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脳に悪い7つの習慣

2018.12.09 公開 ポスト

「嫌だ」「疲れた」を口にすると脳がどんどん悪くなる林成之

集中力が高まる、物忘れがなくなる、独創的なアイデアが浮かぶようになる、頭が疲れにくくなる、コミュニケーションが得意になる……。「脳に悪い習慣」をやめるだけで、こうしたたくさんの嬉しい効果があることをご存知ですか? 43万部を突破した、脳医学者・林成之先生のベストセラー『脳に悪い7つの習慣』は、読むだけで頭の働きが倍増すると話題の一冊。そんな本書の中から、一部を抜粋してお届けします。

「グチ」はストレス発散にならない

 夜遅くまで働いて、それでも次の日は朝早く出勤。仕事はいつも山積み……。こんな状況のとき、つい「今日は働きたくないな」「疲れた」「もうこれ以上できない」「無理だ」などと口にすることはありませんか?

iStock.com/metamorworks

 そう深刻な状況でなくても、日常的に「疲れた」と言うのが口癖になっている人もいるかもしれません。

 こうした言葉を発するのも、実は「自己保存」という脳のクセの表れなのです。それに気づいていないために、「グチを言ったほうがストレス発散になるんだ」と誤解している人もいるでしょう。

 ところが、こうした否定的な言葉は、自分が言っても、周囲が言うのを聞いても、脳にとっては悪い影響しかないのです。というのも、目の前にやるべきことがあっても、A10神経群が否定的な言葉に反応し、マイナスのレッテルをはってしまうからです。

 何気なく口にする、そのちょっとした言葉がみなさんの脳のパフォーマンスを落としているわけで、しかもグチから何か新しい発想が生まれることはまずありません。とくに、仕事や勉強に取り掛かる前にグチを言うのは避けるべきです。

 脳のしくみを知れば、グチを言うことのデメリットはよく理解できるでしょう。

 しかし、「グチを言わない」というのは、実はそう簡単ではありません。振り返ってみると、仕事などで「無理だろう」「難しい」といった否定的な言葉を使うことはよくあるはずです。

私が医療スタッフに課したルール

 私が日本大学医学部板橋病院で救命救急センターを立ち上げた際に、医師、看護師、検査技師、事務担当などのすべてのスタッフに課したことがあります。それは、「否定的な言葉をいっさい、使わない」ということ。

iStock.com/Wavebreakmedia

 私がほかに求めたのは「明るく前向きでいること」「チームの仲間の悪口を言ったり、いじわるをしないこと」といったもので、厳格なルールを事細かに決めたりはしませんでしたから、最初はみな、「怖い先生でなくてよかった」とでもいうような、ほっとした表情を浮かべていました。

 しかし、実際の救命救急医療の現場は非常に過酷です。徹夜で手術をした直後に、緊急の患者さんが運ばれてくることなどザラで、食事も睡眠も取れないまま、患者さんの処置に追われるのが日常でした。

 しかも、すでに瞳孔が開いていたり、心肺停止の状態だったりと、通常ならとても助けるのは無理だろうと思われるような方がたくさん運ばれてくるのです。

 こうした状況ですから、スタッフがつい「疲れた」「無理だ」「難しい」といった言葉を口にしてしまうのも無理はありません。慣れるまでは、お互いに「いま、疲れたって言ったよ」などと指摘し合ったものです。

 極限状態にあっても人の命を救うのが、救命救急の仕事です。私はスタッフ全員に、「瞳孔が開き、呼吸が停止した患者さんであっても、ケタ違いの医療をほどこして、社会復帰させる」という無謀とも思われる目標を掲げていました。それを実現するには、スタッフ一人ひとりが最大限に脳のパフォーマンスを上げる必要があったのです。

 このように厳しい現場にあってもなお、私が否定的な言葉を使わないことを徹底したのは、脳医学の観点から、それが脳に与える影響の大きさをよく知っていたからです。

 私たちの目標は、医療の世界にいれば、誰もが「無理だ」というレベルのものであったと思います。しかし在職中、瞳孔が開いた状態で運ばれてきた患者さんに、約4割という非常に高い確率で社会復帰していただくことができました。

 これは、私が脳のしくみにもとづき、自分とチームを高めようと常に心がけていたことがもたらした結果であると思っています。

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脳は気持ちや生活習慣で、その働きがよくも悪くもなる。この事実を知らないばかりに、脳力を後退させるのはもったいない。脳に悪い習慣とは、「興味がない」と物事を避ける、「嫌だ」「疲れた」とグチを言う、言われたことをコツコツやる、常に効率を考えている、やりたくないのに我慢して勉強する、スポーツや絵などの趣味がない、めったに人をほめない、の7つ。これらをやめるだけで頭の働きがよくなる理由を、脳の仕組みからわかりやすく解説。

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林成之

1939年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。93年、日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター部長に就任する。日本大学医学部教授、マイアミ大学脳神経外科生涯臨床教授を経て、2006年、日本大学総合科学研究科教授。08年、北京オリンピックの競泳日本代表チームに招かれ、「勝つための脳」=勝負脳の奥義について選手たちに講義を行い、結果に大きく貢献する。著書に『〈勝負脳〉を鍛える』(講談社現代新書)、『ビジネス〈勝負脳〉』(KKベストセラーズ)、『望みをかなえる脳』(サンマーク出版)、『思考の解体新書』(産經新聞出版)など多数。

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