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月が綺麗ですね 綾の倫敦日記

2021.01.11 更新 ツイート

「個人の取締役会」を作って、2021年はキャリアステップを本気で考えたい 鈴木綾

photo by DaneDeaner on Unsplash

自分の「仕事の成長」を忘れたくない

2020年の自分を振り返って考えると、足踏みをしていた気がする。特にキャリアのことについて。先に何があるかわからないまま目の前の仕事に追われて、自分の成長や次のキャリアステップを考えるのがほぼ無理だった。世界が「平常運転」に戻るまではまだ時間かかるだろうけど、今年こそ自分の成長に力を注ぎたいし、自分の将来を考えたい。

 

この思いを友達に話したら、面白いことを教えてもらった。友達が知っているキャリアウーマンが「個人の取締役会」(personal board of directors)というのを立ち上げている。この「個人の取締役会」 は、長年キャリア相談相手になってくれるメンターたちで形成されていて、自分のアドバイザーリーボードのようなものになっている。興味深いアイディアだと思ったので、友達に「個人の取締役会」を持っているというその女性を紹介してくれるようにお願いした。今週やっとその女性と話をすることができたのだ。

女性のことは、仮にRさんとしましょう。Rさんは40才ぐらいの時に「自分の取締役会」を立ち上げた。その頃、彼女は転職のことで迷っていた。転職するかしないか、転職したときにどのような労働条件を求めればいいのか、求める報酬の水準など、自分だけでは解決できなかった。その時、彼女は元上司や尊敬していた人たちに相談することにした。相談相手がみんな違うアドバイスをくれたおかげで、いろんな角度から問題を分析できて、最終的に転職という決断をすることができた。その時の転職は彼女にとって大きなキャリア・ステップになった。

転職など重要な決断しなければいけない時だけじゃなくて、普段からメンターたちに相談すればいい、とRさんは思って「自分の取締役会」を立ち上げることにした。

条件は一つ:メンバーは彼女と一緒に仕事したことがあるか、あるいは彼女をよく知っていないといけない。

なぜかと言うと、彼女の持っている仕事上の能力や専門知識だけじゃなくて、彼女自身の強みや弱みを理解した上でアドバイスをくれる人が大事。例えば、彼女がまた別の転職を考えた時、ある取締役が「ちょっと待って。このポジションは出張が多そうだけど、Rさんは出張を減らしたいと前、言わなかった? これで本当にいいのか?」と異議を唱えて、彼女に再考を勧めた。

それから10年、今では彼女の取締役会に8人の取締役と一人の会長がいる。Rさんは定期的に彼ら彼女らにキャリアや自分の成長について相談する。もちろん、メンバーは一生同じだというわけじゃない。仕事の分野を変えたり自分が成長していくと共に彼女はメンバーを入れ替えている。

彼女曰く、「個人の取締役会」っていうのは、自分の個人的なネットワーク、というのと少し違う。取締役会はマクロ的なこと、人生のアドバイスみたいなことについて相談できるだけじゃなくて、自分の勤め先の会社の中での応援もしてくれる、キャリアアップやプロモーション(出世)を後押ししてくれる人たちのネットワークでもある。キャリアステップを踏んで行くには、そういう取締役会を作らなければいけない。両方もってるのが大事。

彼女が取締役会にノミネートした人たちはみんな喜んで参加してくれた。「彼ら彼女らは私の成功を応援したい。私が成功することは彼ら彼女らが成功するのに等しいから。私のメンターになることに彼ら彼女らはやりがいを感じているし、私もそれに応えるように頑張っている」と彼女は私に説明した。

私は大事な決断をするときに、Rさんと同じようにいろんな人に相談して、いろんな意見を聞いた上で判断する。だから今いる私の相談相手やメンターたちにお願いして正式な「個人の取締役会」を立ち上げるといいかもしれない。それに加えて、同業他社で尊敬しているけどまだ知り合っていない人、あるいはそんなによく知らない人ともっと親しくなる機会にできると思う。在宅勤務の日々が続いて、簡単に外で新しい人に会えない時に新しい人脈を作るきっかけにできるだろう。

なので、2021年の新年の抱負は「自分の取締役会を作ること」だ。お願いしたい人たちがすでにいるけど、それ以外のお願いしたい人たちのこともじっくり考えたい。紙一枚にテーブルに囲んでいる席を5つ描いた。

実家でゆっくりしてみかんを食べながら、お願いしたい人たちの名前を書いてお正月を過ごしました。

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イギリスに住む30代女性が向き合う社会の矛盾と現実。そして幸福について。

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鈴木綾

1988年生まれ。6年間東京で外資企業に勤務し、MBAを取得。現在はロンドンの投資会社に勤務。2017〜2018年までハフポスト・ジャパンに「これでいいの20代」を連載。日常生活の中で感じている幸せ、悩みや違和感について日々エッセイを執筆。日本語で書いているけど、日本人ではない。

 

 

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