「ちょっとだけエスパー」第7話 四季が生き残る条件は「フミトと出会わないこと」切なすぎる恋の行方とは……。 #大泉洋 #6969b6969b～ろくろっ首～（ドラマ考察系 YouTuber）

考察記事を書く上で、大事にしていることがある。

 

それは考察や感想の中に、実体験を交えることだ。実体験を交えることで、読みものとしての充実度や満足度が上がり、動画やSNSの考察とは違う楽しみ方を読者の方にしてもらえると私は考えている。

 

しかし第7話にして気付いてしまったことがある……。

 

「このドラマは未体験のことが起き続けている(笑)」

 

うすうす感じてはいたが、ちょっとだけエスパーは純度100%の極上のSFドラマなのだ。
回を増すごとに、人間ドラマ味が増え、SFでありながら現代社会への警鐘を鳴らす作品へと舵を切っていくと思っていたが、回を増すごとにフルスロットルに現実感は薄れ、気持ちが良いほどにぶっ飛んだ展開になっている。

 

30年以上生きているが、エスパーの能力を感じたことも、地球を救えと頼まれたことも、未来人との交流も、残念ながら一度も経験したことがない私だ笑

 

ここまで実体験を話せないドラマは稀有であり、日本ドラマの常識を変えたと言っても過言ではない。

 

だからこそ私は最後まで記事を書いていきたいのだ。
記事として向いているか向いていないかでいうと間違いなく後者の今作と全力で向き合い、新たな道を開拓したいと考えている。

 

そして私がこの作品の記事を書きたい最大の理由は、完全なるSF作品ではあるが、一つ一つの出来事にしっかり意味があり、噛みごたえがあるからだ。

 

従来のSF作品は、濁さず言うならば「勢いまかせ」の作品が多い印象だ。基本的には細かい辻褄は気にせず、世界観を楽しむものとしての側面も強い。

 

しかしこの作品は“なぜこうなっているか”が緻密に計算されているのだ。今後の展開を考察したいと思わせてくれる要因は、間違いなく「丁寧な意味付け」にあると私は考えている。

 

考察欲を掻き立ててくれるSF作品に本日も全力で挑んでいきたい。

 

四季は「フミトと出会うと亡くなる未来」になる？　フミトの行動の意味とは一体なんだ……。

前述した通り、この7話でも「意味付け」があった。

 

それはフミト(岡田将生)が仕掛けた“四季(宮崎あおい)の記憶を操る行動”だ。

 

この7話を簡潔に説明すると……。

 

四季とフミトが出会い、結婚するのは来年の出来事。
未来の記憶が混じったのは、半年前にフミトが飲ませた液体“ナノレセプター”が原因。
予定通り行けば「十年分の記憶」を無意識下にインストールでき「四季を救う」ことができるとフミトは言う。
しかし途中で停電が起き、記憶が最適化されないままインストールは失敗してしまい、そのせいで四季は、まだ見ぬ夫を求めてさまようことになった。

 

これまでの四季の行動言動の理由が完全に判明した。このSF純度は高めのまま緻密な意味付けをする脚本は賞賛に値する。

 

そして考察を広げるならば、フミトの目的は「10年後に死ぬ四季を救うこと」だろう。そして四季を救う唯一の方法は「フミトと四季を出会わせないこと」なのでは？　と私は考える。

 

なぜこのような考察になったかというと、重要なのは“フミトが仕掛けた十年分の記憶を無意識下にインストールさせる行為”だ。

 

この行為をしたい理由は、フミトが四季と出会い、共に歩んではいけない未来だからと考察する。つまり、2人が出会ってしまうと四季が亡くなる未来となってしまうのだ。なので未来のフミトは四季の死の未来を阻止するために、出会わなくても2人の未来が作れる“十年分の記憶インストール計画”を企てたのだ。

 

まとめると、フミトは10年後の「四季の亡くなる未来」が変わるまで、四季とは出会わずに架空の暮らしをさせ、未来が変わってから実際に四季との未来を歩んでいく算段ということだ。

 

7話のフミトの行動を見ると、このような考察になると私は考える。

 

SF考察は、前提を決めるのが困難なので妄想も含むが、全ての事柄に意味を持たせる野木亜紀子氏の脚本なら“フミトが四季に真実を隠す理由”も緻密に計算されているのだろう。

 

そんなフミトの作戦を無視するように、四季と文太(大泉洋)は愛し合ってしまったのだ。

ただ冷静に考えると、四季の記憶の中のフミトは妄想でしかないので、文太を愛してしまうのも無理はない。ここに「SF三角関係」が完成してしまうのだ。

 

現在の夫である文太vs未来の夫になるはずだったフミト

 

こんな歪な恋愛模様なんて、もちろん体験したことがないので、実体験は1ミリも加えられないが、彼らの行く末は最も気になるポイントだ。

 

SF恋愛ドラマへと変貌を遂げたこの作品を最後の最後まで味わい尽くしましょう！

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••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
テレビ朝日『ちょっとだけエスパー』（ 毎週火曜夜9時～）
出演：大泉洋、宮崎あおい、ディーンフジオカ、北村匠海、岡田将生 他
脚本：野木亜紀子
監督：村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデュース：三輪祐見子
音楽：髙見優、信澤宣明
主題歌：こっちのけんと『わたくしごと』

著者：ペチ
イメージイラスト：サク