1. Home
  2. 生き方
  3. いつまで自分でせいいっぱい?
  4. 共有

「Our Friend」という映画を観た。
とても印象的だったシーンがある。旅をしているときに出会った女性が、居場所を教えたくなったら連絡してと連絡先が書いてある紙を渡す。
私は危うく号泣しそうになった。

 
【喜】作品が無事に終わった帰り道
すごくきれいですごくホッとした

コロナ前は海外旅行が大好きで、30歳を過ぎてからは毎年必ず一人旅をすると決め、1人で訪れた国で買ったマグネットは順調に増えていた。
ワクワクすると同時に、飛行機に乗る前は少しだけしんみりする。一応、飛行機の便名とホテルは毎回マネージャーさんに伝えているけど、私は不安になる。
遊びまわっていると思われるのが嫌で、親にはいつも内緒で海外に行っていたので、このまま日本に帰って来れなかったら私は一人なんだろうなぁと思ったりしていた。普段は全く危機感がないのに、海外となると途端に出てくる。

またある時、お財布をなくして近所の交番に行くと緊急連絡先を書くように言われた。何かがあったときに連絡がいく所。まぁ親の連絡先を書くことが多いとのことで、スマホの電話帳から母親の連絡先を探すと、出てこない。はて?
実家は引っ越して私が覚えている電話番号は意味がない。
LINEで連絡を取っているので、電話番号がわからないという事に気が付き驚いた。お巡りさんに伝えると、わからないなら書かなくていいよ!最近はLINEが多いからそういう人が多いのかもしれないねと言われた。

ちょっと待てよ、私がもし道端で倒れたりしたら、身元がわかったとしても家族の誰にも連絡がつかないという事なのだろうか。
帰宅するとお財布は家の中から見つかり(自分が恐ろしい)ただただ、倒れたら私は1人ぼっちなのだろうかというこわい気持ちだけが何日も残り続けた。

こわい=ひとりぼっちという事が嫌だということなのかと推測する。

私は基本的には秘密主義で、1人行動が好きである。
つくづく自分という奴は難しいなぁと思う。
1人が好きだけど、1人すぎるのはこわいのか。

まだ自分の新しい家族を持たずに自由に生きている身として、家族の中で肩身が狭い部分もある。
きっと、家族の誰もが私に対してそんなネガティブなことはおもっていないだろうけど、それぞれ新しい家族が出来ているのに、やっぱり頼れないと思ってしまう部分も多く、悩みはなかなか相談出来なかった。

だってそれは、楽しく好きに生きてますって胸を張って言える状況を自分では保てなくなってしまったから。
結局私は、コロナを乗り越えようと頑張ったけど、目に見えない不安なものと、終わりが見えない不安なものと、自分だけで向き合わなければいけないという事が、限界に近かったのだろう。
体調にきて、心にきて、シンプルに1人が辛かった。
自分で選んで1人で生きてきたのに。
結果家族が察して寄り添ってくれて、初めて話せたことや、頼れた部分が大きくある。

これだけ色んな仕事をさせてもらって、応援してくださる方もいて、沢山の仲間と出会い、友人もいて、家族もいて、好いてくれる人が側に居てくれるときもあったりなかったりする人生を歩ませてもらっている。それなのに、ここから居なくなりたい楽になりたいと考え、1人で孤独だなぁと思うこともあった。

それは私がネガティブで後悔ばかりしやすい性質だからなのだろうか。贅沢だと思われることもあるだろうけど、実際のところは本人にしかその時の気持ちはわからない。

どんなに私のことを理解してくれる人と出会えても、結局は自分がその部分をどう受け取るか、どう考えるかだ。

【楽】思い出せないぶりの家族で外食。
美味しくて可愛くて嬉しくて噛み締めた

自分が1人のときでも心に思い浮かべられる人が居るならば、それが幸せだと思っていた。

大切な人たちには、元気に楽しく生きていてほしい。
遠くから願えるだけで、それでいいと思っていた。

でもいまは、大切であればあるほど、心配になるし、安全なのか大丈夫なのか、知っていたいと思う。
自分のことも、知っていてほしい。

それはやはり不安な世の中になったから。
ワクチンの副反応で何かあるかもしれないと知れば、1人で家にこもるのは少しこわいと思ったし、何かあった時にちゃんと連絡が取れるようにと考えるようになった。

そうそう、地方から飛行機で帰る日、もうすぐ出発かな? とマネージャーさんから連絡がきた。仕事の連絡だけれど、その一文があるだけて私は凄く嬉しくなった。私の予定を知ってくれている。

人の目を気にしていた私は、家族にさえもどう思われているかということを常に気にしていたんだなぁ。
一般的な感覚でいえば、仲が良い家族だと思う。
それなのに。私は遠慮していた。
昔からの家族だけでなく、それぞれの新しい家族が、私を家族として受け入れてくれていることが、心の底から有り難く、もっとみんなの為にちゃんと生きようと思える。
マネージャーさんだけでなく、家族にも、もっと色々気軽に話せるようになっていきたい。

 

最近、家族でスケジュールアプリを共有している。
昔なら、自由がなくなったような気がしていただろう。でもいまはちがう。
自分の予定を家族が知っている。私も知っている。
少しむず痒いけれど、確実に安心している自分がいる。

{ この記事をシェアする }

いつまで自分でせいいっぱい?

自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、33歳のリアルな日常を綴る。

バックナンバー

佐津川愛美

1988年8月20日生まれ、静岡県出身。女優ときどき監督。
Instagram http://instagram.com/aimi_satsukawa

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP