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同人誌をつくったら人生変わった件について。

2020.02.14 更新 ツイート

川崎昌平×pha「働きたくないし21世紀だし同人誌でもつくろうぜ」@B&Bイベントレポート 川崎昌平

2020年2月6日、川崎昌平さんの新刊『同人誌をつくったら人生変わった件について。』とphaさんの新刊『どこでもいいからどこかへ行きたい』のW刊行記念イベントを開催いたしました。

下北沢の書店B&Bにて20時から始まりました。この日は大寒波の影響でかなり冷え込みましたが、ほぼ満席の大盛況!

お二人は作家としてメディアで文章を発表する一方で、個人で同人誌も制作しています。なぜ同人誌をつくるのでしょうか。また、その面白さなどを語っていただきました。(文:編集部)

「この歳になると欲しいものってほとんどないけれど、ふらっとどこかに行きたい欲求はある」

phaさんの新刊のタイトルは『どこでもいいからどこかへ行きたい』。

そのタイトルのとおり、phaさんが思い立って遠出した経験と、そこで考えたことや感じたことを綴ったエッセイです。

「出張で遠出することはあるけれども、会社員をやっているとなかなか急には旅に出られない。今一番やりたいことって、もしかしたらそういうことなのかもしれない」と川崎さん。「読んでいると、羨ましいという気持ちとともに、自分も旅したような気持ちになれていいんですよ」と笑顔で語ります。

一方、川崎さんの新刊は、今回のテーマでもある「同人誌」をメインにした漫画と文章をミックスした『同人誌をつくったら人生変わった件について。』。phaさんはこの本を読んで、はじめて漫画を描いたとのこと。そして、なんとこのイベントのためにその漫画を印刷して全員に配ってくれました! 本の内容を実践してくださったことに、とても感激しました。「同人誌をつくることによって主人公の魂が救われるところが、すごくよかったです」とphaさん。

同人誌は最高の実験場

いわゆる商業本を執筆しながらも同人誌を作り続けるお二人。川崎さんは2月のCOMITIAに、phaさんは5月の文学フリマに参加されることが決まっています(どちらも同人誌即売会のことです)。

同人誌即売会に売り手として参加する場合、数か月前には申し込みをしなければなりません。phaさんは、事前にイベントに申し込んだことによって、当日までに売るものを準備しなければならなくなり、なにかをつくることになるとおっしゃっていました。以前は同人誌を買うためにイベントへ行っていたそうですが、売る側になって参加してみたら、そちらの方が楽しかったとのこと。

「どんなものでも、つくって出しちゃうのが楽しいんです。クローズドな場で練って、少しずつ出していけるのが同人誌のいいところかもしれません」

書き下ろしエッセイなどで何百ページを書くのも、長い本を読むのも最近はしんどいというphaさん。同人誌の薄さも気に入っているようでした。

川崎さんも、「実験するのに同人誌はぴったり。『同人誌をつくったら~』も元は同人誌で、漫画と文章を組み合わせるスタイルはまさに実験でした」とのこと。

商業本と同人誌はどんどんシームレスに

年々同人誌をつくる人が増えてきた昨今。それにともない、新たな才能を求めて多くの編集者が即売会に足を運んでいます。

「即売会で石を投げたら編集者に当たるって言いますからね」とユーモア炸裂の川崎さん。実際に、同人誌が元になっている商業本もたくさんあります。例えば、こだまさんの『夫のちんぽが入らない』も元は同人誌でした。

出版社から刊行される書籍は、作家だけでなく編集者やデザイナーなどたくさんの人がかかわって世に出ます。一方で同人誌は描くのも編集するのも作家がやることになります。そのことについて、「濾過されていない部分が同人誌にはあると思います。愛がそのまま伝わってくるというか……」とphaさん。

いわゆる「壁サー」といわれるような大手サークルは、同人誌の販売でかなり儲かっているようです。phaさんも、自身が発行している同人誌では儲けはでているといいます。ですが、お二人は同人誌をつくることを「仕事」と感じたことはないようです。

川崎さんもphaさんも、文筆業は「働いている」という感じではなく、お金がそこに発生しなくても、執筆しているだろうと話していました。また、川崎さんは同人誌がきっかけで書籍を出しませんかと声がかかることが多いとのこと。

「『働きたくないなあ』と思いながら趣味で同人誌を作っていたら本を出すことになったりして、そういう活動をしていることも社内で知られていって、今はとても働きやすいポジションにいます」と川崎さん。「えらくなりすぎないことがポイントです」の発言で会場は笑いに包まれました。

同人誌をつくって考えたこと

「同人誌は、本の価値がイベント特有の感があります。そう考えると、文庫本はすごく安く感じます」とphaさん。

同人誌のページ数と価格に対して、文庫本のように何百ページもあるものが1000円以下で買えることのすごさも感じたとのこと。同人誌をつくることを通して、本の価値についても考える人は多いのではないでしょうか。

働くこと、お金を稼ぐこと、そして同人誌を作ること。

一見関わりのないことのようですが、同人誌をつくってみたら色々と見えてくることがあるようです。

イベントの最後にはサイン会も開催しました。大盛況のなかイベントは終了。お越しくださったみなさま、ありがとうございました!

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川崎昌平

1981年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。作家・編集者、昭和女子大学非常勤講師、東京工業大学非常勤講師。主な著作に『ネットカフェ難民』(幻冬舎)、『重版未定』『重版未定2』(ともに河出書房新社)、『編プロ☆ガール』(ぶんか社)、『労働者のための漫画の描き方教室』(春秋社)など。

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