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エナフンさんの推し活株式投資

2025.12.20 公開 ポスト

日経平均12,000円で迷ったあの読者が、10年後「1億円超えました」と言った理由会社員投資家・奥山月仁(エナフン)

2013年頃のことだと思うのですが、ブログの読者さんから次のようなメッセージをいただいたことがあります。

「日経平均株価もずいぶん上昇し、今や12,000円を上回っていますが、こんなタイミングで株式投資を始めてしまっても、うまく行くものなんでしょうか?」

 
(写真:iStock.com/chachamal)

2025年11月末現在、日経平均株価は50,000円を超えていますので、このメッセージをいただいた12年前に株式投資を始めておけば、大抵の場合はうまく行きました。今、この記事を読んでいる皆様の中には、最近株式投資を始めたか、あるいは、これから株式投資を始めようと考えている人もいらっしゃると思いますが、そういう人にとっては、「私もその頃に株式投資を始めたかった……」と思えるような、最高の投資タイミングでした。

しかし、当時の投資家にとっては、2008年のリーマン・ショック以降、株価は低迷を続けており、2011年には東日本大震災などもあって、約4年もの間ずっと、日経平均株価は10,000円を挟んで行ったり来たりを繰り返していたのです。そうして、政権も変わり、期待感も高まって、リーマン・ショック以降、初めて12,000円を超えたのですが、多くの個人投資家にとって、この上昇の持続性については半信半疑だったのです。

この方に限らず、「株式投資を始めたいのですが、いつ始めるのが良いでしょうか?」といった質問を受けることがあります。そういう時、私は決まってこう答えます。

「今、買いたいと思えるような有望株が存在するのであれば、下手にタイミングを計るのではなく、すぐに買っておくと良いでしょう。数日あるいは数か月という単位で見れば、一時的に含み損を抱えることもあります。しかし、数年単位で見れば、その程度の変動は誤差の範囲だと気づくことでしょう」

もし、業績が順調に伸び続ける有望株を見つけることが出来たなら、おそらく、その会社は5年とか10年とかという歳月をかけて、5倍とか10倍とか、あるいはそれ以上の大上昇をする可能性があります。

(写真:iStock.com/moonrise)

そのような有望株を、1割や2割程度、高く買うも、安く買うも、そんなの大した問題ではないのです。そんなことよりもずっと大事なことは、そんなすごい会社を見つけたにもかかわらず、買いそびれないこと。と言えるのです。

この考えの確信を得たのは、ある夢を見たことがきっかけでした。

 

私は早朝にブログを書くことが多いのですが、その夜も、「明日はどんなブログを書こうかな?」等と考えながら寝てしまいました。

夢の中で、私はうっかり神々の世界で開かれる屋外パーティーに迷い込んでしまいます(まぁ、夢の話ですから、怒らずに読んでやってください)。ところが、(当たり前のことですが)私に神様の友人はおらず、仕方なく、一人でソファーに腰掛けることにしました。すると、同じソファーに珍しいクワガタムシが一匹とまっているのです。

「こんなところにクワガタムシがいる、よし、捕まえてやろう」

そう思ったのですが、周りの神々の目もあるので、

「はて、捕まえていいものか? 捕まえるべきではないのだろうか?」

そんなことをいろいろ思案して捕まえるのを躊躇していました。そうこうしているうちに、そのクワガタムシはパッと羽を広げ、急に飛び立ってしまったのです。それは、一瞬の出来事でした。一度、大空に飛び立ったクワガタムシを捕まえるのは容易ではありません。

「しまった。そこに留まっているうちに、サッサと捕まえておけばよかった……」

(写真:iStock.com/photolife95)

これ、株式投資でもよくあるんですね。とても有望な銘柄を見つけているのに、「そのうち、下がるんじゃないか」とか「どうせなら、安く買ってやろう」とか、変な下心が出て買いそびれているうちに、ある日突然、強気相場がやってきたり、あるいは上方修正や自社株買いなんかの好材料が飛び出したりして、あっという間に株価が3割も5割も上昇することがあるのです。

1,000円以下で買おうとしたものが、1,300円とか1,500円とかまで上昇してしまうと、なかなかその株を買うことは出来ません。「ああ、あの時、買えばよかった。」そんな後悔ばかりが残るのです。

本当は、仮に3割やそこら上がってからであっても、5倍も10倍も上がる有望株であれば、そこから買い向かったって十分に儲けることができるのですが……。

ちなみに冒頭の日経平均株価が12,000円を超えた時に質問をくれたブログの読者さんからですが、その後10年ほどして再びメッセージをいただきました。

「お陰様で、私のようなものでも財産が1億円を超えました。ありがとうございました」

私はリーマン・ショックの直前という最低・最悪のタイミングでブログを始めました。その後も、相場は何度も何度も急騰と急落を繰り返します。

しかし、長い目で見れば、株を買うべきではない、という期間は存在しませんでした。

変にタイミングを計るのではなく、常に有望株を探し続けるという姿勢が大切なのです。

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エナフンさんの推し活株式投資

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会社員投資家・奥山月仁(エナフン)

会社員投資家。高校2年から株式投資を始め、投資歴は30年以上。
大阪大学経済学部で証券理論を専攻。卒業後は大手企業に就職し、堅実なサラリーマン生活を営むかたわら、ピーター・リンチに倣い、成長株に中長期で投資して数億円の資産を築く。
2008
年から、株式投資の正しい知識を広める目的でブログ「エナフンさんの梨の木」を開始。
資金100万円からスタートし、投資成績を日々ブログで公開。それから17年後の20257月末には40倍以上に増えている。
著書に『個人投資家入門 by エナフン』『普通の人だから勝てる エナフン流株式投資術』『普通の人でも株で1億円! エナフン流VE投資法』(いずれも日経BP)などがある。
2025
7月には、『株小説 エビ銀 路地裏の大投資家が教えてくれたこと』(日経BP)を刊行。

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