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パリジェンヌの“好き”にこだわるおしゃれと暮らし

2025.12.24 公開 ポスト

流行よりも着こなしにこだわるのがパリジェンヌ流。ファッションデザイナー・オレリーの「好き」を貫く装いと暮らしトリコロル・パリ/Marine Shimoyama

いつの時代も、自由で洗練されたイメージがある“パリジェンヌ”。彼女たちに共通するのは、流行に左右されず自分の“好き”に正直にものごとを選んでいるということ。

発売中のエッセイ『パリジェンヌの“好き”にこだわるおしゃれと暮らし』では、フランス在住25年の人気ユニット、トリコロル・パリがパリジェンヌ12人に取材を行い、ファッションやインテリア、お気に入りアドレスなどリアルな暮らしをご紹介しています。パリ在住の日本人イラストレーター、まりんさんの鮮やかなイラストもたっぷり掲載された本書から、試し読み記事をお届けします。

*   *   *

ディテールにちょっとひねりを利かせた着こなしが得意なデザイナー

ソニア・リキエルのもとで経験を積み、そこで出会ったスコットランド出身のエイプリルと共に、LA FETICHE というブランドを2017 年に立ち上げたオレリー。ヴィヴィッドなカラーと独特なフォルムが可愛いニット、マニッシュなジャケットに甘めなブラウスを合わせた個性的なスタイルは、おしゃれ界隈で知る人ぞ知る存在です。自身のブランドを手がけるかたわら、A.P.C. をはじめとするフレンチ・ブランドのコンサルタントも務めています。

「服が大好き!」という気持ちが伝わってくるオレリーの着こなし。
特にお気に入りのLAFETICHE のケーブルニットは、襟ぐりにコードが付いているのが
ポイント。黒のクロップドジーンズとMargiela のタビブーツは彼女の定番。

Profile

名前:オレリー・フォレスティエ

職業:LA FETICHE 共同創業者、デザインディレクター

年齢:46 歳

住まい:パリ3区でパートナーと2人暮らし

LA FETICHE

lafetiche.com

@studio_lafetiche

屋根裏部屋で見つけた母の衣装箱がおしゃれの原点

ノルマンディー地方の小さな町で生まれ、ファッションとはあまり縁のない環境で育ったオレリーでしたが、絵を描くのが好きだったこと、そして、おしゃれな母親の影響もあり、11 歳のときにデザイナーになるという夢を抱きました。屋根裏部屋にあった衣装箱をまるで宝箱のように開いては、お母さんが1970 年代に愛用していた服を何時間も眺めて過ごすような子供だったそう。

オレリーにとって、服やジュエリーは単に着飾るものではなく、記憶と結びついた大切なオブジェであり、本や雑誌、食器、インテリア、家具にもその信条が貫かれています。それを物語るかのように、彼女のアパルトマンには、ひとつとしてストーリーを持たない品はないのです。

 

洋服をジェンダーレスに楽しむコツがたくさん

- 仕事の打ち合わせ –

・ジャケット、パンツ、インナー(LA FETICHE)
・スニーカー(BALENCIAGA)

コンサルタントを務めるクライアントとのアポには自身のブランドが得意とするメンズライクなピンストライプのテーラードジャケットとパンツのセットアップでのぞみます。堅くなりすぎないよう、インナーにはネオンピンクのボディトップ、足元はBALENCIAGAやNew Balance のハイテク系スニーカー、そしてパンツはラフにロールアップするのがオレリー流。あくまでもハズしのテクであることがわかるよう、特にスニーカーのブランド選びは大切。

 

- 友人とのランチ –

・ニット、ブラウス(LA FETICHE)
・ジーンズ
・メリージェーン(Alaïa)

ジーンズは、ほぼ毎日穿いているという彼女の定番アイテム。ざっくり感が可愛いシェットランドウールのセーターは、どんな着こなしにもはまるシンプルなデザインですが、カジュアルになりすぎないよう、インナーには上質なシルク素材のフリル襟が付いたブラウス、足元はハイブランドの靴を合わせておめかし。TPO によってヒールのある靴や、夏はBirkenstock のサンダルにすることも。マニッシュとガーリーの甘辛ミックスが絶妙なコーデです。

 

オレリーの部屋

オベルカンフ駅がすぐ目の前という、にぎやかな界隈のアパルトマンでパートナーと暮らすオレリー。玄関に映画館から譲り受けた古い椅子が置いてあったり、本のタイトルをあえて見せないよう背表紙を奥に、ページを手前に見せて並べた本棚があったり、入った瞬間に、彼女のこだわりを感じます。物、色、形に強く惹かれるので、それらが響きあうようなストーリーや空間を作ることが好きだと言う彼女は、本や雑誌、訪れた場所などからインスピレーションを受けて、部屋に置くものは、作り手の温かみが感じられ、本能的に良いと思うものを選んでいるそう。お気に入りの場所は、アート書籍が並ぶダイニングで、仕事用のデスクがある部屋もあるけれど、いつもだいたいダイニングの大きなテーブルで過ごしています。

リビングの棚

ダイニングと繋がっているリビングには、コレクションしているガラスの花瓶やオブジェを、美しいグラデーションを描くように色ごとに飾っています。花も好きで定期的に近くのマルシェで買うことがほとんど。包み紙が嫌いなので、花束をそのまま抱えて帰り、色々な花瓶に挿すのが楽しみ。自分で育てるのは苦手なので、鉢植えではなく切り花が多いです。

 

お気に入りのランプ

アパルトマンが全体的に暗いこともあり、大好きなランプをたくさん置いています。縞模様の個性的なランプは、30 歳の誕生日にプレゼントされたもの。そのときのサプライズパーティーのテーマがウィリアム・クラインの1966 年の映画『ポリーマグー お前は誰だ?』だったので、白黒のしましまのオブジェをもらいました。ほかにも、Artemide の「ショーグン」やカスティリオーニ兄弟の「スヌーピー」もあります。

 

 

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パリジェンヌの“好き”にこだわるおしゃれと暮らし

フランス在住25年、著書多数の日本人ユニット「トリコロル・パリ」が取材!パリジェンヌ12人のお気に入りのルックやワードローブ、インテリア、スキンケアなどリアルな暮らしを紹介したエッセイ『パリジェンヌの“好き”にこだわるおしゃれと暮らし』が12月24日に発売となりました。Marineさんのシックで鮮やかなイラストとともに、試し読み記事をお届けします。

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トリコロル・パリ

フランス在住25年の日本人ふたり組(荻野雅代・桜井道子)が2010年に立ち上げたパリとフランスの情報サイト。サイトやSNS を通じて、おすすめブティックやレストラン、イベントなどの観光情報はもちろん、フランスのニュース、パリの天気を毎日の服装で伝える「お天気カレンダー」など、独自の目線でフランスの素顔を届けている。著書に『フランスの変わらないもの、変わっていくもの』(大和書房)、『フランスの小さくて温かな暮らし 365 日─大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』『明日、パリを歩くなら─何度でも迷い込みたい小道のお話』(ともに自由国民社)、『ぎゅっと旅するパリ 暮らすように過ごすパリ』(世界文化社)、そのほか語学書や訳書、雑誌などでの連載も多数。

Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住のイラストレーター。アパレルブランドのPR を経て、2006 年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、2011 年よりイラストレーターとして活動中。フランスと日本で、アパレルやインテリア、フードなど、さまざまな分野のイラストを手がけている。

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