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メイキング・オブ・『ビジネスパーソンのための「芸風」で書く技術』

2026.07.08 公開 ポスト

Perfumeのコールドスリープから考える、ビジネスに必要な「批評の眼差し」レジー(批評家・会社員)

7/29に刊行される『ビジネスパーソンのための「芸風」で書く技術』(リンク先はAmazonに遷移します)。当連載はこの本をより楽しむべく、完成までの裏側や本文の内容について著者の視点でセルフライナーノーツ的に語っていくものである。

Wikipedia情報になるが、この「ライナーノーツ」という言葉は「音楽レコードや音楽CDのジャケットに付属している冊子等に書かれる解説文」を指す。これをミュージシャン本人が書くと「セルフライナーノーツ」になるわけだが、基本的にこの単語はもともとは音楽業界の言葉だと言ってよいだろう。

自分はもちろんミュージシャンではないのだが、音楽好きが高じて音楽に関わる文章を書くことが仕事の1つになっていったこともあり、いろいろなものを音楽業界のメタファーで語りたくなるくせがある。ちょうど『「芸風」で書く技術』を執筆していた年初のタイミングでも、自分のnoteにこんなことを書いていた。

 

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「5枚目のアルバム」というよりは「4作フルレングスを出した後の企画ものミニアルバム」的な色合いもありますが、「実はスピッツだと『オーロラになれなかった人のために』が一番好きなんです」みたいな1冊になるといいなと思いながら作業を進めています(意味の分からない人は調べてください)。続報をお待ちください。
https://note.com/regista13/n/n1669d7f4ec62
(2025→2026 『東大生はなぜコンサルを目指すのか』とか、令和人文主義とか、今年出す予定の本とか)

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こういうものは「伝わる人にさえ伝わればよい」と思って書いているので野暮な解説にはなるのだが、

・今度の本は『夏フェス革命』『日本代表とMr.Children』『ファスト教養』『東大生はなぜコンサルを目指すのか』に続く5冊目
・エンタメ・社会批評としての4冊よりも実践的な側面の強い本なので、ちょっと位置づけが違う
・ただ、スピッツの企画ものミニアルバム『オーロラになれなかった人のために』のように、本線とは違う作品にも名作があり、今度の本もそういうものになるはず

ということを言いたかった。

今回の本のテーマとして「文章術」が真ん中にあり、それをテクニックに落とす架け橋として「芸風」という考え方を設定しているが、何かを説明する際にここまでの話のように音楽をはじめとするエンタメのあり方をモチーフにするのは自分の「芸風」の1つである。『夏フェス革命』『日本代表とMr.Children』はタイトルの通りだし、『ファスト教養』『東大生はなぜコンサルを目指すのか』でもそれぞれ1章まるごと現代社会の構造とエンタメのつながりについて論じることについて割いている。

今度の本は「ビジネスパーソンのための」と銘打っているが、自分が書く以上はこれまでの流れに倣ってエンタメのエッセンスを入れた話をしたいという思いは最初からあった。ではビジネスパーソンとエンタメをどう結び付けるか。そのマグネットとして機能するのが、批評についての考え方である。

作品やそれを生み出す人間の背景を読み解いて言葉にする批評という営為(「批評」の定義論については泥沼になるのでほどほどにしていますが本書内でも少し触れています)は、評論家が作文のために行うだけのものでは決してなく、ビジネスパーソンが会社で生き抜くためのツールとしても活用できる。そんな考え方を今回の本では具体例も交えながら解説している。例えばこのような感じである。

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具体例をもとに説明してみます。本書は2026年に刊行されていますが、その前年の2025年におけるわたしにとって特に大きな出来事だったのが、長年熱を入れて応援してきた3人組女性グループPerfume のコールドスリープ(活動休止)でした。ここではPerfume を題材に、「組み合わせ」「そもそも」を考えるプロセスを進めてみたいと思います。
Perfume について何かを書く場合、その楽曲について、あるいはメンバーについて、などいろいろなパターンがあり得ます。ここに「組み合わせ」「そもそも」をぶつけるとどんな展開が考えられるでしょうか。

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ビジネスパーソンのための文章に関する本でなぜ唐突にPerfumeの話が始まるのかについてはぜひ本書を手にとっていただきたいところだが、ここで触れている「組み合わせ」「そもそも」というのがいずれも今回の「「芸風」で書く技術」を定義づけるにあたってのキーワードの1つになっている。

文章を書くにあたって、どんなシチュエーションであってもその手前には何をどうやって書くか考えるプロセスがある。「結論からシンプルに書く」といった原則をどれだけ学んでも、それが自身の思考のあり方とつながらない限りは小手先のテクニックの域を出ない。

「組み合わせ」「そもそも」は文章を書く前段で考えるプロセスを研ぎ澄ますための切り口であり、本書における「「芸風」で書く技術」とはこういった考え方を体系的にまとめたものになっている。そしてその内容はエンタメ批評術というわけではなく、自分自身がカルチャーの現場と会社での仕事を行き来する中で常々思っていた「この2つって別に独立しているものではなくて相互に生かせるものがあるよね」という実感を体系化したものでもある。その全貌はぜひこちらの本書(リンク先はAmazonに遷移します)でご確認ください。発売日は7/29です。

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メイキング・オブ・『ビジネスパーソンのための「芸風」で書く技術』

7/29発売の批評家・会社員のレジーさんによる新刊『ビジネスパーソンのための「芸風」で書く技術』にまつわる新連載です。連載単体だけでなく、書籍の番外編としても楽しめる内容になっています。

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レジー 批評家・会社員

1981年生まれ。一般企業で経営戦略およびマーケティング関連のキャリアを積みながら、日本のポップカルチャーについての論考を各種媒体で発信。著書に新書大賞2023入賞作『ファスト教養10分で答えが欲しい人たち』(集英社新書)のほか、『増補版夏フェス革命―音楽が変わる、社会が変わる―』(blueprint)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア、宇野維正との共著)、『東大生はなぜコンサルを目指すのか』(集英社新書)。

X(旧Twitter) : @regista13。

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