いのはウイルスよりも、「間違った知識」のまん延だった! 飲食店の休業、必要ですか? 私たちはいつまで自粛を続けるのですか? ・ウレタンマスクはほぼ効果ゼロ ・ラーメン店や焼き肉屋は安全地帯 ・ビニールカーテンやパーテーションは逆にリスク増大 ・一にも換気、二にも換気、手指の消毒は意味がない! ・手洗いよりも「うがい」の徹底を ・新型コロナは呼吸器系ウイルス、食べ物や手、目鼻からは感染しない 新型インフル、SARSなどの現場を体験し、米CDCで研究を重ねた、呼吸器系ウイルス(COVID-19含む)の権威が緊急提言! 日本の「お角違いのコロナ対策」を徹底検証。 正しく恐れて、私たちの日常を取り戻す、必読の書 本書を読まなければ「新しい生活様式」は「新しい不自由生活」になってしまう! 日本がコロナ禍で衰亡する前に――憂国の書緊急出版! 【もくじ・内容例】 第1章 新型コロナは空気感染だと知れ ・ビニールカーテンやパーテーションは逆にウイルスが滞留する ・ウイルス学的に皮膚や鼻、目からの感染は考えられない ・最も気を付けるべきは「ウイルスの吸い込み」 ・新型コロナウイルスの感染経路は、あくまで「空気」 …… 第2章 手洗いよりうがいのすすめ ・感染者との出会いも短時間なら恐れることはない ・床に落ちたウイルスなんか気にするな ・徹底すべきはうがい・鼻うがい・口ゆすぎ ・ウイルスの寿命は量で考える …… 第3章PCR検査をただ増やせば良いという大誤解 ・PCR検査をしなかったから医療崩壊を免れた ・PCR検査では死んだウイルスでも陽性に ・PCRで判定すべきは陰陽ではなく、体内のウイルス量 …… 第4章ウイルスに勝つマスクの達人 ・マスクの生命線は素材性能と密着性 ・フェイスシールド・マウスシールドでは何も防げない ・外を歩くときにマスクはいらない …… 第5章こうすれば飲食店も営業できる ・安全な店の判断基準は「風を読んで、ウイルスを見る」こと ・カラオケで一曲、その前にお茶を一杯 ・屋外のBBQでの感染、犯人は食べ物ではなく、コンロの前の密集 ・大皿料理、ノロウイルスなら危険だが、新型コロナでは問題なし …… 第6章ウイルスと細菌は違います ・新型コロナは呼吸器粘膜(主に喉や肺)でのみ増殖する ・日本で感染者数が少なかった理由より、欧米で多かった理由を知ることが大事 ・第3波とか第4波とか、一喜一憂はもうやめよう ・ゼロリスクを求めるのは、全ての生活から逃げること …… 第7章新型コロナはいつ終息するのか ・治療法が確立されても、新型コロナ撲滅は不可能 ・ワクチン接種箇所の張りや痛みは正常な免疫反応 ・歴史上の流行したウイルスは、いまもくすぶり続けている ……

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もうだまされない 新型コロナの大誤解

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西村秀一 国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長

1955年山形県生まれ。国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。専門は呼吸器系ウイルス感染症、特にインフルエンザ。呼吸器系ウイルス感染症研究の日本における中心人物のひとり。

1984年山形大学医学部医学科卒業。医学博士。山形大学医学部細菌学教室助手を経て1994年4月から米国National Research Councilのフェローとして、米国ジョージア州アトランタにあるCenters for Disease Council and Prevention(CDC)のインフルエンザ部門で研究に従事。1996年12月に帰国後、国立感染症研究所ウイルス一部主任研究官を経て、2000年4月より現職。

著書に井上亮編『新型コロナ「正しく恐れる」』(藤原書店)がある。

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