
人の脳は本能的に「新しいもの」を警戒するようになっている。
本来、人間は、予測のつかないものや不確かなものを避け、確実なものを求める傾向があるらしい。
しかし、この作品に限っては違う。
「ちょっとだけエスパー」という予測のつかない「新しい作品」に対しても、大きな期待以外の感情は沸かないのだ。
1話終了時点では、この先どんな展開が待っているのかは全く想像できないが、先への不安などは一切なく、未知の展開への期待感しかない。
そう思わせてくれる要因は【主演:大泉洋×脚本:野木亜紀子】
この「絶大な信頼感」に他ならない。
地球を救う?人を愛してはならない?分からないことだらけだが、この作品が面白いことは分かる第1話!
1話を見ての率直な感想は「なんか、とんでもなく面白くなっていきそう!」だ。
そう思った理由は、前述した「絶大な信頼感」と「プロローグの惹きつけ力」が秀逸だからだ。
この「プロローグの惹きつけ力」は第1話の最も大事な要素だと私は思う。
—-----------------------------—-----------------------------—-----------------------------—------------------------
会社をクビになり、金も家族もすべてを失ったどん底サラリーマン・文太(大泉洋)は新たに入社した会社・ノナマーレの社長である兆(岡田将生)から突然〈今日から地球を救ってもらいます〉という壮大すぎる仕事を命じられる。
しかし文太に課されたのは日常生活の一部を僅かに変えていく地味なミッションばかり……。
家に帰れば、見知らぬ人との仮初の夫婦生活。
そして鍵を握る「ちょっとだけのエスパー能力」と「人を愛してはいけない」という掟。
世界を救うとは一体なんなのか…?全てが謎すぎるSFラブロマンス開幕!!!
—-----------------------------—-----------------------------—-----------------------------—------------------------
私の拙い言葉で1話を要約してみたが……。
惹きつけ力、凄くないですか?
どんな結末か気になり過ぎませんか?
少なくとも私はこの作品の結末を見届けないと年を越せません。
特に私がお気に入りなのは、世界を救うという壮大なテーマなのに、課されるミッションは地味という点。
この作品はSFでありながら本質的には日常なのだ。この絶妙な設定が、ファンタジーでありながら現実味を漂わせ、視聴者を置いていかない構造となっている。
アベンジャーズが地球を襲うモンスターから世界を守るヒーローなら、ノナマーレは小さい一つ一つの積み重ねで世界をちょっとずつ良い方向に進めていく集団といったところだろう。
そしてアベンジャーズの特殊能力者が勢揃いする派手さとは真逆の「エスパー」でありながら、あくまでも能力は〈ちょっとだけ〉というバランスがこの作品の核となっている。
「人に触れると心の声が聞ける」はちょっとだけの能力なのかは微妙だが「人に触れないといけない」という発動条件が、この作品ならではであり、肝になっていくのだろう。
そして人の心の声が聞けることが必ずしも良いこととは限らないし、相手の本音が分かることで辛い思いをすることもあるだろう。「心の声が聞こえる」という非現実的な要素ではあるが、そこから派生する悩みや本質に関する考え方には現実的な要素も含まれていると私は思う。
文太がこのエスパーの能力とどう向き合うのか、この“日常系SFドラマ”が今後どんな展開を迎えるのか、大注目だ。
「そんなことより仮初だとしても嫁が宮崎あおいは羨ましすぎ」
おっと、文太に心の声を聞かれてしまったようだ。
難航する考察...全てが謎のこの作品をあなたはどう考察する?
先に言っておくが、この作品の考察は難しい。そして多少のリスクを伴う。
というのも、この作品を考察するには「物語の展開を予想する想像力」が必須だからだ。
描写から犯人の証拠をあぶり出す「真犯人考察」とは少し違う。
つまり、カリスマ脚本家:野木亜紀子氏と同様の「脚本力」がないと物語の全容は見えてこない。
だからこそ、検討はずれの考察を繰り広げるリスクが非常に高いのだ。
これを念頭に置いて筆者の考察を聞いてほしい。
四季(宮崎あおい)の記憶がおかしいのではなく、文太(大泉洋)の記憶がおかしいのでは?
つまり「四季は文太が過去に離婚した本当の妻」という考察だ。なぜ文太はそれを覚えていないのか……。
1話冒頭のVR世界のシーンが現実世界であり、それから先の描写はいわゆる仮想世界だから。
要約すると「文太は生死を彷徨っているため仮想世界でミッションを与えられている」という考察だ。
正直、私自身もいまいち何を言っているか分からない。笑
(これ以上の詳細やそう考えた理由に関しては是非とも我々の考察動画を見てほしい)
1つ言えることは、このドラマの考察(展開予想)が当たった時、少しだけ野木亜紀子氏の頭の中に近づいているということだ……。そんな成功体験を味わえるように、難しい考察から逃げずに全力で好き勝手に妄想を広げていきたい。
この物語が我々の考察の方向に進んでいくのか。
それとも我々が全く想像していない方向に進んでいくのか。今から楽しみで仕方がない。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
テレビ朝日『ちょっとだけエスパー』( 毎週火曜夜9時〜)
出演:大泉洋、宮崎あおい、ディーンフジオカ、北村匠海、岡田将生 他
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデュース:三輪祐見子
音楽:髙見優、信澤宣明
主題歌:こっちのけんと『わたくしごと』
著者:ペチ
イメージイラスト:サク
考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-の記事をもっと読む
考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?
物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。
- バックナンバー
-
- 「ちょっとだけエスパー」第1話 文太は既...
- 「良いこと悪いこと」 第2話 明らかに怪...
- 「良いこと悪いこと」 第1話 犯人は1人...
- テレビ局の本気。秋ドラマのラインナップが...
- 「放送局占拠」 最終話 衝撃のラスト!!...
- 「愛の、がっこう。」最終話 心が震えた…...
- 放送局占拠 第9話 これを見ているあなた...
- 「愛の、がっこう。」第10話 カヲルの就...
- 「放送局占拠」第8話 “ありえない”!?...
- 「愛の、がっこう。」第9話 まさに神回!...
- 「放送局占拠」 謎・伏線まとめ “PM ...
- 「愛の、がっこう。」第8話 断言します。...
- 「放送局占拠」 第7話 残る妖の正体はあ...
- 「愛の、がっこう。」第7話 切なすぎる優...
- 「放送局占拠」 第6話 輪入道は屋代では...
- 「愛の、がっこう。」第6話 カヲルが人...
- 「放送局占拠」 第5話 大和と伊吹を助け...
- 「愛の、がっこう。」第5話 ラウールの演...
- 「放送局占拠」第4話 本当の黒幕、“傀儡...
- 「愛の、がっこう。」第4話 ここに禁断の...
- もっと見る