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脳に悪い7つの習慣

2018.12.10 更新

なぜ「コツコツがんばる」のが脳によくないのか?林成之

集中力が高まる、物忘れがなくなる、独創的なアイデアが浮かぶようになる、頭が疲れにくくなる、コミュニケーションが得意になる……。「脳に悪い習慣」をやめるだけで、こうしたたくさんの嬉しい効果があることをご存知ですか? 43万部を突破した、脳医学者・林成之先生のベストセラー『脳に悪い7つの習慣』は、読むだけで頭の働きが倍増すると話題の一冊。そんな本書の中から、一部を抜粋してお届けします。

「一気に駆け上がる」ことが大切

 自己報酬神経群をよく動かすためには、決断・実行を早くし、達成に向かって一気に駆け上がることが必要です。

iStock.com/RyanKing999

 一般に「コツコツとやること」「一歩一歩、着実に進めること」は、ほめられこそすれ、否定されることはないでしょう。しかし、「コツコツ」や「一歩一歩」には、「失敗しないように慎重に進めよう」という「自己保存」のクセが隠れています。この「失敗しないように」という考えは、「失敗するかもしれない、失敗したらどうしよう」という考えと表裏一体のものなのです。

 先に説明したように、「失敗するかもしれない」は脳にとっての“否定語”です。また、「慎重に一歩一歩」とゆっくり物事を進めていると、どうしても集中力が落ちてしまうし、完成が近づいたときには「そろそろ終わりだな」と考えてしまいます。

 結果的に最後までやり遂げないまま、「だいたいこんなところでいいだろう」と妥協してしまうことになりやすいのです。

 この「決断・実行を早くし、一気に駆け上がる」というスタンスは、仕事やスポーツなどで勝負をかけるシーンではとくに重要です。勝ち負けばかりに執着すべきでないとはいえ、人生では「ここぞ」という勝負どきがあるのです。

 みなさんは、「コツコツ」や「一歩一歩」というスタンスは大切である、と聞かせられて育ってきたことでしょう。いきなり「それではダメだ」と言われると驚かれるのではないかと思います。

 しかし、脳の達成率を上げ、集中してことを成し遂げるためには、「コツコツ」は間違いなのです。仕事の大きな課題をやり遂げようとする、スポーツで勝負に勝とうとするといった場面で達成率を上げるには、全力投球が必要なことは言うまでもありません。全力投球することと「コツコツ」は、まったく別のものです。

「達成すること」より前に、「どう達成するか」などの達成のしかたを追求し、最後の詰めに執着することで、脳はもてる才能を最大限に発揮できるようになるのです。

 また、一気に駆け上がるというときに、目標を高いところに設定しておくことも大切です。ある実験によると、人間のポテンシャルは最大で130%まで引き上げることができるとされています。

 あまりに現実味のない目標設定をすると、脳が「自己保存」に走って、「無理だ」という気持ちが生まれてしまうので注意が必要なのですが、最初に「100%以上、130%を目指す」という心持ちでスタートすると、集中力が増し、脳の達成率をアップすることができるのです。

「目的」と「目標」を分けて考える

「達成に向けて一気に駆け上がる」というときに大事なのが、脳に対して明確に「目標」を決めてやることです。

iStock.com/masterzphotois

 みなさんは常日ごろ、「目的」と「目標」を分けて考えていますか?

 たとえば「がんばって契約を取ってきます」というのは、ただの「目的」です。

「目標」とは、契約を取るために何をするか、やるべきことを具体的にしたもののことをいいます。ということは、目的を達成するためには、いくつもの目標があることになります。しかしながら、それを明確にしないまま「がんばります」と言う人は少なくありません。

 根性論で「がんばります」とだけ言っていても、脳は何をがんばればいいのかわかりません。「がんばります」は、脳にとっては意味不明な言葉なのです。

 また、「がんばること」自体が目標になってしまうと、目的を達成しなくても「がんばったから」と納得してしまい、いつまでたっても目的を達成できないという悪循環に陥ることになりかねません。

 よく「がんばります」「今日はがんばった」などと口にしている人は、要注意です。達成すべき目標や、今日は何を達成したのかを具体的に言えるようにしておく必要があるのです。

 目的と目標の両方を定め、紙に書いてはっておくなどして、脳に対してはっきりとがんばるべき方向性を決めることを習慣にしましょう。これができる人とできない人では、脳のパフォーマンスに雲泥の差がつきますから、今日からぜひ実行してください。

◇ ◇ ◇

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林成之

1939年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。93年、日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター部長に就任する。日本大学医学部教授、マイアミ大学脳神経外科生涯臨床教授を経て、2006年、日本大学総合科学研究科教授。08年、北京オリンピックの競泳日本代表チームに招かれ、「勝つための脳」=勝負脳の奥義について選手たちに講義を行い、結果に大きく貢献する。著書に『〈勝負脳〉を鍛える』(講談社現代新書)、『ビジネス〈勝負脳〉』(KKベストセラーズ)、『望みをかなえる脳』(サンマーク出版)、『思考の解体新書』(産經新聞出版)など多数。

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