イギリスで使われるスラング“nick”の意外な正体
He’s in the nick.
イギリス人YouTuberの動画を見ていたら、そんなフレーズが出てきました。そのチャンネルでは数名がだらだらお菓子を食べながら、イギリスのスーパーで売っているお菓子のなかでどれが一番好きか決めるという、ゆるいものでした。
「このお菓子のCMに出ていたあの俳優、最近見ないけどどうしたのかな」というようなことをひとりが言ったのちに、この“He’s in the nick.”が出てきたのです。
直訳すれば「彼はニックのなかにいる」となります。ニックってなんだか人の名前っぽいし、ニックさんの家にいるということなのかなと思ったのですが、それを聞いた他のメンバーがなんだか渋い顔をして黙ってしまいました。
nick=警察署、または刑務所
調べてみたら、スラングでそういう意味があるそうです。
この場合はおそらく「刑務所」の方の意味かと思われます。かつて、CMに出るほどの人気俳優だったのに、なにかしら事件を起こし捕まったのでしょう。メンバーの渋い顔がそれを物語っています。
もう少し調べてみると例文がたくさん出てきました。
I saw someone steal a car, so I had to go to the local nick to make a statement.
(クルマを盗んでいる人を見たから、地元警察署に証言しに行かないといけなかった)
He was taken to the nick for questioning.
(彼は事情聴取のため警察署に連れて行かれた)
本来nickとは、凹みや傷、破れた箇所、切り込み、といったような意味の名詞です。なぜスラングでは「警察署」になるのかよくわかりませんが、「切り込み」になにかをひっかけて「捕まえる」ようなイメージでしょうか。実際にnickを「逮捕する」という動詞としてこんなふうにも使えるそうです。
The police nicked him last night.
(警察が昨夜彼を逮捕した)
他にも、“Someone nicked my bike.(誰かに自転車を盗まれた)“というように、「盗む」の意味でも使われることがあるそうです。
イギリスのロンドンを中心に使われるスラングとのことで、アメリカで“He’s in the nick.”と言ってもまったく通じないみたいです。
今年は久しぶりにイギリスにも旅行に行ってみたいなと思っています。警察にお世話になるようなことには巻き込まれたくありませんが、落とし物をしてしまった場合も行くのはnickでしょうから、なんとなく覚えておこうかなと思います。といってもスラングなので、私がnickを使うと「サツはドコですか」と突然外国人が言い出すくらい奇妙でしょうから、自分で使う場合はPolice Stationと言うと思いますが。
* * *
※この記事はWeb版GOETHEに掲載された記事を再編集したものです
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35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。
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