日本語ペラペラのアメリカ人が言う「庶民の味」とは?
日本語ペラペラのアメリカ人の知人が、先日めでたくアメリカで結婚式をあげました。教会で式をあげたあとは高級レストランで食事をしたということ。その時のことを流暢な日本語で話してくれました。
「すごく高いレストランで、もう一生行けない気がする。でもね、翌日近所のクレープ屋で食べたクレープの方がずっと美味しかった。やっぱり庶民の味が落ち着くね」
アメリカ人なのに「庶民の味」という日本語をさらっと使う語学力に驚きました。
英語では似たような意味のフレーズはあるのか、聞いてみたところ少し考えてからこう言いました。
「everyday flavorsかなぁ」
「毎日のフレーバー」、つまり日常の味っていうことなのでしょう。
こんな風に使うみたいです。
I miss the everyday flavors of my hometown.
(故郷の日常の味が恋しい)
Everyday flavors are simple, but they stay in your heart.
(日常の味はシンプルだが、心に残る)
「親しみのある日常的な味」というニュアンスで、肯定的な文脈で使われるということ。
一方で“ordinary flavors”と言ってしまうと「平凡な味」となってしまって、少しネガティブなニュアンスを持つのだそうです。
日本語の場合は「庶民」という言葉が入っているため「セレブ」との対比をなんとなく感じさせ「安くてうまい」というイメージになりますが、この“everyday flavors”にはそういう対比はなく、必ずしも安いというわけではなさそうです。
毎日ご馳走を食べているセレブの言う“everyday flavors(日常の味)”と庶民のそれは絶対違うので、誰が言っているのか注意して聞かないといけないフレーズかもしれません。
ちなみにそのアメリカ人が「高級レストランより美味しい」と言っていたクレープは、日本の甘いクレープとは違い、レタスとハムとチーズの入ったしょっぱいクレープだそうです。クレープというと日本では食べ歩きのイメージがありますが、その人の言っていたのは店の中でナイフとフォークでいただくものだったということ。といってもカジュアルなレストランだそうで、日本で言う「牛丼屋の方が高級レストランより美味しかった」みたいなニュアンスなんだと思います。
「9ドルくらいだし、高級レストランよりこっちの方がいいや」
そう彼は続けて言いました。9ドル。日本円で1350円くらいでしょうか。確かに円安と現地の物価を考えれば9ドルは安いのかもしれません。しかし日本では牛丼1杯はだいたい500円程度、同じ「庶民の味」といえど、現在は少し差があるなと、切なく感じた次第です。
* * *
※この記事はWeb版GOETHEに掲載された記事を再編集したものです
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35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。
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