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ブランドプロデューサー柴田陽子さんの新刊が2月20日に発売しました。

彼女の人生に迫り、成功の秘訣や仕事術を、ひも解いたのが、『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』

柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサーです。

その活躍は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。驚くことに、柴田さんは、独立して以来、「仕事をとるための営業をしたことがない」そうなのです!

それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。その秘訣を明かした本書より、試し読みをお届けいたします。

(写真:iStock.com/designer491)

第1章 「勝者の思考回路」の基本より

人の話の「聞き方」次第で、その後の人間関係が180度変わる。

□ プロジェクト成功のためには、そのプロジェクトのトップに話を聞くことが最重要。

□ 相手の満足度を高める話の聞き方は、相手の言葉を自分の言葉に置き換えて、話した内容を繰り返すこと。

□ 同じ人の同じ言葉でも、いつでも同じ意味を持つわけではない。

□ 言葉には「矢印」がある。言葉に隠された本当のメッセージを読み取ろう。
 

シバジムで行っているブランディング事業では、まずはクライアントへの徹底的な聞き取りを行います。これまでの経緯、これから目指しているところ、困っていること、顧客や社員への思いなどについてじっくり話を聞きます。

このときに、リーダーや責任者など、そのプロジェクトに対して一番情熱を持っている人から話を聞けるかどうかが、その後のビジネスの進め方を大きく左右します。

社長の話を部長が聞いて、部長の話を課長が聞いて、課長の話を私たちが聞くというのでは、やはりずれが生じます。途中で、その立場なりの忖度が行われることもあるでしょう。

しかし、プロとしてお金を受け取っている以上、クライアントにとっての最重要事項を少しでも早く正確にキャッチしなければなりません。だから私は、一番情熱を有している人にこだわるのです。それに、そのような立場にいる人は志が高く、大きな夢を描いているので、話をしていて面白いし、得られる学びも多くなります。

もっとも、そういう方から話を聞くには、こちらにもクリアしなければならない条件があります。

まず、「この人ならトップに会わせても恥ずかしくない」と思ってもらえる人にならなければなりません。そこには、もちろん身なりや振る舞いも含まれます。これは言うまでもない最低限の条件です。

その上で、高い聞き取り能力をもって、会話を進めていく必要があります。相手が区切りのいい話をし終えた失礼のないタイミングで、「それはこういうことですか」と自分の言葉に置き換えて話せる能力が求められるのです。

たとえば、製麺機を作っている企業の経営者が、「自社製品の素晴らしさをアピールしたいので、フラッグショップとしてカレーうどん屋をやりたいんだよね」と言ってきたとしましょう。そのときに、「ということは、飲食業界の人たちに、いかに美味しい麺ができるかを理解してもらう必要があるわけですよね。ならば、味噌ラーメンの店でもいいということですか?」と返せば、相手のニーズを的確にとらえているかどうかが確認できて、「ここまでわかってもらえているんだ」と、相手に安心感を与えますし、ズレていれば軌道修正ができます。

もうひとつ、人の話を聞くときに忘れてはならないのは、「言葉には矢印がある」ということです。

同じ人が口にした同じ言葉でも、そのときによって持つ意味が違います。

もっと距離を縮めたいのか、少し距離を置きたいのか。相手の言葉の矢印がどちらを向いているのかを把握できないと、その関係はこじれていきます。

私は先日、まったくの誤解によって、知人男性から怒りの電話を受けました。一方的な誤解によって怒りをぶつけられた私は、正直なところ愉快ではありませんでした。

ただ、彼の言葉の矢印が、本当に関係を破綻させたい方向には向いていないように感じました。むしろ、修復したいのだと。

そこで、少し落ち着いた頃を見計らって、私のほうから連絡を取り、丁寧に誤解を解いていきました。それによって、大切な関係をひとつ失わずに済みました。

こうした言葉の矢印を正しく受け取るためにも、普段から聞き取り能力を磨いておく必要があるのです。

*   *   *

言葉の矢印の方向を敏感に読み取ることで、うまくいくことも。

次の更新は3月12日(木)。お楽しみに。

柴田陽子『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』

「『張り合う』『負けない』は今の時代のエネルギーにはならない」「勝者の思考回路は『感想』を持つことから始まる」「小さなことに“すべて"が宿る」「すべてことに『理由』がなくてはならない」「『言う』と『伝える』は違う」「人の話の『聞き方』次第で、その後の人間関係が180度変わる」「『感動』と『言葉』と『ストーリー』が重なると、最強」「『たいへんなときに逃げなかった』経験は、絶対的な自信を与える」「人は品格がすべてです」 ほか、彼女がなぜ圧倒的な勝者として引く手あまたなのか?余すことなく伝える。  

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勝者の思考回路

柴田陽子さんの『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』が刊行されました。
柴田さんは、名だたる企業のトップから指名されるブランドプロデューサー。
その業績は非常に華やかで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも話題になりました。
なんといっても驚くべきは、柴田さんは「独立して以来、仕事をとるための営業をしたことがない」ということ。
それでも仕事の依頼が次々と寄せられています。そして着実に実績を残してきました。
そんな彼女の人生に迫り、成功の秘訣を、ひも解きます!

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柴田陽子 ブランドプロデューサー

外食企業にて新規業態開発を担当した後、化粧品会社でのサロン業態開発などを経て、2004年「柴田陽子事務所」を設立。

コーポレートブランディング • 店舗開発 • 商品開発など多技に渡るコンサルティング業務を請け負う。セブン&アイ・ホールディングス「グランツリー武蔵小杉」総合プロデューサー、ミラノ国際博覧会日本館レストランプロデューサーを務める他、パレスホテル東京、東京會舘、東急プラザ渋谷など幅広くブランディングに携わる。

2013年秋アパレルブランド「BORDERS at BALCONY」を立ち上げ、デザイナーを務める。

 

 

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