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勝手に!裏ゲーテ 街場の旨いメシとBar

2026.07.18 公開 ポスト

#76

君はリアルサムライを見たか? 福島浜通り編相場英雄

使用機材FujifilmXT30

皆さんは、相馬野馬追(そうまのまおい)という言葉を聞いたことがあるだろうか? 相馬野馬追は、一千年以上の歴史を持つ一大伝統行事だ(https://soma-nomaoi.jp)。

平将門が関東一円を統治していた約一千年前、臣下の侍たちに野生の馬を捉えさせた軍事訓練が起源とされる。その後は、福島県の太平洋岸を治めた相馬氏一族がこの訓練を継承し、現在も年に一度開催される。

相馬野馬追のメーンイベント、甲冑競馬。先祖から伝わる装束をまとい、人馬一体で全力疾走。
ベテラン武者たちも古式由来の装束で祭りを見守る。
映画のセット、衣装ではない。これぞリアルサムライ。

私がこの祭りと直接のつながりを持ったきっかけは、二〇一一年に発生した東日本大震災だった。

原発事故の発生とともに、南相馬市の皆さんが私の郷里に避難され、それがご縁で同市の何人もの市民の方々との交流が始まった。

その後、私はほぼ毎年、福島県の太平洋側の地域、通称・浜通りを訪れるようになった。

 

私は新潟県の生まれで、子供の頃から頻繁に福島県を訪れていた。このため、震災発生、その後の原発事故はとても人ごとではなく、何かできることはないかと考え続けてきた。同年以降、原発事故後の立ち入り規制が緩和されるたび、同地を訪れ、ルポを書き、その後は浜通りを舞台にした小説を二作上梓した〈『血の滴』(幻冬舎文庫)、『リバース』(双葉文庫〉。

多くのメディアが取り上げているので詳細は割愛するが、私自身の楽しみは、現地で知り合いに会える事、そして一〇年前はまだ中学生や高校生だった若武者たちが、立派な青年となり、行事を支える中心メンバーに成長した姿を見ることなのだ。

広大な専用馬場で開催される祭りへのアクセス方法は公式サイトを参照してほしいが、勇壮な武者たちの姿を間近で、自分の目で見ることで、テレビニュースや新聞で報じられるよりも、リアルな息づかいを体験できる。

南相馬市の専用馬場。数万人の観客が詰めかける。
騎馬隊が集まると、圧巻の光景が広がる。かつて武者たちはドラマや映画の合戦シーンにも出演。
甲冑競馬の一コマ。旗がなびく音、蹄の音、是非会場で体感してほしい。

野馬追に参加する地元民の多くは、先祖伝来の甲冑や装束を纏い、互いに交わす言葉も伝統的な武士の作法に則ったものだ。

騎馬隊を目にして、観光客は興奮してはいけない。観戦には独特の作法がある。例えば、武者行列の前を横切ってはならない(「無礼者!」と大声で叱責される)。

また馬の背後に回ってはいけない(驚いた馬に蹴られるリスクが増大)……多くの作法は公式サイトを参照あれ。

浜通りへのアクセスは正直なところ便利とは言い難い。鉄道、バスなど公共交通機関の利便性は低く、自家用車やレンタカー、あるいは観光バスのツアーなどが主流となろう。だが、一目騎馬隊を見れば、そんな苦労も吹き飛ぶこと請け合いだ。近年はリアルなサムライたちの姿を見ようと、海外からのファンも増えている。

日本文化、とりわけサムライ、武者などのキラーワードに反応し、インバウンド客が増加しよう。その前に、一度、相馬野馬追を体験してもらいたい。そして、会場に集った武者たちのイベントにかける意気込みを実感してほしい。

さあ、来年はどの場所から武者たちの姿を観戦するか。今から楽しみで仕方がない。

甲冑競馬を終えた武者たち。馬の息遣いがすぐそばで聞こえる。
華やかな装束を見るだけでも楽しい。
浪江町の〈道の駅なみえ〉、名産の請戸のシラスと常磐ものの肉厚ヒラメの海鮮丼。めちゃくちゃ美味い。

 

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食い意地と物欲は右に出るものがいない作家・相場英雄が教える、とっておきの街場メシ&気取らないのに光るBar。高いカネを出さずとも世の中に旨いものはある!

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相場英雄

1967年新潟県生まれ。元時事通信社記者。主な著書に『震える牛』(小学館文庫)、『血の轍』、『KID』(ともに幻冬舎文庫)、『トップリーグ』  『トップリーグ2/アフターアワーズ』(ともにハルキ文庫)。近著は『血の雫』(幻冬舎文庫)、『レッドネック』(ハルキ文庫)、『マンモスの抜け殻』(文藝春秋)、『覇王の轍』(小学館)、『心眼』(実業之日本社)、『サドンデス』(幻冬舎)、『イグジット』(小学館文庫)『ゼロ打ち』(角川春樹事務)、『マンモスの抜け殻』(文春文庫)。『覇王の轍』(小学館文庫)、『浸潤』(別冊文藝春秋連載中)

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