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シンギュラリティ・ビジネス

2017.07.04 更新

AIだけじゃない。あなたの仕事を奪うライバルが、至るところから押し寄せる齋藤和紀

 今後、人間の仕事がAIに奪われることが、現実的に大きな問題になっていくでしょう。でも、第4次産業革命が猛スピードで進行する今、AIに奪われる前に、私たちの仕事の競合相手が、他業種・他業界から、そして世界中から押し寄せてきます。
News Picks編集長・佐々木紀彦さんも「AI入門の決定版だ」とお薦め『シンギュラリティ・ビジネス――AI時代に勝ち残る企業と人の条件』著者の齋藤和紀さんが、解説します。

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物と情報、メディア、企業、あらゆる境界が溶けてゆく

 コンピュータやインターネットによる第3次産業=IT革命は、私たちの生活を大きく変えました。しかし、すでに始まっている第4次産業革命が、規模の面でもスピードの面でもそれをはるかに超えるものになるのは間違いありません。

 社会構造そのものが根本的に変わるという意味で、これは真のパラダイムシフトといっていいでしょう。これまで述べてきたことからもわかるように、そこでは過去の社会を仕切ってきたさまざまな「境界線」が溶けるように消え去ります。

 たとえばデジタル化した写真が象徴するような「非物質化」もそのひとつ。これまで私たちは「物質」と「情報(データ)」を別々に扱うのが当たり前だと思ってきましたが、もはやそのあいだに境界線はありません。「リアル」と「バーチャル」の境界線がなくなるのです。

 そのような社会では、従来の「分類」があまり意味を持ちません。たとえば、マスメディア。これまで、新聞・ラジオ・テレビは別ジャンルのメディアとして存在してきました。それぞれの端末機器が別々だったせいもあるでしょう。

 しかし現在は、それがすべてインターネット上で混ざり合っています。文字も音声も動画も、デジタルデータという点で違いはありません。だからネット上では同じように配信され、新聞のサイトで記事を読みながら横目でCM動画を見るようなことも起こります。SNSで気になるニュースのリンクをクリックしてから、それが新聞ではなくテレビの動画ニュースだとわかることも少なくありません。私たちはもうメディアを区別せず、すべてを「ネットのニュース」として受け入れているわけです。

 区別が消えたのはメディアだけではありません。前章でも述べたとおり、あらゆる業種で従来の境界線が消え去ろうとしています。

 たとえばJALの最大の競合相手は、同じ航空会社のANAでした。路線によっては、JRの新幹線や高速バスも競合します。しかし今後は、Uberや自動運転タクシーと戦うことになるかもしれません。その一方で、VRを活用した観光業や会議システムにマーケットを奪われる可能性もあります。つまり、これまでまったく無関係だと思われていた航空会社、Uber、VRという三者が、同じ土俵で戦うことになるかもしれないのです。

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シンギュラリティ・ビジネス

2020年代、AIは人間の知性を超え、2045年には、科学技術の進化の速度が無限大になる「シンギュラリティ」が到来する。そのとき、何が起きるのか? ビジネスのありかた、私たちの働き方はどう変わるのか?

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齋藤和紀

1974年生まれ。早稲田大学人間科学部卒、同大学院ファイナンス研究科修了。シンギュラリティ大学エグゼクティブプログラム修了。2017年シンギュラリティ大学グローバルインパクトチャレンジ・オーガーナイザー。金融庁職員、石油化学メーカーの経理部長を経た後、ベンチャー業界へ。シリコンバレーの投資家・大企業からの資金調達をリードするなど、成長期にあるベンチャーや過渡期にある企業を財務経理のスペシャリストとして支える。エクスポネンシャル・ジャパン共同代表、Spectee社CFO、iROBOTICS社CFO、Exoコンサルタント。

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