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40歳から何始める?

2019.12.02 公開 ポスト

筋トレ、始めます。

おばちゃんの明るさ、名言に出会って心が健康になった【再掲】ペヤンヌマキ

20代でAV監督になり、30代で演劇ユニット「ブス会*」を立ち上げ、興味の赴くままに生きてきたペヤンヌマキさん(詳しくは、『女の数だけ武器がある。たたかえ!ブス魂』をどうぞ)。40歳をすぎて、もっと新たなことにチャレンジしたくなりました。そんな挑戦ライフが電子書籍『40歳から何始める?』となりました。発売を記念して、一部を抜粋してお届けします。

*   *   *

「カーブス」で知る加齢の明るい未来

加齢による体型変化など様々な要因から日常的な筋トレの必要性を感じ、女性だけの30分健康体操教室「カーブス」に通い始めた私。そこで、意外な方向の楽しみを見いだすことになります。

「カーブス」のいいところその(1) 若い子扱いされる

私は昔から年上の人と接するのが好きで、自分が後輩という立場でいるのが一番居心地がいいという性質でした。中学や高校で先輩たちが卒業して自分が一番上級生になるのが嫌でしたし、大学を卒業する時はこの先自分が後輩という立場になることはもうないのかと思うと寂しかったです。ところが社会に出てみると自分は新人で、先輩方がたくさんいました。まだまだ後輩という立場でいれました。

しかし40歳ともなると、仕事でもプライベートでも周りは後輩ばかり。先輩という立場で人に教えたりするのが苦手な私が、無理矢理にでも先輩づらせざるをえない状況ばかりが続きます。すると「若い子はいいね」とか「もう私は年だから」という言葉を自然と発してしまい、自分がずいぶんと年寄りになった気になってしまっているのでした。自分はもう若くないんだという自己暗示をかけてしまってる状態です。病は気からじゃないですけど、若くないという自己暗示によって老け込んでしまうということってあると思います。しかしそんな四十路女を若い子扱いしてくれる場所、それが「カーブス」です。

「カーブス」には下は20代から上は90代まで、幅広い年齢層の女性が通っています。店内には年齢別早見表が貼ってあり、20代から90代まで段階に分けて表示されています。それによると40代は8段階中、下から3番目なのです。その表を見るだけで、「あれ? 私ってまだ若いんだ」と感じます。

そして主な年齢層は60代~70代なので、たくさんの先輩方に囲まれることになります。「あなたまだ若いからお肌ピチピチねえ」「若いっていいわねえ」と四十路の私が言われるのです。この歳になって若い子扱いされる場所があるなんて驚きです。そんな場所に毎日通っていたら自然と、私ってまだ若いんだという自己暗示にかかり、心が若返るのです。

「カーブス」のいいところその(2) 毎日挨拶を交わす程度の知り合いができる

私のように独身でひとり暮らしで、仕事もフリーとなると毎日顔を合わせる人がいません。1日中家に籠って仕事をすることもよくあるので、誰とも会わない日が続くこともあります。人と全く会わないと不安になります。人付き合いが煩わしいという人にはちょうどいいかもしれませんが、私は基本的に人が好きだし、人とのふれあいからいろんなことを発想します。そんな、人に飢えた私に毎日顔を合わせる人を提供してくれる場所、それが「カーブス」です。

「カーブス」に通い始めて思ったのは、ただ毎日顔を合わせて挨拶だけする程度の人がいるということは、とてもいいなあということです。毎日顔を合わせる人がいるだけで安心感を得られるし、踏み込んだ会話をしないことで変なしがらみもなく、ほどよい距離感がいいのです。

通っているうちになんとなくお気に入りの人を作って、その人を見かけるたびに、今日もあの人と会えた、と日々の小さな喜びにするのも楽しいです。私のお気に入りは、いつもニコニコしている紫色の髪をしたお伽噺に出て来る妖精みたいなおばあちゃん。彼女に会えた日はラッキーな気持ちになれます。

