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幻冬舎plus+編集部便り

2016.10.22 公開 ポスト

人はなぜ“苦しい恋愛”にハマるのか?中野信子(脳科学者)/二村ヒトシ(アダルトビデオ監督)

『すべてはモテるためである』『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』などの著作をはじめ、恋愛に悩む男女への深いアドバイスで人気の二村ヒトシさんの恋愛対談集『恋愛で暴走しないための技術』が電子書籍で発売になりました。対談のお相手は、アルテイシアさん、仲俣暁生さん、中野信子さんといった恋愛賢者たち。
恋愛に振り回されないための秘訣が満載の本書から抜粋してお届けます。
最後は、「パート3 二村ヒトシが中野信子に訊く『恋をする時、脳では何が起きるのか?』」
(*電子書籍は、Amazon Kindle、楽天Kobo、iBooks Store等の各電子書店でもお求めいただけます) 。

セックスは好きだけど重い女は嫌いな男の脳内

二村 ここまでをまとめると、「恋」とはドーパミンの分泌によって発生する報酬系の快楽であり、そもそもが中毒しやすいものであるという話でしたね。

中野 そうですね。恋は幸せになるための“エサ”に過ぎず、それだけを追い求めてしまうと依存症的に苦しむハメになり、幸せにはなれません。

二村 少し話は飛ぶんですが、僕はずっと「ヤリチン」の問題について考えているんですね。昔のヤリチンというのは女性が大好きで、女性を口説いている自分も大好きというイメージでした。

中野 いましたね〜、そういう人(笑)。

二村 でも、今のヤリチンってちょっと違ってて、彼らは女性に恋されている自分が大好きなだけで、相手の女性の内面はむしろ嫌っているように感じるんです。ストレートに言うと、「重たい女はウザい」と思いながらセックスをし続けている。

中野 それだと、女性はもちろん、彼ら自身も幸せになれないですよねえ。

二村 そうなんですよ。じつは他ならぬ僕自身にもそういう傾向がありまして……、それでずっとヤリチンの心理やメカニズムについて考えてきたのですが、中野さんの『脳内麻薬』を読んでいて驚いたのは、そこにも何と報酬系の快楽が関わっていたということで。

中野 はい、「バソプレシン」という脳内ホルモンのことですよね。これは“愛情ホルモン”であるオキシトシンに似た物質で、セックスの最中の男性の脳内で分泌され、相手女性に対する愛着を形成することが知られています。

二村 そのバソプレシンの分泌が少ない人が、浮気性の男性になってしまうと。

中野 ごく簡単に言えば、そうですね。エルサレムのヘブライ大学による研究によれば、脳のある部分にバソプレシンの受容体が少ない男性は、女性に対して無慈悲な行動を取る傾向にあることが指摘されています。

二村 すごい言葉ですよね……「無慈悲な行動」って。これを読んで以来、僕の中で「無慈悲」という言葉がマイブームです(笑)。

中野 つまり、共感能力が低い。相手の立場になってみたり、相手の苦しみを想像したりすることができず、利己的な行動ばかり取ってしまうんです。二村さんがおっしゃったヤリチン男性にも、おそらくこのタイプの人が多いんじゃないかなあ。

二村 「俺がいろんな女性とセックスして苦しくなっちゃったりするのは、脳の構造に問題があったのか!」って、個人的にかなり衝撃を受けました。共感能力が低いだなんて、人としてヤバいのではないかと……。

中野 でもね、そういう人間が生き残っているということは、つまりたくさん子どもを残せたということで、生存戦略としては正しいとも言えるんですよ。95%以上のほ乳類は、一夫一婦制ではないし、オスは子どもを作ったら逃げます。そっちの方がオスの生存戦略としては正しいわけです。

二村 ホント、身も蓋もないですね!

中野 だから、一概に間違っているとも言い切れない。まあ、メス側としてはちょっとつらいですが(笑)。


インチキ自己肯定は競争激化の産物!?

二村 このヤリチン問題には厄介なところがあって、こういう男性って、反省する機会に恵まれないんですよ。ヤリチンが自分を疑わずに済むようになっているのが今の社会なので。

中野 そうでしょうね。多くのメスを獲得することが優秀なオスの証になりますもんね。

二村 はい。だから、つい「俺はこれでいいんだ」と思ってしまう。これが女性だったらそうは思えませんよね。ここには大きな非対称性がある。このように、社会や仲間が許してくれることで「自分自身に深い疑問を持たないでいられる状態」を、僕は“インチキ自己肯定”と呼んでいます。
 

 ***
続きは、『恋愛で暴走しないための技術』でお楽しみください。
下記に目次もご紹介します。

パート1 

アルテイシアと二村ヒトシが語る
「オクテ女子のための恋愛指南」

■オクテ女子は非モテ男子を育てるべし!
■恋愛至上主義の両親を反面教師に!?
■非モテのオクテ独身男子は“ブルーオーシャン”
■乳首の感度も高めな20代男子に希望あり!?
■男は「受け力」を、女は「攻め力」を鍛えるべし!
■「レズビアンのリバ同士」みたいなセックスを推奨したい

パート2
仲俣暁生と二村ヒトシが叫ぶ
「今こそ、恋愛には『橋本治的陶酔能力』が必要だ!」

■30年の間に2度の復刊を果たした不朽の名作
■「橋本治とは○○である」と言い表せない幅広さ
■恋愛に必要なものは“陶酔能力”である
■王者とクイーンの気高きドッジボール対決
■「恋は戦い」ではなく、「戦いこそが恋」だ!
■恋愛の暴走を止め、恋愛の何たるかを教える

 

パート3 
二村ヒトシが中野信子に訊く
「恋をする時、脳では何が起きるのか?」

■人はなぜ“苦しい恋愛”にハマるのか?
■恋愛=快楽だけを得ようとする行為?
■脳の“建て増し構造”が生み出す苦しみ
■快楽と幸せはまったく違うもの!?
■セックスは好きだけど重い女は嫌いな男の脳内
■インチキ自己肯定は競争激化の産物!?
■男はまともな恋愛ができず、女は苦しい恋愛を繰り返す
■脳に電流を流すとセックスがうまくなる?
■「心」とは、非合理にして不完全な脳のユニット
■セックスする男たち、AKBを崇める男たち

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中野信子 脳科学者

一九七五年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授。著書に『脳内麻薬』、『ヒトは「いじめ」をやめられない』『サイコパス』などがある。テレビ番組のコメンテーターとしても活動中。

二村ヒトシ アダルトビデオ監督

アダルトビデオ監督。1964年六本木生まれ。慶應義塾幼稚舎卒、慶應義塾大学文学部中退。監督作品として『美しい痴女の接吻とセックス』『ふたなりレズビアン』『女装美少年』など、ジェンダーを超える演出を数多く創案。現在は、複数のAVレーベルを主宰するほか、ソフト・オン・デマンド若手監督のエロ教育顧問も務める。 著書に『すべてはモテるためである』、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(ともにイースト・プレス)、『淑女のはらわた 二村ヒトシ恋愛対談集』(洋泉社)『オトコのカラダはキモチいい』(共著/KADOKAWA)などがある。
公式サイト:http://nimurahitoshi.net/
twitter:@nimurahitoshi / @love_sex_bot

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