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情報の選球眼

2021.12.17 公開 ツイート

フェイスブックはビジネス情報を得るのに適したSNS 山本康正

フェイクニュース、デマ、誤報。現代社会には手を出してはいけない情報が溢れています。しかし経営や投資において、情報を活用せずに成功を収めるということはあり得ません。『情報の選球眼』(山本康正、幻冬舎新書)では、投資家として活躍する著者が、自ら実践する情報の収集・活用方法を紹介しています。

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(写真:iStock.com/rvlsoft)

SNSは情報の宝庫である

情報を得るため、情報の発信者と直接コンタクトを取るというのが、価値ある情報を得る近道です。その観点から考えても、SNSの力は大きいです。裏を取る必要はありますが情報の宝庫、とも言えるでしょう。

たとえば、業界で有名な人物が、ある事象についてポストをしていた。その情報について深掘りしたければ、メッセンジャーで簡便に連絡を取ることができるからです。

ただSNSもいくつかありますので、違いも含め、どのSNSに価値ある源泉情報があるのか、ある程度の知識を持っておく必要はあります。

一番のおすすめは、フェイスブックです。実名で登録している人が多いことが理由に挙げられます。フェイスブックであれば、友達限定で情報を公開することもできますから、コミュニティの機能も有している。実際、特定テーマだけの知人を集め、日々情報を交換するような、クローズドなコミュニティを構築することもできます。

ツイッターについては、基本的には実名のアカウントで発信している情報に価値があると考えていいでしょう。たとえば、イーロン・マスク氏や孫正義氏のツイートです。

イーロン・マスク氏のツイートを見ると分かりますが、見ているこちらが心配するほど、まだ世には出ていない、会社として公式発表していないような情報が、彼の発言として出ています。

お騒がせ的なツイートも多いですが、同氏の素直な意見と、大胆な判断はその後のテクノロジー業界へ大きく影響が及ぶ可能性もあるので、私はチェックしています。孫正義氏も同じく本音のツイートが多いので、見る価値は大いにあると思います。

ツイッターのファウンダーであるジャック・ドーシー氏や、(リンクトイン)の創業者であるリード・ギャレット・ホフマン氏といった起業家なども実名アカウントで発信しているため、私はフォローしています。このようなSNSから情報を得る場合にも、やはり英語で投稿されているため最低限の英語力が必要です

SNSを見ているだけではもったいない

業界により、SNSを選択する必要もあります。人材系の情報を得たい方であれば、リ ンクトインなど、転職系サービスとも言われるビジネスSNSの情報をチェックするといいと思います。

ただしSNSの情報は個人であれ企業であれ、アカウントの持ち主が投稿していますから一次情報のはずなのですが、あえて加工している場合が往々に存在します。

SNSでも重要なのは、ツイートやポスト、プロフィールはあくまでその人物や企業を知るためのきっかけであるということです。

気になる情報を見つけたらそこから一歩踏み込み、本人にコンタクトを取ったり、共通の信頼できる知人に確かめたりすることが、意味のある情報を得るためには必要です。SNSはそのハードルが低いために、使わない手はない有用なツールだと言えます。

(写真:iStock.com/oatawa)

音声SNSには一次情報が溢れている

音声SNSについても紹介します。こちらも他のSNSと同じく、実名で登場している有名・著名人の音声情報であれば、聞く価値がありますし、実際に優良な情報を発信しているケースがあります。ただ、実名ではなかったり、単に宣伝のためだったりする情報は、注意が必要です。実際、オンラインサロンやビジネス・サービスの誘導として使われるケースがありました。

音声SNSといえば、クラブハウスが一時期ブームとなりました。しかし出始めのころは日本でも次なるメディアとして颯爽と取り上げられたものの、こうした信頼性の低下を防ぐ処置が不十分だったために、みるみるユーザーは離れてしまいました。日本ではいまや、利用している人をほとんど見かけません。

ですが、音声SNSには代替ができない良さというものがあり、それは情報がまったく加工されないという点です。初期のクラブハウスは、自分が興味のある人に手を挙げて質問をすることができました。伸びる可能性があったSNSだったと私は思っています。

以前イーロン・マスク氏と新興フィンテック企業のロビンフッド社長との対談があったのですが、歪められない双方の生の声、意見を聞ける貴重な機会でした。

現在、アメリカでは一部のユーザーが価値ある情報を粛々と発信し続けていますから、不誠実なアカウントなどが整備されるなどプラットホームが整った際に、その波がもう一度訪れるかもしれません。それがクラブハウスなのか、他のプラットホームなのかは分かりませんが。

関連書籍

山本康正『情報の選球眼 真実の収集・分析・発信』

手を出すべきではない無数の虚偽情報が世の中に存在する。経営や投資において、フェイクや誤報を元に判断を下せば損失は免れない。だが、一方でスイングをしなければ利益を掴めない。ビジネスでは正しい情報が10あっても、大成功に結び付くのはたった1つ。トッププレイヤーでも1割以上の成功率を得るのは困難だが、彼らはその10の好機を見逃さずにバットを振り続けている。本書では投資家である著者が、自ら実践する情報の収集・活用法を指南。真実を見極める眼と、利益を最大化する思考力を養う一冊。

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情報の選球眼

2021年11月25日刊行の『情報の選球眼 真実の収集・分析・発信』の最新情報をお知らせいたします。

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山本康正 米ベンチャー投資家

1981年、大阪府生まれ。東京大学大学院で修士号取得後、米ニューヨークの金融機関に就職。ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。修士課程修了後に米グーグルに入社し、フィンテックや人工知能(AI)ほかで日本企業のデジタル活用(DX)を推進。自身がベンチャー投資家でありながら、日本企業やコーポレートベンチャーキャピタルへの助言なども行う。京都大学大学院総合生存学館特任准教授も務める。著書に『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』(講談社)、『スタートアップとテクノロジーの世界地図』(ダイヤモンド)、『ビジネス新・教養講座テクノロジーの教科書』(日本経済新聞社)『2025年を制覇する破壊的企業』(SB新書)ほか。

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