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フィンランドで暮らしてみた

2020.01.10 更新 ツイート

フィンランド人よ、なぜにソーセージを食べまくる?芹澤桂

前回フィンランドの年越しフードはソーセージだと書いたけれど、フィンランド人はソーセージを本当によく食べる。

まだ肌寒い中始まって紅葉の頃までむりやりめいっぱい楽しむバーベキューも、牛肉ではなくソーセージが中心だ。

(ひたすらソーセージ)

そうなると準備が楽で、毎週のようにバーベキューパーティーをしても負担にならない。

ソーセージ、買ってきて切り込み入れて焼くだけ。

あと用意するのはホットドッグ用のパンとトッピング用の刻んだピクルス、市販のフライドオニオンにケチャップとマスタード。買って並べるだけだ。

そこにサラダとオーブンでローストした野菜でも添えれば、日本人的には何もしてないのにフィンランドではじゅうぶん、おもてなししてくれてありがとうと褒められる。申し訳ないぐらいだ。

宗教もアレルギーも好き嫌いもクリアする最強の食べ物

 

そもそも人が集まれば集まるほど、宗教上の理由や好き嫌い、アレルギーで食べられるものが限られてくる。あの人は牛肉がだめ、この人は豚肉を食べちゃいけない、あっちはベジタリアン、など。小さな子供は塊肉はあまり食べてくれないし、それもあってのバーベキュー、いや、ソーセージパーティーなのだ。

最近は鶏肉やラム肉のソーセージ、ヴィーガン用のソーセージなんかも売っているので、ソーセージの活躍度高いなぁと感心している。

太いのから細いの、お正月のハムみたいなのといろんな種類があり、スーパーでは棚一列まるまるソーセージということも珍しくない。

そんなソーセージラブな国では、サウナの中でもサウナストーブの石の上でソーセージを焼いて楽しむべく各種グッズが売られていたりする。

アルミでできた袋、ソーセージを石材で包めるタイプの筒、サウナストーブの上に吊るすトレイなどなど。

(ソーセージも焼けるBBQ小屋)


サウナというのはささっと入って楽しむものじゃなく、サウナと外と、あればサウナの横の休憩室とを行ったり来たりし、ビールやロングドリンクと呼ばれるチューハイ的ジンカクテルを飲みつつゆっくりするものだ。その間に、サウナストーブも熱いことだしソーセージを温めればつまみにもなっていいじゃんという合理性。かしこい。

実際に我が家で友人たちを招いてバーベキューパーティーを開催したとき、途中で急に雨が降ってきてやみそうにないし寒いしとサウナを温めたことがあった。まだ食べていないソーセージは当然のようにアルミバッグに入れてサウナへ。調理済みの野菜もチーズも一緒に入れて蒸して、即席料理が出来上がった。

わざわざ寒いなか庭でバーベキューしなくても最初からこうしてればよかったのでは、とこっそり思ったけど、こっちの人たちはバーベキュー大好きでもあるので言わないでおいた。

(ソーセージを入れるアルミパック)

ソーセージのないところに思い出なし

フィンランドでは選挙のシーズンには候補者やその事務所が飲食物などを配ることが認められており、そんな真面目な場面でさえ政治の話をしながらソーセージを振る舞う候補者がいる。

普通は無料配布といってもせいぜい飴かコーヒー程度なので、ソーセージとなればみんな集まるのだそうだ。

 

他にも車の試乗をしに行ったときTOYOTAで、もしくは海辺で散歩しているときキリスト教の布教者に、それぞれホットドッグをごちそうになったことがある。これまたフィンランド人好物のシナッピと呼ばれる甘めのマスタードをたっぷりとかけ、ふんふんと商品説明(もしくはジーザス説明)を聞くふりをしながらパンに挟んだソーセージを頬張るのはなんだかとてつもなく肩の力が抜ける絵だった。

私だったらホットドッグにかぶりついている相手に政治の話なんぞなかなかできそうにないけれど、もしからしたら肩の力を抜いているからこそできる話もあるのかもしれない。そのためのソーセージだと考えると、サウナと並んでおそるべしフィンランド人の対人力。

余談だが私がフィンランド語を勉強したときのテキストには「ソーセージはフィンランド人男性にとって野菜だよ」と言って登場人物一同がはっはっはと笑うシーンまで描かれていた。田舎のサマーコテージで男同士が集いソーセージを焼くシーンだ。

国立公園や自然公園の中にはしばしば無料で使える薪と小さなバーベキュー設備があり、森をトレッキングする人たちはリュックにマッチとソーセージを入れて担いで行きそこで休憩をとるというのも珍しくない。

自然とソーセージもセットなのだ。

 

そういえば森の中で乗馬体験したときも休憩には熱いコーヒーとソーセージが振る舞われた。他の参加者と、ケチャップを回したりソーセージの焼き具合を交代に見張ったりしているうちに打ち解けたから、やっぱりソーセージが効いているとしかいえない。

よく思い起こしてみるとソーセージに関してはそんな思い出ばかり、ごろごろ出てくる。あそこで食べたなぁ、あの人とも食べたなぁ。むしろソーセージを一緒に食べたことのない友人の方が少ないぐらいかもしれない。

(端から端までぜんぶソーセージ)

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コメント

pukuri  食べたくなってきた→ フィンランド人よ、なぜにソーセージを食べまくる?|フィンランドで暮らしてみた|芹澤桂 - 幻冬舎plus https://t.co/BC3YDSszux 2日前 replyretweetfavorite

はっさく  フィンランド人よ、なぜにソーセージを食べまくる?|フィンランドで暮らしてみた|芹澤桂 - 幻冬舎plus https://t.co/tNWFMeSUHU 3日前 replyretweetfavorite

敬宮愛子内親王殿下を皇太子に❗☆チョコレート  フィンランド人よ、なぜにソーセージを食べまくる?|フィンランドで暮らしてみた|芹澤桂 - 幻冬舎plus https://t.co/ns25i17YPS 3日前 replyretweetfavorite

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芹澤桂 小説家

1983年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。2008年「ファディダディ・ストーカーズ」にて第2回パピルス新人賞特別賞を受賞しデビュー。ヘルシンキ在住。

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