僕には息子も娘もいないので、ここからはただの想像の話になる。こんなことを言うと、
『それなら息子がいる人、娘がいる人の話が聞きたいよ』
関西の人なら『それやったら息子がおる人、娘がおる人の話が聞きたいわー』
沖縄の人なら『それなら息子がいる人、娘がいる人の話が聞きたいさー』
英語圏なら"Then I'd like to hear from people who have sons or daughters"(だいたい)
アラビア語圏内なら
"في هذه الحالة، أود أن أسمع من الأشخاص الذين لديهم أبناء أو بنات"(だいたい)
犬なら
『ワンワンワン! キャイーン、クゥーン……ワンワンワンワン!!』(だいたい)
という声が聞こえてきそうではあるが、これには訳がある。息子、娘がいると逆にとてもできない。息子、娘がいないからこそ発信できる話だということを理解していただきたい。あくまで想像だからこそ嗜める話、だと捉えてもらいたい。
なので息子や娘がいる方は『お前に何がわかんねんボケ』と思いながら、なんなら声に出しながら読んでもらいたい。
ちなみに父親に限った話で、母親とは全然感覚の異なる話だと思う。なのでお母さん達には共感性は無いかもしれない。
お母さん達は『お前マジしばくぞ、いや殺すぞ』くらい思いながら、なんなら叫びながら読んでもらいたい。
僕がもし子供を授かることができるとして、その際に天使に『もしどちらかを選びなさい』と言われたら、息子を選ぶと思う。これは決して「息子とキャッチボールしたい」とか「男らしく育てたい」とかポジティブな意味ではなく、かなりネガティブな意味である。
男が娘を育てるという重圧は息子の倍くらいある気がするのだ。
息子だったら、勉強ができなくても、スポーツが全然でも、女にモテなくても、健康で人に迷惑をかけなければ、それで良い気がする。父親として、そこまで細かく将来を考えたりもしなくても、なるようになれば良いかなと思うような気がする。極論、大人になった時に、健康に生きててくれればなんとなくそれで良い気がするのだ。
娘だと、そうはいかない気がする。幸せになってもらいたい。幸せになってもらわないと父親の責任のような気がする。勉強もある程度はできてほしいし、クラスの何人かの男子からは好意を寄せられてほしいし、かといってヤンキーの彼氏とか大学生の彼氏とかできたらブン殴りたいし、できればしっかり収入の安定している人と結婚して幸せな家庭を築いてほしい。そしてその家庭でも問題は無いのか。問題があるならいつでも帰ってこい。あの男、頼りないと思っていたんだ。だから男は誠実なだけではいかん。あいつはいざという時に娘を守れるのか? IT企業だかなんだか知らんが、金を儲けているのは良いが、娘や孫が危険な目に遭っている時に迷わずに火の中に飛び込んでいけるのか? そうでないとイカーーーン!!!
くらいまで違うと思う。息子と娘では。
娘が膝を擦りむいて帰ってきたら『どうしたんや!! 大丈夫か!! 誰にやられたんや! 転けたんか! どこで転けたんや! お父さんの魔法で治したるからな、ほら痛いの痛いの飛んでけー! な! 治ったやろ! よし、でも転けた道作った奴は許せへんな! 今度文句言うたるわ!!』
となる。
でも息子が膝を擦りむいて帰ってきても、
『おお、傷口洗っときや』
くらいで済んでしまいそうな気がする。
まぁこう比べると息子が可哀想に見えてくるが、これが普通で、娘だと過剰に心配してしまいそうなのだ。そしてそういう態度で接すると結果的に娘には嫌われてしまう。うるさいオヤジになってしまう。
そしてそれを危惧した世のお父さんの一番多い選択は、「嫌われたくないから娘のことはお母さんに任せる」なのではないだろうか。
無関心ではなく、関心があり過ぎて距離を取る。というやつだ。これにより、嫌われることはない。「息子には体罰を顧みないくらい厳しくするが娘のことは怒らない」という父親は多い。よく聞く。これは「娘には嫌われたくない」お父さんの可愛さを孕んでいる。正直、「息子には嫌われても良い」すらある。やっぱり息子が可哀想だ。
ちなみにうちの父親は僕の一個上の姉にもバリバリ厳しかった。ゴリゴリに嫌われていた。でも今は何故かめちゃくちゃ仲が良い。どういう魔法を使ったんだろう。
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クロスロード凡説

「ネタにはしてこなかった。でも、なぜか心に引っかかっていた。」
そんな出来事を、リアルとフィクションの間で、書き起こす。
始まりはリアル、着地はフィクションの新感覚エッセイ。
“日常のひっかかり”から、縦横無尽にフィクションがクロスしていく。
「コント」や「漫才」では収まらない深掘りと、妄想・言い訳・勝手な解釈が加わった「凡」説は、二転三転の末、伝説のストーリーへ……!?










