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次元上昇日記

2026.02.18 公開 ポスト

2026年2月16日 パンダイベント辛酸なめ子

パンダがいなくなった今年も上野公園で「ウエノデ.パンダ春節祭2026」が開催されました。「“食・音楽・パンダ”を楽しむフェス」で、ブースで買ったり食べたりしながら、ステージのアイドルのパフォーマンスを眺めると言うユルいイベント。体調があまり良くなかったのですが、パンダの写真でも見て癒されたいと思い訪れました。

会場の各所には各国にいる人気のパンダの写真の幟がありましたが、日本の和歌山や上野出身と書かれているパンダはたくさんいるのに、今日本にいるパンダはいないという事実が改めて胸に迫ります。例えば「秋浜」が「広東深セン野生動物園」の所属と明記され、プロフィールにはさらっと「和歌山生まれ」と書かれていて、アドベンチャーワールドに暮らしていたことを思い出したり。「陽浜」も今は四川成都動物園にいますが、和歌山アドベンチャーワールド出身です。幟の中では、世界で唯一の茶色いジャイアントパンダ、七仔(チーザイ)も目立っていました、

和歌山出身の陽浜の幟。
アドベンチャーワールドの双子パンダかわいかったです。
お兄さんの海浜とは中国で離れ離れに……。

毎日パンダのブースもあり、しばらくしたら上野動物園から戻ってこられたらしい高氏さんがブースにいてお客さんに囲まれていました。パンダのヴァイブスを感じました。

パンダグッズのお店もいくつかあって、
ハガキなどをつい大人買い。左上はシャンシャンフォトブックです。

中国のスターパンダたちの写真を展示しているブースがあり、その中でもやはり群を抜いてかわいく見えるのが日本出身のシャンシャン、シンシン、リーリーです。

2017年、シャンシャンが無事に生まれるように動物園の近くに行って念を送っていました。私にとってもかわいさがひとしおなのはシャンシャンです。

そのシャンシャンの中国で出版された写真集を発見。高氏さんと中国の写真家が撮影した、日本と中国での姿、そして暮らしぶりなど綴った成長記録のテキストが納められています。

表紙の「香香姫の0歳から6歳までの成長を完全記録」「中国帰国後の新しい生活が明らかに」というフレーズに惹かれて購入。今、日中間の飛行機が減便されていて実際にシャンシャンに会いにいくのは大変です。約3000円の写真集を買って、思いを馳せたいです。

ちなみに内容は全部中国語なのでGoogle自動翻訳でちょっと読んでみました。

動物園飼育員 趙蘭蘭さんの貴重なコメントが収録されていました。

Q: シャンシャンの現在の日常はどのようなものですか?

趙:シャンシャンの日課はとても規則的です。彼女は午前9時に餌場にやって来ます。

餌探しの後、彼女は山の中で安心して遊んだり休んだりできる場所へ行きます。そして時々午前11時頃に補助的な餌を探しに戻ってきます。午後2時頃には山から降りてきて補助的な餌を探し、午後4時頃にはまた補助的な餌を探しに来ます。私たちはシャンシャンに毎日、蒸しトウモロコシパン1kg、リンゴ200g、タケノコ5kg、生の竹20~30kgを与えています。

とのことで、かなり充実した食生活をしているようで安心しました。

Q: シャンシャンが中国に帰国した後の最初の数日間はどのような行動をとっていましたか?

趙:シャンシャンは生まれつき臆病で、音にとても敏感です。新しい環境に慣れるのに時間がかかります。綿密な準備をしたにもかかわらず、彼女のストレス反応は依然としてかなり強かったのです。到着した日の夜は何も食べず、ただ……実は、新鮮な竹とタケノコを用意していたんです。シャンシャンのストレス反応を最小限に抑え、新しい環境に早く適応できるようにしたいと考えていました。

ー中略ー

2023年2月22日の朝、私は檻の外側に到着すると、シャンシャンが不安そうに檻の中を歩き回り、荒い呼吸をしているのが見えました。この状態は2月23日まで続きました。あの頃は私にとって最も辛い日々でした。シャンシャンを助けたいと思っていましたが、私には何もできませんでした。結局のところ、これは彼女が乗り越えなければならない試練だったのです。シャンシャンのストレス反応を軽減するために、私は檻の外に静かに立ち、彼女を見守り、寄り添い、そして静かに励ますことしかできませんでした。

急に家族とも離れて、上野とは全く違う環境に置かれ、辛くて寂しかったシャンシャンを思うと胸がつまります。でも、その辛さをシャンシャンは自分で乗り越えたんですね。繊細だけれど実は強いシャンシャンの姿に感動しました。

それから飼育員さんは愛情を込めて話しかけることで信頼関係を築いていったようです。

趙:2月23日の午後から、シャンシャンの檻に入るたびに、名前を繰り返し呼び、優しく話しかけるようにしました。シャンシャンを驚かせないように、あまり言葉による刺激は与えませんでした。すると、シャンシャンの食欲は徐々に増していきました。シャンシャンは甘いものが好きなので、2月24日に補助食としてリンゴを与えましたが、食べてくれませんでした。

そこで、リンゴを細かく切って竹串に刺して与えながら、言葉で優しく慰めてみました。すると案の定、シャンシャンはリンゴを丸ごと食べてしまいました。竹串を使ったのは、安全を確保するためと、一定の距離を保つことでシャンシャンのストレスを軽減するためという2つの理由があります。竹串でリンゴを与えることに成功した後、シャンシャンの好物を細かく切って少しずつ与え、優しく撫でながら言葉で慰めながら与えるという、より信頼に基づいた方法に変えました。

言語の意味はわからなくても、言葉の持つ波動とかフィーリングは感じ取っているようです。パンダの繊細さや賢さがわかるコメントでした。

シャンシャンが中国に行ってしばらくして写真を見たら痩せているように見えて心配したのですが、いまではふわふわした姿に戻り、自然豊かな環境で快適に暮らしているようで老婆心ながら安心しました。

上野の街はまだしばらくパンダ推しで行けそうな可能性を感じたイベントでした。

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次元上昇日記

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バックナンバー

辛酸なめ子

近著に「スピリチュアル系のトリセツ」(平凡社)、「電車のおじさん」(小学館)、「無心セラピー」(双葉社)、「新・人間関係のルール」(光文社新書)、「女子校礼讃」「辛酸なめ子の独断! 流行大全」(中公新書ラクレ)など。

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