
漢方の本場、香港出身の人気養生家でYouTubeチャンネル@rongemeganeで東洋医学の知識を発信しているロン毛メガネさん。新刊『香港式 私をいたわる12ヶ月の漢方養生』では、24節気ごとに取り入れたい食べ物、生活習慣、ツボ、マッサージなど、季節の変化に負けないセルフ養生を詳しく紹介しています。本書より、一部をお届けします。
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霜降の生活習慣と食事のヒント
秋の最後の節気、霜降に入ると、お昼はまだポカポカしていますが、夏ほどの暑さがなくなり、朝と夜の寒さがさらに厳しくなって、結露が霜に変わる頃です。
生活習慣
基本的に寒露と変わらないです。ただ、東洋医学では、「補冬不如補霜降」という言葉があって、冬の間に補うより、霜降の間に補ったほうがいいという意味です。
この時期は疲れすぎないこと、ストレスを溜めないこと、体を冷やさない服装を選ぶことなどを意識しましょう。気血の消耗を最小限に抑えて、さらに気血を補って蓄えて、冬に備えると理想的ですね。
日照時間が短くなって、寒くなってくるので、心理的にも体力的にも疲れを感じやすくなります。ストレスを溜めずに、仕事は定時になったら帰りましょう。
今日の分が終わらなくても、無理して残業しないように、お家に仕事を持ち帰らないようにしてくださいね。少し「休む」ことを意識して適度にサボりましょう!
あと、お腹を温めることも大事になってくるので、冷えやすい人は、腹巻き、カイロを利用して、お腹を冷やさないように。
乾燥肌の人は、顔だけではなく、体にも保湿クリームを塗りましょう。東洋医学では、肺が乾燥にやられると、空咳、呼吸が浅くなる、深呼吸しにくくなる、かぜをひきやすくなる、喉が痛い、乾燥肌などの症状につながると考えられています。
産毛、皮膚は肺に関係していると考えるので、肺を乾燥から守るには内側だけではなく、外側の保湿も忘れずに。
食事
この時期は、冬の体調の土台を作る時期なので、冷たいものやお刺身、生野菜サラダのような生ものはできるだけ控えたほうがいいです。夏の間に陽気を消耗しているので、冷たいものや、生ものを食べたり飲んだりすると、せっかく体内に戻ってきていた陽気をさらに消耗してしまって、冷え性を悪化させたり、不調につながったりしますよ。
白い食べ物で体を潤すのはもちろんですが、霜降に入ったら、ゆで卵、牛肉、鶏肉など、気血を補い、胃腸を養う食材がおすすめです。寒い冬をしのぐために、疲れた体にエネルギーを注入しましょう。
豚肉は少し体を冷やす力があるため、豚肉の料理を作る時は、生姜やにんにくを一緒に使うと理想的ですね。
そして、夏の間に津液(水)と血を消耗した影響で、この時期は抜け毛が増えます。乾燥によってさらに悪化してしまうので、ナツメ茶、クコの実茶、黒豆茶、豆乳などを取り入れて津液と血を補いましょう。
香港式 私をいたわる12ヶ月の漢方養生

香港出身の人気養生家、ロン毛メガネさんの新刊『香港式 私をいたわる12ヶ月の漢方養生』が9月29日に発売となりました。本書より、試し読み記事をお届けします。