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老人一年生

2017.06.13 更新 ツイート

第2回

「おとーさん、80歳でも元気に働いている人はたくさんいるのよ」と残酷な娘(50歳)は言うけれど…副島隆彦

老いるとはどういうことか。5つの老人病(痛風、前立腺肥大、高血圧、頸痛(けいつう)・腰痛、慢性気管支炎)に次々襲われた著者64歳の体験記。著者は痛みにどう対処したのか。余計な手術ばかりする整形外科医と、長生き推奨医の罪も糾弾する痛快エッセイ。――『老人一年生』(副島隆彦著)

 

 若い人は残酷だ

 これは私の身近な友人から聞いた話である。50歳の娘が、80歳になる自分の父親が病気になったので、外国で結婚して暮らしているのに、わざわざ帰ってきた。その娘が、父親に向かって言ったそうだ。「お父さん! どうして寝込んでるの? 元気を出しなさいよ!」と病室に入ってくるなり、言って、かけ布団の上から体をバンバンひっぱたいた、というのだ。それは実の娘が父親を心底(しんそこ)、励まそうとして取った親身(しんみ)の行動だ。

 父親は最初のうちは、「うん、うん」と言って娘の言うことを聞いていた。ところが、娘が自分の体の痛みをちっとも理解してくれない。そのうち、あまりに、バンバン励ましの叩きをされるものだから、ついに嫌になって、横を向いてしまった。父親は、「もういいよ」「もうお前とは口も利きたくない」と小さな声で言った。これが真実の老人の姿である。

 娘にしてみれば、父親に寝込まれると、その看病の一部が自分の責任になる、と感じて、父親をバンバン元気づけ勇気づけるのである。「おとーさん。80歳でも元気で働いている人はたくさんいるのよ」と。実の父と娘の関係であっても、こうである。この50歳の娘には、80歳の親の体の痛みが理解できないのだ。ああ、まったく。

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老人一年生

5つの老人病(痛風、前立腺肥大、高血圧、頸痛・腰痛、慢性気管支炎)に次々襲われた著者・64歳の体験記。老化のぼやきと、骨身にしみた真実を明らかにする痛快エッセイ。

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副島隆彦

評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主催。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校教師、常葉学園大学教授等を歴任。政治思想、金融・経済、社会時事評論などさまざまな分野で真実を暴く。「日本属国論」とアメリカ政治研究を柱に、日本が採るべき自立の国家戦略を提起、精力的に執筆・講演活動を続けている。主な著書に、『属国・日本論』(五月書房)、『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社+α文庫)、『世界権力者 人物図鑑』『トランプ大統領とアメリカの真実』(日本文芸社)、『ヒラリーを逮捕、投獄せよ Lock Her Up!』(光文社)、『税金官僚から逃がせ隠せ個人資産』(幻冬舎)などがある。

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