
定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』では、四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介しています。本書より、一部をお届けします。
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コンプレックスがあって、服装が決まらないときも、小物を足すだけで自分らしいスタイルが完成
私がおしゃれに見せたいとき、元気に見せたいときは、帽子やスカーフ、そしてアクセサリーなどの小物を活用することが多いです。その中で特にメガネはマストアイテム。子供の頃から近視と乱視があり、メガネとはとても長い付き合いですが、コンタクトレンズが合わなくて、50代を過ぎる頃から私の生活にはメガネは欠かせない存在になりました。
メガネについてお話しする前に告白をしますと、実は私は普段の日でも、そして撮影のときでも、ノーメイクなんです。メイクを楽しむのは素敵なことだと思いますが、私の場合、なぜかメイクで顔の印象が変わるのが、昔から苦手で居心地が悪いんですよね。学生時代、「小目々ちゃん」なんて呼ばれたりして、目が小さいことをコンプレックスに思っていた時期があったからかもしれません。
でも、そんなノーメイクな私が、それでも顔が明るくハツラツとした印象に見えるとよくいわれるのは、メガネの効果が大きいんじゃないかな、と思っています。メガネのフレームが顔をはっきりとシャープに見せてくれる。その効果が絶大なんだと思うのです。
メガネは今の私のおしゃれに欠かすことができません。愛用しているメガネは3本ほどでしょうか。85ぺージでご紹介している黒い丸メガネを基本に、ほかに赤やベージュのフレームのメガネをよくかけています。赤いフレームのメガネは着こなしが少し地味かなと思う日の差し色に、ベージュのものはマニッシュなコーディネートの日にポイントにしたりしています。私にとってメガネは、みなさんにとってのメイクと同等、いやそれ以上に顔まわりを元気に見せてくれる頼もしい相棒なのです。
メガネと同じく、手軽にプラスして一気に垢抜けるアイテムとして、キャップも愛用しています。その日の服装が物足りないなと感じたとき、カジュアルな服装ならたいていキャップを合わせて出かけます。さっとかぶるだけで、いつもの私らしい雰囲気にしてくれます。ヘアスタイルがなんだか決まらない、なんてときも大活躍します。
なんだかおしゃれが決まらないな、もっと元気に見せたいな、なんていうときに自分らしく見せるためにプラスする小物。メガネもキャップもどちらとも私のトレードマーク。自分らしいおしゃれに欠かせないアイテムなのです。

80歳、私らしいシンプルライフ

定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』が8月6日に発売となりました。本書より、試し読み記事をお届けします。
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