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2025.09.05 公開 ポスト

「日本に情報機関は必要なのかを問うことは、すなわち、私たちの民主主義との向き合い方を問うことだ」佐藤大介さん×青木理さん講座レポート幻冬舎編集部

8月29日に、佐藤大介さん『韓国・国家情報院 巨大インテリジェンス組織と権力』の刊行を記念し、青木理さんとのトークイベント「激動の韓国と日本、日韓の未来」が開催されました。

冒頭は、来日したばかりのイ・ジェミョン大統領の話題から。来日に先立ってイ・ジェミョン大統領の単独インタビューが読売新聞に掲載されました。これまで韓国・進歩派の大統領の最初のインタビューは朝日か毎日に載るのが通例だったので、これには佐藤さんも青木さんも驚いたとのこと。そこに「実用主義」を掲げるイ・ジェミョン大統領のどんな計算(打算)があるのか。ともにソウル特派員の経験のあるお二人ならではの読み解きは、とても興味深いものでした。

また、日本の公安警察の取材を長く続ける青木さんによれば、日本には、国家情報院のカウンターパートとなるような情報機関は存在しないとのこと。警視庁公安部や警察庁警備局、公安調査庁、内閣情報調査室などが事実上の情報機関と言われていますが、その権限も組織も、韓国をはじめとする他国の情報機関とは全く異なるそうです。であれば、当然、日本に正規の情報機関は必要ないのかという議論が出てきます。

これについて「日本の現状はあやふやで非効率的。情報機関が必要なのかという議論自体がなされてこなかったことは問題だ」と佐藤さん。これに対して青木さんは、「情報機関は、肥大化し暴走する危険をはらんだ暴力装置。いまの日本が情報機関を持ったときに、それをコントロールできるのか」と問題提起。情報機関のあり方を問うことは、そのまま、その国の民主主義のあり方を問うことだという点でお二人の見解が一致したことには、とても考えさせられました。

硬派なテーマではありましたが、共同通信の先輩・後輩でもあり、息の合ったお二人の対談は、ちょっとした掛け合いあり、脱線ありで、終始、楽しい雰囲気のなかで進みました。

参加者から寄せられた感想の一部をご紹介します。

韓国については詳しくないので、大変勉強になりました。金大中事件とか子供の頃の記憶にありますが、こういうことだったのかと改めて。本当に日本と韓国のこれからについても考えさせられました。そして何よりとても楽しかったです。

本も素晴らしかったですが、対談という形でお聞きでき、とても良かったです。内容も濃かったです。

国情院のことだけでなく、韓国との比較の中で日本の情報機関の状況や問題点について知る機会になった。国益でなく公安警察、公安調査庁や防衛省、内調といった組織の論理が優先される実態には(今更驚きはしないが)やはり幻滅する。

9月29日(月)17時まで視聴可能なアーカイブを販売中です。ぜひご利用ください。


 

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