
2020年秋、中川右介は91歳の母を引き取り、介護生活をスタートさせた。寝正月から復活したものの、同じく体調不良になった妻は、自身が住む老人ホームでの外出禁止がまだとけない。唯一元気だった母も、デイサービスから帰ってくると、めずらしく塞いでいる。何かあったらしい。施設から電話があった。

1月4日 月曜日
<介護70日>
ほとんど寝ているだけの正月も終わり、今日から母はデイサービス。
7時に起き、朝食を出す。昨日どこに行ったかは、思い出せない。ぽかんとしている。
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時をかける老女

91歳の母親と、33年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことになった。この日記は、介護殺人予防のために書き始めたものである。
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