1. Home
  2. 生き方
  3. まわり道の愛し方
  4. 30代独身で中古マンション購入。後悔して...

まわり道の愛し方

2026.10.16 公開 ポスト

30代独身で中古マンション購入。後悔してる?ひらりさ(文筆家)

涼しい日が増えましたね。
ショッピングビルや百貨店のセールに釣られて、結局セール対象外のものを買ってしまう季節!
そんなわけで購入しました、「ルメール」のショートラップコート。
税込26万8400円。溜まっていたセレクトショップのポイントを使ったけど、それでも25まんえん……。
人生で買った服の中でいちばん高額でした。

 

この1〜2年、着々と、服1着にかける金額が上がっております。
おそらく、制服化スタイリスト・あきやあさみさんの『一年3セットの服で生きる』(幻冬舎)を読んでから。

誤解のないように言うと、ばんばんハイブランドを買いなさいという本ではありません。あきやさんのメソッドは「自分のなりたい自分像を明確化した上で、本当に良いと思う服だけを購入し、それに時間とお金をかけることで人生を充実させよう」という内容。あきやさんご自身は、1年365日以上を「1セット」の服で過ごしているのです。流行やらトレンドやらに振り回されて服を場当たり的に買って結局大して着ない……みたいな事態になったり、似合う服がわからずに迷走し続けて無駄に服を持っているけれど「似合う」服には出会えていない……といった悩みを抱えたりしている人には眩しすぎる生き方! コロナ禍のステイホーム下にファッションECでの衝動買い(当然試着なし)にハマってしまった私にとっても、まさに救世主のようなメソッドでした。あきやさんご自身が開講されている「自問自答ファッション教室」にも足を運び、「自問自答ファッション」門下として、自分の「好き」に寄り添ったワードローブ再構築に努めております。日々精進!

いやーさすがにコート26まん8400えんはビビりましたけど、着心地もフォルムも、これまで着ていたアウターと比べると段違いにすばらしい。日用品を超えてアートだなあ、と思います。早くお部屋のクローゼットにかけたい。クローゼットを整えるのが楽しくて、統一規格のハンガーも買っちゃいました。さよなら、クリーニング屋でもらったプラスチックハンガー……。

ああ、もう一つ思い出した。この1〜2年、服に対するこだわりが増したのは、広い家に引っ越したのも大きい。2LDKの広い中古マンションを購入し、フルリノベーションして、オープンクローゼットをつくったんですね。めっちゃくちゃ便利なのですが、「オープン」なぶん、気に入った服だけを整然と並べておく必要も増しまして……。良い服を少数精鋭で所持しようという思いが増したのでした(まあ、クローズなクローゼットもあるため、実際には選抜できていないのですが)。先日はあきやさんも推奨している「持ち物リスト」を1日がかりで作成。持っている服、カバン、靴を全てリストにしたのですが、「ときめかないモノ」がはっきり見えて、断捨離が進みました!

いやー大きい家って、たくさんモノを収容できるんですけど、置けば置くほど雑然とするんですよね。スペースがあるということは、散らかる場合の面積も小さい家より広いということなのだ。掃除のコストも高い。前回のエッセイで家事代行業者に助けを求めるはめになったのも、家が広いからでもあるのでした……。一人暮らしなのに60平米ありますからねー。

マンションを買おうと思い立ったのは、在宅勤務が主体となっていた2024年。当時住んでいたのは30平米ちょっとの1K賃貸でした。衣食住をやるだけなら十分な広さなのですが、そこに会社員としての在宅勤務&文筆家としての執筆業務までアドオンされた結果、刑務所の独房にでもいるような気持ちになり……。1LDK以上に引越ししようとして、家賃の高さにびっくり! いろいろ検討した結果、中古物件を購入してリノベーションすることに。その後の売りやすさなども考えて、60平米2LDKという間取りになったのでした。

60平米はね〜〜〜。ゆったりと暮らせて本当に最高! インテリアも遠慮せず置ける! しかし、独身だとちょっと心に隙間風が吹くときも……。あと、繰り返しますが、掃除は大変。猫がのびのびと走り回ってくれるのが救いですね。