それから、私と同世代くらいの金髪のボーイッシュな女性で、毎日同じ時間に通ってストイックに身体を鍛えている人。筋トレで鍛え上げられた身体のラインがとても美しく、私の憧れの存在です。彼女と少し会話ができた日はなんか嬉しい。個人的に会うような友達になるとかではなく、その場で会話するだけのちょっとした知り合い。そのくらいの距離感が心地いいのです。あそこに行けばあの人が頑張っていると思うと元気が出るし、通うのが楽しくなってきます。

学生時代に、お気に入りの先輩を作ってその人が見れたらラッキーみたいな感じで学校に行く楽しみを見つけていたのと似たような感覚です。

「カーブス」のいいところその(3)
生き生きとしたおばちゃん、お婆ちゃん=人生の先輩とたくさん出会える。

40歳になってしまったら、もうおばちゃん以外の何者でもなく、あとは年老いていくだけだから、明るい未来なんてどこにもないと落ち込んだ時期がありました。しかしどうでしょう。ここへ来ると生き生きとした素敵なおばちゃん、お婆ちゃんがたくさんいます。

おばちゃんには明るい未来がないなんて、年老いることが絶望的だなんて、なんと失礼なことを思っていたのだろうと自分が恥ずかしくなりました。おばちゃんになってもお婆ちゃんになっても、人生はいくらでも楽しめる。

ウエスト5cm細くなって着れなかった服が着れるようになったとはしゃいだり、筋肉がついて転ばなくなったと喜んだり、毎日通っておしゃべりするのが楽しかったり。おばちゃんにだって楽しいことがたくさんあります。というか、むしろおばちゃんのほうが楽しそうです。

人生の大先輩たちと一緒に輪になって運動していると、「人生いろいろ~おばちゃんもいろいろ~おばちゃんだっていろいろ咲き乱れるの~」という島倉千代子の歌声が脳内をリフレイン。とっても愉快なマイムマイムの輪の中で踊っているようなハイな気持ちになります。みんな毎日汗を流して、毎日楽しそうに生きている。私も生きて、こんなおばちゃん、お婆ちゃんになっていくんだ。リアルにそう思うことができるようになったのです。

そして最後に「カーブス」で小耳に挟んだ、あるお婆ちゃんの名言。

「死ぬ前の日まで、毎朝起きた時に、やることがあるということが大事なの」

こんな言葉が聞けるなんて、なんと素敵な場所なのでしょう。

というわけでなんだか「カーブス」のまわし者みたいですが、私にとっては、筋トレの効果以上に、この場所に通うこと自体が心を健康にしてくれる。いくつになっても通える場所があるっていいですね。

**

続きは、『40歳から何始める?』をご覧ください。

ペヤンヌマキ『40歳から何始める?』

筋トレ始めました。4時起き始めました。勉強始めました。デート始めました。内職始めました。そして、素っ裸で踊りました――。

20代でAV監督になり、30代で演劇ユニット「ブス会*」を立ち上げ、興味の赴くままに生きてきたペヤンヌマキさん。
40歳になり、さらに新しいことにチャレンジしたくなりました。
はりきって、挫折して、また奮起して。新しいことは、生活のなかにたくさん埋もれています。
一緒に真似してみたくなる、ワクワクドキドキの挑戦ライフ!

※本作品は、幻冬舎plusに公開された同名連載の第1回~第31回(2017年2月~2019年9月)に加筆修正し、構成したものです。

ペヤンヌマキ『女の数だけ武器がある。』

ブス、地味、存在感がない、女が怖いetc.…。コンプレックスだらけの自分を救ってくれたのは、アダルトビデオの世界だった。働き始めたエロの現場には、地味な女が好きな男もいれば、貧乳に興奮する男もいて、好みはみなバラバラ。弱点は武器にもなるのだ。生きづらい女の道をポジティブに乗り切れ!全女性必読のコンプレックス克服記。

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ペヤンヌマキ

1976年生まれ、長崎県出身。早稲田大学在学中に、劇団「ポツドール」の旗揚げに参加。卒業後はAV制作会社に勤務。現在はフリーの映像ディレクターとしてAVやテレビドラマなどを手がけるほか、演劇ユニット「ブス会*」主宰の劇作家・演出家として幅広く活躍中。著書に『女の数だけ武器がある。』がある。

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