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近藤勝重流 老いの抜け道

2020.05.27 更新 ツイート

1世紀を生き抜いてきた人の健康法 近藤勝重

新聞やラジオの世界で長年活躍する近藤勝重さん。70歳を過ぎたけれど、粛々と老いていくなんてまっぴら御免、なんとか抜け道はないものか――そう考えて健康情報をあれこれ試したり、著名人の言葉からヒントを得たりしてゆく様子をつづったのが『近藤勝重流 老いの抜け道』。
コロナ疲れで疲弊した気持ちがちょっと軽くなるような部分を本書から抜粋して公開します。
今回は自粛生活に役立つ、100歳超えの長寿者(センテナリアン)の健康法です。

*   *   *

(写真:iStock.com/Boyloso)

1世紀を生き抜いたセンテナリアン

百寿者、センテナリアンという言葉をよく聞くようになりました。
1世紀以上、つまりセンチュリーを生き抜いてきた方々ですね。

日本人の平均寿命(2018〈平成30〉年)は、女性が87.32歳、男性は81.25歳です。
厚生労働省によりますと、100歳以上の高齢者は、調査を開始した1963(昭和38)年には153人を数えるだけだったのが、2019(令和元)年には初めて7万人を突破して7万1274人にのぼったとのことです。

WHO(世界保健機関)は介護を受けることなく日々暮らせる「健康寿命」を提唱していますが、日本だと2016(平成28)年の健康寿命は男性が72.14歳、女性は74.79歳で、厚生労働省はこれも着実に伸びているとみています。
今や日本は世界に冠たる長寿国なのです。

ですから、がんになる高齢者も多く、世界に冠たるがん大国でもあるわけですが、それはともかく平均寿命も健康寿命も延伸している状況を受けてのことでしょう、老いと健康法をめぐる特集が週刊誌に目立ちます。
数年前からの傾向ですが、昨今、とくに顕著です。

センテナリアンのやっている健康法

中高年以上の読者を狙ってか、2019年10月6日号の「サンデー毎日」は、「増大号」と銘打って全国で話題の百寿者の秘密など、およそ50ページに及ぶ大特集を組んでいました。

ぼくがとくに興味深く読んだのは、厚生労働省が100歳以上の高齢者数と同時に公表した「地域で話題の高齢者」40人についての各市区町村の「一言紹介」です。
個々に目を通すと、へー、そこまでおやりですか、とそれぞれの方の健康法が人生観とともにうかがえ、これはぜひ本書『近藤勝重流 老いの抜け道』でも紹介したい、と以下、ぼくなりにまとめてみました。
とことん人生を楽しんで生きている。そんな感想を持ったのはこんな方々です(年齢表記のない方はすべて100歳です)。

  • ケーブルテレビの歌番組を観ながら毎日演歌を歌う(女)
  • 友人との食事やサロン、コーラスなどに自分の足で出かけている(女、101歳)
  • 2日に1度の割合でスーパー銭湯に行き、常連の友だちと会話する(男)……
(写真:iStock.com/kuppa_rock)

趣味といえば民謡踊、大正琴などの芸事のほか、俳句づくり、短歌会に出席している女性、ゲートボール交流大会で最高齢者賞を受賞した男性、剣道、弓道の武道の有段者の男性など、本当にみなさんいろいろおやりです。
飲食へのこだわりもうかがえます。

  • 大豆の煮豆を毎日食べる(男、104歳)
  • 毎日1本ビールを飲むのが楽しみ(女)
  • 塩分を控え、腹八分目(女)
  • 豆乳を飲むのが日課(男)
  • 昼食時、自身でコーヒーを入れる(女)
  • 食事では家族と同じものを食べる(女)……

モットーや心がけていることもおありのようです。

  • 転倒しない、風邪をひかないが合言葉(女)
  • 自分のことは自分で(男)
  • いつも笑顔で(男)……

健康法は主なものしかここに書けませんが、何かの集まりに参加して健康維持に努めている方もけっこういらっしゃいます。

  • 笑いヨガやいきいき百歳体操(女)
  • 毎日、スクワット、腕立て100回(男)
  • 毎日往復1キロの散歩(女)
  • クロスワードパズルを解く(女)……

草取りスクワットでストレス軽減

こちらがへー、そんなにと思ったのは草取りでした。
単に「草取り」とあるほか当然草取りもする農作業や家庭菜園などを含めると40人中6人、全体の15%を占め、この人たちは日々草や土とふれあっている様子です。

(写真:iStock.com/okugawa)

エッセイストの岸本葉子さんの話ですが、がんで手術をして1年もたたないある夏の日に、マンションの小さな庭に下りて草むしりをしたとき、汗をかき、終わってきれいな庭を見たら爽快感があったそうです。
草むしりとがんは直接関係ありません。しかし、ストレスの原因は取り除けなくても、ストレスを軽減することはできるのではないかと思った、とも。

確かに草取りをしている間は気がかりなことがあったとしても忘れていられるというのはありますよね。
草取りは心臓に持病をお持ちの方で心臓に負担がかかる方もいるでしょうし、腰が少し曲がっている方の中には進行させる原因となることもあるとも聞きます。
ご自身の体調と相談されてのことでしょうが、センテナリアンの方々に草取りを生活習慣とされている方が多いというのは注目すべきことだと思います。

ぼくも畑での草取りを毎朝しているという知り合いの高齢の女性に聞いてみました。
「一心不乱になれるんです。何にも考えないで、それだけに集中する。嫌なことも忘れられます。草を取ったあとの畑を見ると、すっとして農作業にも力が入ります」
こんな効用も話してくれました。
「草取りでしゃがんだり、立ったりだからスクワットしているのに似てますよ。コンクリートではない土を踏んでいる感触もいいんですよ」

 

気持ちの良さはそれなりにわかるんですが、男性からは、「健康川柳」にこんな句をいただいています。

家出たが行く当てなくて草むしり       和泉雄幸

気分転換にもいいんでしょうね。
話を戻して百寿者、センテナリアンの方々ですが、みなさんを紹介するひと言にふれつつ、男女問わず外向性、開放性が高い人たちが多そうだな、と思いました。
“老いの抜け道”の生きた手引きがたくさんありそうですね。

関連書籍

近藤勝重『近藤勝重流 老いの抜け道』

人の名前がすぐ出て来ない? なんも心配いりません。「年とっちゃったけど、どうしていいかわからない」あなたに名コラムニストがおくる“老人免状”返上の書。 人生は心ひとつにかかっている/死ななくてすむがんで死ぬな/暇のある老年ほど喜ばしいものはない/身づくろいは長寿につながる/にもかかわらず笑う/1世紀を生き抜いてきた人たちの日々/近道人生をやめてわかったこと

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近藤勝重流 老いの抜け道

2020年2月6日発売の『近藤勝重流 老いの抜け道』について、最新情報をお知らせします。

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近藤勝重 コラムニスト、ジャーナリスト

近藤勝重(こんどう・かつしげ) 早稲田大学政治経済学部卒業後の1969年毎日新聞社に入社。論説委員、「サンデー毎日」編集長、専門編集委員などを歴任。毎日新聞(大阪)では大人気企画「近藤流健康川柳」の選者を務めている。10万部突破のベストセラー『書くことが思いつかない人のための文章教室』ほか、『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(ともに幻冬舎新書)など著書多数。毎日新聞夕刊に長年連載してきたコラムや著書の一部が中学校の教科書(道徳)や灘中学校をはじめ中高一貫校の国語の入試問題に使用されるなど、わかりやすく端正な文章には定評がある。MBSラジオ「しあわせの五・七・五」にレギュラー出演中。

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