
定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』では、四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介しています。本書より、一部をお届けします。
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使う色は3色まで。おしゃれを洗練させて見せる極意です
シンプル、ベーシック、そしてカジュアルな服を組み合わせておしゃれを楽しむ。といってもいざ実践となると、ピンとこないかもしれません。それに、「定番アイテムどうしを組み合わせても地味でうまくいかない」、あるいは「変わり映えしない」、なんておしゃれの相談をいただくことも多いです。私なりに決めているおしゃれの基本ルールがあるので、いくつかご紹介しますね。
まず色使いについては、使う色は3色まで、と決めています。我が家の家づくりではブルーと茶色を基準にしているというお話をしましたが、おしゃれなら色を特定するのではなく、使う色数を絞ることが大切。色数が増えれば増えるほどまとまりにくいもの。3色に絞ることですっきり洗練された印象になり、おしゃれに仕上がります。
色によって“元気”“やさしい”“かっこいい”などさまざまな印象を与える効果がありますから、いろいろな色にチャレンジして楽しんでいただけたらと思いますが、あれもこれもと欲張って色数が多くなりすぎては逆効果。一度の着こなしで、3色までがまとまりやすくておすすめです。
ベーシックな定番の服が多いので、白、黒、茶色、カーキ、ネイビーなどの色が中心。そこに1色、はっきりした赤やブルーなどを差し色に使うこともありますが、基本はベーシックカラーをメインに組み合わせています。ただ、おしゃれに見せるにはメリハリが大切。はっきりしたボーダー柄や白い襟などをアクセントにしたり、同じ色でもちょっと素材感の違うものを組み合わせて質感で表情を変えてみたり、単調にならないようにと工夫します。
「その日、どんな自分でいたいか」が、私にとっては大事。色が与えてくれる効果を利用して、おしゃれな印象に盛り上げます。ここで紹介しているコーディネートは散歩に行くときのスタイルです。カーキグリーンのジャケット、モノトーンのボーダーカットソー、茶色のパンツ。キャップはパンツの色と同色のものに統一してすっきりと。はっきりしたモノトーンのボーダー柄をアクセントに、ちょっと光沢感のある素材のショートジャケットで軽快な印象を加えました。
私の定番服には、ボーダー柄など定番の柄のアイテムがとても多いので、それらをポイントにした着こなしやコツについてはあとのページであらためてご紹介しますね。

80歳、私らしいシンプルライフ

定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』が8月6日に発売となりました。本書より、試し読み記事をお届けします。