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50歳から始める英語

2019.04.26 更新 ツイート

英語学習で最大の効果をあげる絶対ルール清涼院流水

 生まれてこの方、ずっと身近にある外国語は英語。なのに、字幕なしでの映画鑑賞はおろか、海外旅行での簡単な会話すらままならず、憧れつつも諦め続けている人は多いと思います。
 かつて「社会人英語部」を主宰して話題を集めた清涼院流水さんが、この10連休のゴールデンウィークに英語を始めてみようかという人に、“人生100年時代”の正しい英語学習術を公開します。

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どんな英語学習も身につかない最大の理由

50歳から始める英語

「いろんな英語教材を試したのですが、どうしても効果が出ません。どうしたら良いのでしょうか」といった相談が多いのは、苦労されている方が多いからこそでしょう。英語学習が身につかない理由を把握しておかないと、人生の貴重な時間とお金を消費し続けるわりにまったく効果が得られない、という泥沼のような悪循環に陥ってしまいます。

 人によって、試されてみた学習法はさまざまですが、効果が出ない理由は、ひとことで言ってしまえます。基礎ができていないのに、応用だけ学ぼうとしているのです。考えてみてください。地盤のゆるい土地に突貫工事で組み上げた家と、強固な地盤の地下深くまで基礎をしっかり据えて築き上げた建造物の、どちらが頑丈でしょうか?

 基礎を無視して、「とにかく使える英語を!」と、がむしゃらに模索するのは、まさに、地盤のゆるい土地に突貫工事で家を建てようとしている状態です。仮に家が建った(英語をある程度は学んだ)ように錯覚しても、少し強い風が吹けば、たちまち瓦解するでしょう。壊れやすい家は、天災の起きるたびに、何度も建て直さないといけないはずです。

 一方、強固な地盤(難しく思える英語の基礎)の上には建てにくそうに最初は思えるのですが、そこを深く掘り下げ、基礎をしっかり据えれば、どれだけ高い建造物でも築き上げることができますし、天災でも小ゆるぎもしないほど頑丈な知識となるのです。先に述べた、英会話スクールや英語教材、あるいは、留学やネイティヴの友達、海外での生活でも英語が身につかないのは、「基礎ができていないのに、応用だけ学ぼうとしている」という理由であることがほとんどだ、と指摘できます。これまで英語学習に自分なりに挑戦されて失敗した方には、共感していただけるかもしれません。

効果を出し続ける学習法の絶対ルール

 英語学習の初級者を抜け出せず、あがき続けている方の多くが、「基礎ができていないのに、応用だけ学ぼうとしている」ことによる悪循環に陥っていますが、その最初の関門を通過して、中級者、上級者と成長していく過程でも、実は、同じことが起きます。

 学習が進展しない悪循環に陥らないために、永遠に効果を出し続けられる学習法の絶対ルールを知っていただく必要があります。英語学習だけでなく、これは、ありとあらゆる学習に当てはまる話ですが、「わからないことにぶつかったら、わかっているところまで必ず戻る」という鉄則です。このルールを徹底できれば永遠に成長し続けることができますが、おろそかにすれば、どこかで成長は止まります。そのくらい重要なルールです。

 海外では、「できない者は落第させ、できる者は飛び級させる」という理にかなった教育システムが珍しくありません。「できる子も、できない子も、同じように進級させる」という日本式の教育は、一見すると平等に扱っているようですが、その方法では、できる子と、できない子の格差が広がり続けるだけで、実は非合理的で、残酷な結果を生みます。

 筆者自身にも、忘れがたい挫折の記憶があります。将来への希望に燃えていた中学1年生の時、当時は数学が好きで授業を真剣に聞いていたのですが、ひどい風邪をひいて数日休み、次に登校した時には、休んでいたあいだに進んでいた箇所を飛ばしているので理解できずに困惑しました。しかし、それを放置したままだったので、その後も積み重ねられていく知識を完全には理解できず、落ちこぼれていきました。ほかの科目でも似たようなことが起きました。このような経験をしたのは、筆者だけではないと思います。

 人間心理として、自分が中学2年生に進級すると、中学1年生のテキストをふたたび学び直すのには抵抗があった、という方も多いのではないでしょうか。ですが、中学1年生のテキストにわからない部分が残っていれば、中学2年生では、わからない部分は、さらに大きくなります。そのように、基礎に近い段階での知識の抜けがあると、応用を理解するのは、どんどん困難になっていくのです。これは、英語学習に限った話ではないでしょう。家を支える柱が1本足りないところを想像してみてください。柱が足りないまま家を組み立てたら、非常に壊れやすいですし、そもそも完成させられないのです。

 たとえ、あなたが50歳以上の立派な大人であっても、中学1年生のテキストにきちんと理解できていないことがあれば、そこに立ち返って学び直すのは、決して恥ずかしいことではありません。逆に、自分のわからないことはわからないと認めて、謙虚に、真しん摯しに学び直そうとする姿勢は、周囲から尊敬されるはずです。少なくとも筆者は、50歳以上の方が中学1年生のテキストで真剣に勉強していたら、素敵だと思いますし、その方の年齢が高ければ高いほど、尊敬の念は強まります。

 そうした姿勢を批判したり軽蔑したりする人がいたら、それこそ典型的な〝ドリーム・キラー〞で、そのような人と議論しても時間の無駄ですし、まじめに関わってもご自分が傷つくだけなので、相手をせず遠ざけられたほうが良いでしょう。

清涼院流水『50歳から始める英語』

生まれてこの方ずっと身近にある外国語は英語。なのに字幕なしで映画鑑賞はおろか海外旅行での簡単な会話すらままならず、諦め続けている人は多い。しかし英語を習得するなら時間とお金に余裕があり経験豊富な50歳からがいい。この期に及んで同時通訳を目指したり欧米企業に勤めるわけじゃない今だからこそ、誰からも強制されない英語学習は楽しく、人生を豊かにもする。TOEICテストを活用すれば自らの成長を数値化できてさらに愉快。今すぐ無性に英語を始めたい! という人に贈る〝人生100年時代〟の正しい英語勉強法。

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清涼院流水

1996年、『コズミック』で第二回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。以後、小説だけでなくビジネス書、ノンフィクション、英語学習指南書など著作多数。小説執筆の息抜きとして始めた英語学習にハマり、独自のメソッドでTOEIC(現L&R)テスト満点を5回達成。2009年から17年まで主宰していた「社会人英語部」では、のべ65人の部員をTOEICスコア平均900点台にまで導く。日本人作家の小説を英訳して世界中の電子書店で販売しており、著者、英訳者、編集者として手がけた英語作品は100を超える。作家としての近著に『ルイス・フロイス戦国記 ジャパゥン』(小社刊)、『純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男』(WAVE出版)などがある。


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