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27才のルワンダ滞在記

2021.11.23 更新 ツイート

それ以上進むなら 大石祐助

アフリカといえば、シマウマ、ライオン、キリン、ゾウ、バッファローといった動物たちがたくさんいるイメージがありませんか?

かく言うぼくも、歩いていたらアルマジロに遭遇したり、洗濯していたらチンパンジーにジャマされたり、そんな飽きない毎日に胸をふくらませてアフリカ大陸へと飛び立ちました。

しかし、すべて幻想。

動物なんていない。見かけるのは、ニワトリ、ヤギ、ウシといった家畜のみ。虫すらいません。なんならライフルを持った警官の方がよく見ます。

いかにもライオンやシマウマがいそうなのに、何もいないアフリカの大地
街のいたる所で見かけるライフルを持った警官

ところが、その日は唐突にやってきました。

 

米農家さんたちの団体をモニタリングするため、いつものように村へと下っていました。

「ムワラムッツエ(おはよう)」と農家さんたちに挨拶しながら、水田の脇の一本道を自転車で駆け抜けていきます。

 

アフリカの猛烈な日差しと乾いた風を顔に受け、果てしなく広がる大自然に目を奪われながら、軽快にペダルを漕いでいました。

自転車で駆け抜ける一本道。右手に広がるのが水田

すると、ある一本の大きな木を通り過ぎた瞬間、「ピーコン、ピーコン」と、突如、警報が鳴ったのです。

慌ててブレーキをかけて止まります。

 

防災訓練の「パオーンパオーン火事です火事です」のリズムで、辺り一帯に響き渡っています。

うろたえながら携帯を取り出しますが、何の知らせもありません。

ただ、依然としてアラートは轟いています。その音は確実に危険を知らせています。

落ち着いて耳を澄ますと、どうやら音は大きな木から聞こえてくるのです。

 

戦慄しました。

まさか、不法侵入者を捕まえるためのセンサーが仕掛けてあるのか。

だとしたら、この遮る物が何もない状況はまずい。狙撃手にライフルで狙われようもんなら、一発で頭が吹き飛ぶ。

「それ以上進むなら命はないぞ」と、言わんばかりのおどろおどろしい警告音。まさか、人生の幕引きが銃殺なんて考えたこともなかった。

とはいえ、この場に止まっているのも、敵の思うつぼです。

逃げも隠れもできずに立ち往生していると、だんだんと音が小さくなってきました。

 

この隙にセンサーを見つけようと木の方に目をこらすと、ついに警告音の発生源を発見。

なんと小鳥。

アラートの正体は、小鳥のさえずりだったのです。

どう考えても、自然界の音ではありませんでした。

またしても鳥にやられた。アフリカに珍しい動物なんていないと、侮っていたバチが当たったのでしょうか。

アフリカにお越しの際は、カジデスドリには気をつけてください。

これがカジデスドリ。(写真中央の小さい黒いシルエット)

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