ドラマ史に残る最強ヒロインが誕生していることに皆様はお気づきだろうか?
愛嬌の塊、その名は「四季(宮崎あおい)」この女性は、名前の如く四季折々の魅力に溢れている。
着飾っていない四季が私は好きだ。
文太に対しても愛情表現が真っ直ぐで、一途に愛していることをしっかり伝えている。それに加えユーモアスキルも高く、第2話で見せた「タクシー運転手コント」はこの上なくキュートだった。彼女がいるだけでその場の雰囲気が一気に明るくなるのだ。
歴代最強のヒロインで間違いない。
「人を愛してはならない」というノナマーレのルールは、四季を前にその掟を守ることは、はっきり言って……不可能。
これに関しては文太に同情しよう。むしろ愛さずに耐えている方だ。彼女の笑顔は、エスパー能力と言って良いほどの破壊力なのだから……。
そして、今回明かされた四季の本当のエスパー能力は、まさかの「吹っ飛ばし系エスパー」

またしても想像の斜め上をいく野木亜紀子脚本。
私の予想は、所謂「ヒーリング系(治癒系)」の能力になると思っていたが、まさかのどの人物よりも攻撃的で、誰よりも強力な能力をヒロインに授けたのだ。
この意外性が「野木SF」の真髄。このドラマの考察に至っては完全に手玉に取られている状況だ。
「エスパーの能力は、その人の願望が反映される」これは前回明かされたEカプセル(エスパー薬)の特性である。
では四季の願望とは何なのか……?
「文太(大泉洋)に降り注ぐ困難を全て“吹き飛ばしたい”」
これが彼女の願いなのだろう。
彼女がたびたび見ている「文太が倒れている夢」
これはおそらく四季が忘れている“本当の旦那が亡くなった事故”
しかし記憶のない四季は「文太に起きるかもしれない悪夢」だと思っているため、文太の無事を日々願っているという訳だ。これが吹っ飛ばし系エスパーになった理由だろう。
苦しむ文太を治癒的な能力で癒したいと考えるのではなく、文太に襲いかかる瓦礫や火の手を吹き飛ばしたいと考えているのは、とても四季らしい考え方だなと私は思う。
振り返ってみると、従来のSF作品はファンタジー要素が大きいため、起きた事象に対し説明がない事が多い印象だが「野木SF」は全ての事象にしっかり意味が込められているのだ。このファンタジー要素と現実主義的要素のバランスが、この作品の最大の魅力であり、視聴者を離さない理由だろう。
新たな能力者の誕生で、ますます今後の展開に目が離せないが、まずは「吹き飛ばす」という能力が“ちょっとだけ”の範囲を逸脱していないか、次の回で判断したいところだ(笑)
ヴィランの登場!? 新キャラの久条は一体何者なのか……
ちょっとだけエスパー軍団に「吹っ飛ばし系エスパー」という強力な仲間が増えたかと思えば、SF作品には欠かせない「ヴィラン(敵)」の存在が浮上してきた。
3話時点で恐れられていた「未確認因子」その正体は謎の大学生:市松(北村匠海)と予想していたが、これまた想像の斜め上をいく「久条(向里裕香)」という新キャラが登場。おそらくこの人物が真の「未確認因子」であり、市松や桜介(ディーンフジオカ)の息子である紫苑(新原泰佑)を仲間に引き入れ、ヴィラン軍団を結成した張本人だろう。
そして注目すべき点は、ノナマーレ社が使用するEカプセルと全く同じEカプセルを久条が持っていた点だ。ここから推測するに、久条はノナマーレ社の人間だった可能性が高い。
例えば、久条は兆社長(岡田将生)の部下だったが、方向性や思想の違いから退社。その際にノナマーレ社が所有するEカプセルを盗んでいたため、市松と紫苑に渡すことができたと予想する。
そうなると久条もエスパー能力を保持している可能性は高く、新たに市松も紫苑も能力者になったとなるとヴィラン3人も“全員が能力者”の可能性が高い。
ここから本格的な能力者バトルとなるのだろう……。
しかし忘れてはいけないのが「ちょっとだけの要素」
アベンジャーズのような派手な戦いではなく、いかに使えない能力を工夫して使うかという頭脳戦が予想される。
実は最も実践向きではない桜介の「撫で回すと花が咲く能力」を戦いの中でどう使うのかが個人的注目ポイントだ。
シンプルに腕立て伏せで肉体を強化していた点を見ると、全く能力を使わずにヴィランと対峙する可能性もありそうだ……。息子である紫苑の前で恥をかかないためにも“能力隠し”が最善の策かもしれない(笑)
そして久条の考察として話しておきたいのが「未来人」である可能性だ。
SF作品には欠かせない「未来から来た」という設定。いくら独創的な「野木SF」でも、この設定をどこかに盛り込んでくる可能性は高そうだ。
そうなると、どこか未来感のある容姿からも久条が未来人かもしれない。兆が把握できない未確認因子である理由も「未来人」だから?
予想だにしないことが起きていると兆が言ったのは、これまでにないケース(=未来人)だからと考えると辻褄が合う気も……。今後、タイムマシーンに乗り込む久条が見れるかもしれない(笑)
これは想像の域を出ない考察だが「エスパーの能力」や「ヴィラン」の存在が明かされた以上、この作品の考察には「未来人」や「地底人」「宇宙人」なども頭にいれる必要があるのだ。
“異質なSFドラマ考察”を、皆さんでこれからも楽しんでいきましょう。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
テレビ朝日『ちょっとだけエスパー』( 毎週火曜夜9時~)
出演:大泉洋、宮崎あおい、ディーンフジオカ、北村匠海、岡田将生 他
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデュース:三輪祐見子
音楽:髙見優、信澤宣明
主題歌:こっちのけんと『わたくしごと』
著者:ペチ
イメージイラスト:サク
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3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
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