また、全く住んだことのないエリアに家を買うというのはかなりの博打でした。ちょうど先日「5600万円のマンションを1ヶ月で売り、西荻窪の賃貸に舞い戻った話。」というnoteがSNSでバズっており拝読したのですが、この書き手の方は西荻窪から花小金井に物件重視で引っ越した結果、1ヶ月で西荻窪へのリターンを決意したとのこと。気持ちはかなりわかる。私も物件重視でエリアを決めたので、たまに「さすがに郊外すぎる!」「さすがに家族連れの街すぎる!」と叫びたくなる。そして、広い部屋に引っ越したからって、自宅ではなかなか仕事に集中できないことにも気づきました。在宅の日は必ず近所のカフェに行っている(ここのカフェの居心地がいいことが住環境を支えている……)。それだったらやはろ40平米くらいの家をもうちょっと都心に買った方が良かったかもな〜〜〜、と思ったりします。

さて、一応言うと、一生住むつもりでマンションを買ったわけではありません。「5年住んで同じ金額で転売できればトントンになる」ことを前提にエリアや物件を決めました。ということはまあ、5年後に転売しちゃってもいいのですが……2年ですでに「動きたい」気分になっている自分がいる! 独身とか以前に多動! まあ、家を売らずとも「貸し出す」という選択肢はありますので……。

そんなわけで「もう良い物件があったら引っ越しちゃおっかな〜」とSUUMOを眺めていたる今日この頃なのですが……。うちより良い物件、ない! あってもうちのローン返済額より高い! あっても狭小! やはり賃貸よりも購入(しかもフルリノベ)の方がクオリティ高い家住めるよな〜と再確認してしまっております。「独身が家買うと婚期を逃す」と言う噂もありますが……賃貸住んでいた頃は付き合ってくれない人間に執着してその人が通いやすい場所に家借りたりしてて、それはそれで不毛だったからな! 家を買ってしまったことで住む場所が他人軸にならなくなったのは、私にとっては良いことかもしれない。この2年、友達はたくさん呼んでいますが、付き合っていない微妙な関係の人間を入れたことは一度もございません。

実はポッドキャスト「まわり道の愛し方」のパートナーである綾も、ロンドンで中古マンションを購入しています。二人でお家トークした回を更新していますので、良かったらチェックしてみてくださいね!

後悔して引越し……と思いきや、持ち家のありがたみが増してしまった今日この頃でした。

【ひらりさと鈴木綾のポッドキャスト番組】

まわり道の愛し方(Spotifyへ)

関連書籍

鈴木綾/ひらりさ『いつか終わる恋愛の、人生への影響について』

マッチングアプリのずっと前から わたしたちは『商品』だったよね? 30代後半、ともに独身。 ロンドンと東京の会社員兼文筆家が 恋愛を考えるために往復書簡を始めた 「新年早々、失恋で寝込んだわたしが往復書簡を始める意味」(ひらりさ) 「恋愛に失敗なんてあるのかな?」(綾) 「わたしの恋愛には『人からどう見えるか』がいつもつきまとう」(ひらりさ) 「わかりやすい『性的魅力』にいいことはない」(綾) 「わたしの恋愛は、傷つけるほどの距離にならない」(ひらりさ) 「誰も教えてくれなかった愛するときに必要な『地味な仕事』」(綾) 恋愛で受ける傷、対等さへのこだわり、出産への迷い―― 他者と自分を愛する可能性を探った1年間の記録。

{ この記事をシェアする }

まわり道の愛し方

ひらりさ×鈴木綾によるポッドキャスト番組「まわり道の愛し方」連動連載エッセイ。

アイコンイラスト:WAKICO/題字:ニョグ

バックナンバー

ひらりさ 文筆家

1989年、東京生まれの文筆家。「劇団雌猫」メンバーとして、『浪費図鑑―悪友たちのないしょ話―』(小学館)でデビュー。女オタク文化からフェミニズムまで、女性と現代社会にまつわる文章を執筆。個人名義の著書に『沼で溺れてみたけれど』(講談社)、『それでも女をやっていく』(ワニブックス)、『友達じゃないかもしれない』(上坂あゆ美との共著/中央公論新社)、『まだまだ大人になれません』(大和書房)がある。

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP