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不寛容という病 バッシングが止まない日本

2016.12.09 更新

「電通過労自殺バッシングの裏にある日本人のメンタリティー」第1回

電通新入社員の過労自殺。責められるべきは、誰だ?岩波明

『他人を非難してばかりいる人たち ーーバッシング・いじめ・ネット私刑』の著者、精神科医・岩波明先生の、人気連載。
今回取り上げていただくのは、記憶に新しい電通の若手社員の自殺問題です。
この自殺の話は、何度聞いても胸が痛いです。
この件について、「残業100時間で過労死は情けない」と某大学教授がコメントしたことが“大炎上”しましたが、この炎上の裏には、日本人独特のメンタリティーが存在しています。今日から全3回で、岩波先生が斬り込みます!

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ツイッターに、死にたい気持ちを書き続けた若手社員

 再び、大手広告代理店の電通において若手社員の過労自殺が起きた。「再び」というのは、過去に似たようなことがあったからだ。
 第一の「電通事件」が起きたのは、1991年のことである。その時に自殺して亡くなった方も、今回と同様に、入社して間もない若手だった。あれから20年以上も経っているのにもかかわらず、電通という会社の体質はまったく変わっていなかった、ということになる。
 電通は、わが国最大の広告代理店であり、文系の大学生にとって“超”人気の企業である。もう30年以上も前の80年代のことであるが、東大文学部の知人が、何人も電通に就職したことを記憶している。
 当時はコピーライターがもてはやされ、「クリエイティブ」という言葉が殺し文句となっていた。「普通の」営利企業とは異なる、「文化的」な仕事に参加できるというイメージがあったことで、多くの学生を惹きつけていたようだ。
 広告代理店というと、新聞広告のコピーやテレビのCMを作成する会社というイメージを持っている人も多いかもしれないが、むしろ電通の本質は、仕切り屋(イベントプランナー)のようだ。
 一般の企業においても、地方の市町村が主催する公的な催しにおいても、企画立案から会場運営まで、電通の名前はひんぱんに見え隠れする。彼らの仕事は手馴れているが、と同時に多額の報酬を要求されるものであり、その実態はなかなか明らかにされないようだ。

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