
水曜の朝八時。荻窪駅からJR中央線を、新宿方面ではなく立川・八王子方面へと向かう。家の間隔が次第に広がっていく車窓の風景を眺めながら、わたしは「高尾山には登ったことあるよね?」と、ずっとぐるぐる考えていた。
わたしは登山サークルの幹事長だったから、都心からアクセスの容易な高尾山には恐らく登っているはずだ。しかし当時は「低山なんて」と思っていたのだろう、その山の記憶だけがぽっかりと抜け落ちている。
さて、電車は高尾駅に着いた。そこから京王線に乗り換え、京王線のホームの上から高尾の街を見渡しても、胸に去来する思いは何もない。高尾山口駅に到着しても、駅舎がモダンに改装されすぎて、はじめて降りる駅としか思えなかった(木のファザードを見てそう思ったが、あとから調べるとやはり隈研吾のデザインだった)。
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本屋の時間

東京・荻窪にある新刊書店「Title(タイトル)」店主の日々。好きな本のこと、本屋について、お店で起こった様々な出来事などを綴ります。「本屋」という、国境も時空も自由に超えられるものたちが集まる空間から見えるものとは。














