会社員としての私の取引先に、二代目社長の手腕が優れていて、大成功している地方企業があります。冒頭で「会社員の私」としたのは、私の収入は会社員としての給料、株式投資家としてのキャピタルゲインや配当、そして、今こうして書いているネット配信記事や、本を書いて得られる副収入の3つがあるためです。
何が本業ですか?と聞かれると、ちょっと悩んでしまうわけですが、一番時間を使っているのは会社員。一番儲かっているのは株式投資。一番、自分らしいと感じているのが執筆業と、それぞれ目的が異なるし、会社員としての知識が、株式投資や執筆に役立つし、株式投資の知識が、会社員としての仕事や執筆に役立つため、これらは3つにして1つと言えるのです。
さて、話が飛んでしまいましたが、元に戻して、その二代目社長。10年ほど前に創業者である父親を病気で亡くし、その事業を継いで、現在では飛躍的に経営を拡大している凄腕社長さんです。その方と会食した際、株式投資に話題が移り、彼の投資先や今悩んでいることなどを聞く機会がありました。少し話を聞けば、すぐにこの人の投資力が理解できます。
「〇〇社長、あなた経営手腕は抜群なのに、投資レベルはド素人級ですね……」
友達みたいな関係ですので、少々失礼な表現となりましたが、いくら経営者として優れた方でも、株式投資も同じように行くとは限りません。
この記事を読まれている方の中には、会社員や経営者としてずいぶん成功されている方もいらっしゃるでしょう(株に興味がある人は既にそれなりの財産を築いている人が多い)。あるいは、行政や医療、若い方なら受験やスポーツ、ボランティア等で何かしらの実績を積まれている方もいらっしゃるでしょう。それらの体験から得られる、様々なヒントをうまく投資に活かすことが出来れば、大儲けできる。そういう記事をこれまで書いて来ました。が、それらの分野で変に成功してしまった体験が、逆に罠のようになってあなたを苦しめる点には注意が必要です。株式市場では何の役にも立たない別分野での成功体験なのに、その体験があなたを自信過剰に陥れ、ド素人であるにもかかわらず、リスクの高い大勝負にあなたをいざなうのです。
スポーツにせよ、ゲームにせよ、いわゆる勝負事の世界では、大抵の場合、実力に応じて、リーグや大会が分かれています。プロのサッカーリーグなら、J1、J2、J3と実力に応じてランク分けされており、さらにその下にアマチュアリーグがつながっています。将棋や囲碁もプロとアマチュアで分かれており、それぞれに段位が設けられ、実力拮抗者同士で腕を磨きます。そうしないで、素人レベルとプロが同じ土俵で勝負をしても、全く試合にならず、お互いに時間の無駄となってしまうからです。
ところが、株式投資は違います。いざ市場に参加してしまうと、全くの初心者がいきなり百戦錬磨のプロたちと同じ土俵で対峙することになります。このため、株式投資における最大の難所が、いきなりやってくるのです。
仮に最初の投資額が100万円だったとして、その種銭を元手に投資の勉強をしながら上手に運用して、(何年かかるかはわかりませんが)10倍の1,000万円に増やせたとしましょう。もし、そこまで成功したなら、あなたはその1,000万円を1億円にするのにそれほど苦労しないはずです。最初で最大の難所を突破できれば、あとは、とんでもない暴走でもしない限り、資産は雪だるま式に増えていくのです。
じゃあ、その、いきなりの難所にどう向き合えばいいの?
そんな疑問にお答えいたします。
(1) 投資額は少なめに
もし、「退職金が2,000万円入ったので投資を始めたい」という方なら、その10分の1か20分の1。100万円か200万円くらいで練習を始めるのが良いでしょう。あなたは社会人として成功したかもしれませんが、株式投資ではド素人ですから。
(2) 銘柄数は5銘柄程度
投資先を1つに絞るのではなく、5銘柄程度まで広げると良いでしょう。これは5のルールと呼ばれる方法で、5銘柄にリスクを分散することで財産の急激な変動を抑えながら、初心者が複数の投資経験を積めるという観点でおススメです。
(3) じっくりと時間をかける
本屋に行くと、短期トレードの本が大量においてあると思いますが、専業トレーダーを目指したい人でない限り、おススメしません。短期的な値動きを追うのではなく、その企業の成長を追う。当然、数時間や数日間で企業が急成長するなんてことはありません。3~5年程度、じっくりと持ち続ける覚悟を持って、その企業を応援する気持ちで株を買うと良いでしょう。
(4) 投資の勉強を続ける
最大の難所は最初と申しましたが、その実力は変わらないまま、時間だけ長く使っても、あなたはこれっぽっちも成長しません。やはり、株の本を読むなり、新たな投資先を探すなり、何かしらの努力を少しずつでも続けると良いでしょう。
エナフンさんの推し活株式投資

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